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●五行の働きについて
五行を理解するには、春夏秋冬の成立から入るのが判りやすいのですが、春夏秋冬のその奥にある“働き”を知ることが大切です。したがって、春夏秋冬ではなく、木・火・土・金・水と真理的な符合をつけて説明しています。五行論では、「土」が一番、重要な働きをしています。それをキチンと理解することがキーポイントとなります。
◆木気の働き
我々は春が来たというとき、何を根拠にしているかと言えば、冬から徐々に暖かくなって、草木の芽が出てきて葉が開き、グングン伸長していく姿をみて判断している訳です。春に代表される伸長作用、加熱膨張作用、始動作用、半開作用を、古人は「木気」という符号つけました。
伸長・半開・始動作用を持っているものは、すべて木系に属し、春もその一つです。その事を理解しておいてください。また、木気は、陽が主になってできているもの。蛋白質・澱粉体である生物は成長させるが、氷や金属のような陰体は溶かしてしまって、衰退させてしまいます。
じっとしていること、凝固していること、寒冷な環境であることなどを本性とするもの、すなわち陰が中心になってできているものにとっては、同じ伸長・加熱・半開・始動作用がマイナスに作用するのです。木気は、陽遁の生成・発展とともに、陰遁の衰退期です。この両側面が一緒に働いていることを忘れないでください。たとえば春になったら、万物すべてが成長するのではなく、他方で機能が衰えたり、消滅する物もあるのです。
◆火気の働き
火気の働きを代表するのが、夏の働きです。夏は一年中でいちばん暑い。そして、この暑いというものの代表が火なので、「火」という符号をつけた訳です。その働きの内容は、やはり草木の形を通して知るのが一番わかりやすく、夏は草木は最も高く伸びて、枝葉を一番広げます。持っている力をフルに発揮している訳です。この最大の膨張、全開作用、全動作用が火気の働きです。この働きを受けて成熟するものもあれば、消滅す物もあります。この陽遁の成熟、陰遁の消滅の両作用を併せ持っているのが、火気です。
◆金気の働き
金気は、減熱によって万物を凝固・収斂させる働きがあります。植物は、全開していた枝葉を枯らし、養分は根のほうに下がって行きます。寒天などは、熱を加えるとドロドロになりますが、それを冷やすと固まります。この固める働きや、固める働きを持っているものを、「金」という符号をつけました。固まることを本分としているものは、金気の作用によって一層固まってきます。反対に、蛋白・澱粉体からなる動・植物は縮まって、衰退して行きます。人や動植物の中でも金系タイプのものは、例外です。たとえば、木系タイプの物に比べて衰退の程度が少なく、かえって生き生きします。
◆水気の働き
水気は、金気よりもさらに冷却して、凍結する働きをもっています。季節では冬、一日では夜の働きです。この冷却凍結の働きを、自然界で一番よく代表しているのが水です。水は冷たいのが身上で、温めると酸素を発し、水本来の生命をなくして死水になります。また、氷は水の変化したものです。
水や氷のように、陰気が中心になってつくられているものは、冬や夜など水気が旺盛なときに、最も働きます。反対に、蛋白・澱粉体のような陽体は、凝結させられると死滅しますが、他方で固められれば固められるほど内圧は高まって内燃力を生じ、種子の中では次の新しい生成を準備します。水気には、陰遁の成熟、陽遁の消滅と内在・生成の働きがあります。
◆土気の働き
土気の働きは、一般的にいうと“場”の働きですが、それを理解するには、大地の働きを知ることが大切です。大地は、地上のものすべての物にとって、共通した基礎的な場です。土という符号も、この大地の働きから来ています。
地上の物は、天の気と地の気が交流してできています。そして天気には、半開作用の暖気、全開作用の暑気、半閉作用の涼気、全閉作用の寒気の四つの働きがあり、それぞれを木気、火気、金気、水気と符号づけました。この天気の下降により地気が上昇し、天地の気が交合し人気が生じます。この土が天の気と結合していることがわかります。
地上で働く木気は、天の木気と地気とが結合したもので、草木の芽も、大地があるから出てくるのです。雨や霧も、大地から昇る水蒸気と天の冷気が結合して生じるので、我々人間も大地があるから生存できるのです。この地上の物は、全部そういう仕組みになっています。万物はすべて土を土盤とした場をもつ存在です。
