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日本中医学院卒業 北京・広州中医学院留学 日本自然療法学会会員 日本薬膳振興協会会員 八面蒙色研究会講師
清水寺管長、松本大圓氏揮毫 薬食同源。健康の維持には食生活が大事と説いています。
 
旬の食べもの
旬の食べもの

昔から旬のものを食べるとよいといわれているが、なぜであろうか。われわれ人間は大自然に順応して生きているので、その自然のつくった、つくりたての母乳である旬のものを摂取することは、自然の働きに完全順応することで、たいへん望ましい。

季節の折々には、その旬に応じた食物が育ち、われわれの変化していく人体を正しく調整してくれる。たとえば夏の土用から皮下脂肪をつけ、秋には完全に越冬準備をした体を、冬にはその脂肪をじょじょに分解しなければならない。春は、夏に向けて脂肪分解して暑さをしのげるように準備するとともに、冬の分解された脂肪が栄養素となって、新芽細胞をつくって新生細胞の確立をする。このためには、脂肪分解素と新芽細胞新生素の含んだ食品が必要となってくる。このような栄養素を大量に含んでいるのが春季にとれる旬の食物なのである。他季も同じように、その季の体に応じた旬の産物ができる。「基礎編」でも述べているが、次に四季に適した食事のとりかたを簡単にまとめてみよう。


●春季に適するもの

@春にできた野菜を朝食に副食として食べる(冷え症の人は少量にする)。
A脂肪分はできるだけ少なく、五日に一ぐらいの割合で夕食に摂る。バター、マーガリンのような凝結性の脂肪分は避ける(とくに肝旺、心旺タイプは極少にすること)。
Bできるだけ朝食を軽くするか、抜くようにして肝臓の働きを助ける。
C梅干しは、毎朝食に一個といわれているが、春は他季より多めに梅干しの酸を必要としている。早春より仲春、仲春より晩春と酸味性の食品をじょじょにふやしていく(冷え症の人は急に酸を多くすると、いっそう冷え症がひどくなるので、暑がりの人よりは少なめに摂ること)。
D春は、他季よりビタミン、無機質、蛋白質を多く摂り、でんぷん質は少なく控えめにする。


●夏季に適するもの
@毎食、この季にできた野菜を副食として食べる(冷え症の人は過食しないように控えめにし、暑がりのタイプは多少よけいに)。
A土用期までは、脂肪分は極少にする。食べる場合は、軽く夕食に摂る。土用期から少しずつよけいに摂りはじめる。
B昼食はできるだけ軽く、さっぱしたものを摂り、心臓の負担を軽くし、食休みを多くとり、昼寝をするのが理想。
C冷え症の人は、この季はとくに口渇するが、冷飲料水、スイカ、トマトなど冷える食品は避け、逆に熱いものを飲んで冬に備えること。熱性タイプは、午後三時までは適量の冷飲料水、冷やす食品を摂って体温調整をはかってもよいが、冷ないものはなるべく避けることが望ましい。
D長夏の土用まではビタミン、無機質、蛋白質を多く摂り、土用以後はでんぷん、脂肪分を他季より増やしてもよい。


●秋季に適するもの
@この季にできた野菜や穀物を主食・副食として食べる。他季よりはやや多く食べて差しつかえない(冷え症の人は果実を少なくし、なるべく脂肪分が身につくように酸味性の食品を減らす)。
A脂肪分は他季よりは増やす。熱性タイブの人でも果実を摂りすぎると、脂肪が身につきにくくなるので適量にする。
Bよく働き、よく運動し、よく食べて、冬に対する身構えができるように体力をつくっておく。
C他季よりは、辛味性の食品を摂って、皮膚や筋肉をひき締める。辛味は夕食に摂って朝は控える。
D秋は、他季より五大栄養素をまんべんなく摂り、とくにでんぶん質、蛋白質、脂肪をよけいに摂る。


●冬季に適するもの
@冬は、夏や秋に貯蔵したものを食べ、夕食が過食とならないようにする。とくに夜が長いので、夜にものを食べやすいが、できるだけ避ける(腎の働きを損傷する)。
A脂肪分や体の暖まるでんぷん類を他のものよりよけいに摂ってよいが、過食とならないようにする。
B冬はできるだけゆっくり起きて、夜早く寝、食べものはかゆ状のものがよい。また、太陽をいっぽい含んだ貯蔵食品が望ましい。
Cミカン、リンゴなどの酸味性のフルーツは極力食べないようにし、そのほか、冷える要因となる食べものもぜったいに摂らない。熱性タイプでもいけない。
D冬は、お湯でもお茶でも、水分を余分に摂らないようにする。水分が過剰になると腎が疲労し、内燃性に欠けて保温・代謝が不調になる。

以上が季節に通した理想的な食事の摂りかたである。これと反対に旬に反した食生活を続けていると、病気の素因を蓄積していくことになる。現代は温室ものの食品が開発され、冷暖房が発展したことにより、季節が無視され、四季が関係なくなっている。たとえば、冬に暖かい部屋で、冷たいジュース、トマト、メロン、生野菜といったような夏の食品を平気で食べているが、季節にかなっていないものは、害があっても益は少ない。いちばん悪いのは、季節ちがいの温室もので、夏野菜のキュウリ、トマトなどを、全く反対の冬に食べるのはもっともいけない。これは幼い子どもが食べるとすぐわかる。

お腹をこわしたり、下痢するか、便秘するか、またひどいときは発熱する。幼児はすべてにおいて敏感である。大人は抵抗力があるからなんでもないなどと、たかをくくっていると積悪され、たいへんなことになる。病気は一朝にしてなるものでなく、毎日の積悪の積み重ねによってつくられる。原因不明の病気などは、こういった積み重ねが爆発したものによることが多い。


「講義」

昔から「旬のもの」ということばがよく用いられます。旬のものが、何故よいのでしょう?。

われわれは、大気(空気)と飲食物を鼻と口からとって生きています。飲食は大地を母とし、その母なる大地でつくられた母乳を食べることです。大地の母乳とは、植物性の食物です。

句のものとは、絞りたての牛乳のような地食の母乳ということです。最近は旬のものでも早どりしてしまってよくありません。熟した、しかもとりたてのものが最高の旬のものなのです。要は、より新しい大地の母乳を、どう摂取するかということです。

旬に逆らうものの最たる物として、ハウス物といわれているものと、それに似ている状態、たとえば、冬の寒いときに冷たいものを飲むということなども、季節に逆らっていることになるのです。このような食物の摂り方をすると、相剋の剋傷が起こりますから、体によくありません。いつ食べてもよいというものでない、ということは、一日の中だけでなく、一年でも同じです。


一年を分けてみた場合、春は加熱期、夏は暑熱期、秋は加冷期、冬は寒冷期です。わかりやすく表現すれば、春は半開、夏は全開、秋は半閉、冬は全閉という自然現象を繰り返しています。陽的に開大したり陰的に収斂したりするわけです。

人体も、春夏秋冬の四季に応じて、筋肉を収縮したり伸ばしたり、皮膚を閉じたり開いたり、生理します。これは正常な生体の働きですが、これに逆行する生活をしたらどうなるでしょう。旬ということを考えていくときは、このような基本的な人体の一年のあり方をよく知っていなければならないし、また、旬というものが、それに応じているということをも知っていなければなりません。

四季に適した食事の摂り方という問題について述まず、春は菜類とか芽ものが多いのです。芽ものの中にはこれから増殖しようとする新芽細胞が多く含まれています。人体も春の成長期には、新芽細胞を多くつくろうとする体勢です。したがって、それらのエネルギーを多く含んだものを摂取すれば、順当に充実していくわけです。味は酸味系統のものが多く、この酸味は「すっぱい」と感じるものではなく、「白米を甘い」と感ずる程度のうすい酸味です。菜物、芽ものは、だいたい酸味性をもっていて、甘味をもつことは少ないのです。

たとえば、春のイチゴと、秋の柿の味を比べてみると違うことがわかると思います。イチゴは、酸味の中に甘味が少し加わっている程度です。つまり酸味性でつくられているのです。もちろん、甘味はすべての味質の土台となっています。

酸味は、人体に入ると脂肪を分解しやすくします。冬の間かたまっていた体の脂肪を分解し、新しい細胞の肥料となるわけです。ことに春は、一年のうちでもっとも新らしい細胞を増殖する時期ですから、どんどん脂肪を減らして、夏に備えた体づくりをしていくのです。この時期に動物脂肪を多く摂りすぎている人は、夏になっても脂肪を取り去ることができず、暑くなって体に変調をきたしてしまうのです。このように、春にでる食物は脂肪を分解し、新らしい細胞を増やす性質を持っているのです。

夏にできるものは、多くは冷やす働きのものです。グリーン系の強いもの、キュウリ、ゴーヤ、スイカ、メロンなどは冷える働きを持っています。

 土用から秋にかけての物は甘くなっていきます。そして甘さから辛さが生じ、つまり、土生→金となっていくのです。秋にできる甘味は収斂の働きをもっていて、いったん筋肉がゆるみ、その後に収斂していきます。甘味の過剰は筋肉は凝ってしまいます。こんな事から、甘味の中には収斂性があることがわかります。※緩めてその後収斂


 自然界の働きとしては、収斂力によって果となっているところの食物には辛味の働きがあります。胡椒のような辛いものだけでなく、豆とか小豆などの収斂性の強いものは、われわれが辛く感じなくても辛味性や塩味性の収斂の素質をもっているのです。要するに、秋には秋に穫れるものを食べればよいのです。

 冬は、体の外側を収斂させ、内燃力を強化させねばなりません。つまり外が冷る冬は、内面の温度を上昇させ発芽の準備をさせねばなりません。内燃力を高めるために、より外側を収斂させる必要があるのです。たとえば、イラク戦争は、戦況が厳しい状況なのに、前へ前へと前進しています。この時には兵士に一旦休息を与(一度引いて再攻撃を行う)え、営気を養わねばなりません。夜に休むのが同じ理です。それが冬の働きです。

 収斂凝固性のものは塩味です。塩からい味は、物をひき締めます。要するに、広がっているものを中に力を結集させ、内燃力を高めます。冬に暖かい都屋にずっと長くいることは、外表が開きすぎてしまって内燃性が下がりよくありません。ある程度の寒さにあって、表皮をひき締めることがたいせつです。冬の食べものは収斂内燃が一番高いもので、干物とか、乾燥した物が多いのです。


 

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