男女の関係でも同じです。男と女ではどちらが中心になっているかと言えば、女性です。これは、自然の仕組みだから仕方がないのです。男性が中心のように見えますが、それは陽のほうが表面的な動きが活発なためで、考えてみると女性を中心に動いているのです。女性のために働き、女性のために死ぬ、というようなものです。
●変化の瞬間に現れる“間”
春夏秋冬と変化していくために、"間"と言うものがあります。万物はすべて運動体ですから、次から次へと変化していくためには“間”が必要です。リレーでいえばバトンタッチのところです。“間”とは、変化をつくるもので、変化期のことです。歌でも、間がないと歌になりません。また、この間を悪い意味で使った例が、“魔がさす”時です。
間の時期は、天の気の下降が弱くなります。バトンタッチの時でも、歌の間でも、それまでの動きが一瞬弱くなります。しかし、それは次に動くために力を蓄える時です。バトンタッチなら次の走者が走る体勢に入っているし、歌なら息を吸うときです。
このように間の時期には、それまで奥で隠れていた基盤が、前面に出ます。一家でも、ご主人の働きが少なくなれば、家を守る奥さんは前面に出て力を発揮しますが、それと同じです。天の気の下降が弱くなるときは、天では宇宙の空無が前面に出ているし、地上では地が気盛んになっているのです。
こうして、春夏秋冬の間には、地気が盛んになる土用があるのです。しかし土用は、春夏秋冬の間だけでなく、本当はすべての時にあるのです。すべでは土によって作られ、変化しているので、“間”は変化の瞬間々々にあるのです。ただ、春夏秋冬の“間”の変化が大きいため目立つだけです。
四つの土用の中でも、夏の土用と冬の土用は「鬼門」と呼ばれ、変化が強く働きます。理由は冷熱変化の一番大きからです。十二支でいうと丑と未です。丑と未の月を「鬼門の月」、丑と未の方位を「鬼門の方位」丑と未の時間を「鬼門の時闘」というのです。丑のほうは陽遁だから「男鬼門」または「表鬼門」といい、未のほうは陰遁だから「女鬼門」または「裏鬼門」といいます。
家相でいえば、このような方位に不浄物や、玄関などの主要なものを持ってくると、その物によって、家がさびれたり、病気になったりします。また、男鬼門では男性が不幸になりやすいし、女鬼門では女性が不幸になりやすいのです。これらの事は、みな科学的に説明がつきます。すべては、宇宙生成から考えて、その考えを知るだけの能力がないために、多くの人は迷信だと思っているだけです。
◆殺滅と生成の変化作用
変化とは、それまでの動きを止めて、新しい動きをするという事で、土はこの二つの働きを同時にもっています。万物は、生成→発展→成熟→衰退→消滅の過程の中で動いており、その過程の瞬間々々に、殺滅と生成の両面が同時に働いているのです。土は瞬間々々の変化をつくりながら、全体の大きな変化をつくっているといえます。また、殺滅と生成の変化は、生成のときと消滅のときとで強く働きます。それが「鬼門」です。
我々は精神と肉体からできていますが、その精神は天から、肉体は大地から与えられて、両者が交合して一人の人間になっています。直接には両親からつくられますが、それは天地の両気が、父母を媒介にしているだけで、大元は宇宙の気です。このことは、地球における生命発生を考えればよく判ります。ですから、我々は大地を母胎として生まれ、大地によって肉体を与えられていると言っても良いでしょう。
誕生後は、農業や鉱業や水産業のように、大地に対して労働をもって働きかけたり、また、工業のように大地からの産物を加工して、自らの生存に必要なものを獲得し、それを人体における土である消化器が消化(殺滅)、吸収(生成)し、一方は細胞の新旧交代に使われ、他方は糞として大地に帰ります。
この繰り返しをしている内に、「幼年→青年→中年→老年」と変化して行くのです。我々は大地によって生かされているのです。力付で死ねば、魂という気は上にあがって天に戻り、肉体は大地に帰ります。上下で交流して成っていたのですから、死ねば上下に分かれるのは当然です。 |
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