日本中医学院卒業 北京・広州中医学院留学 日本自然療法学会会員 日本薬膳振興協会会員 八面蒙色研究会講師 | ||||||||||||||
年齢に応じた食質 | ||||||||||||||
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中年期 中年期の年層は、だいたい三十二、三歳から初老期の五十六歳ぐらいまでとした。この期は年齢を増すに従って、体が衰えてくるのがわかる時期である。また、若さや体力をどうしたら保てるかということに関心がいくときでもある。 @脂肪は死亡に通ずるように、脂肪分の摂りすぎは避けるべきである。とくに、動物脂肪はコレステロールとなって、血管や筋肉、関節腔などに付着したり、これらの組織を硬直させて健康を保ちにくくする。また、高血圧や脳溢血の原因ともなり、悪くするとガンの素ともなる。大体植物食をして、節食している人にはガンは少なく、動物食、魚介食、過食している人に多くみられる。 A四十歳を過ぎたら一日二食で、しかも節食して、動物、魚介食を避け、植物食一本にしぼることが健康を保つ絶対の条件である。できれば玄米を主食にして、よく噛んで食べ、副食も粗食を摂り、老年に至って元気に過ごせる基礎をつくることである。 B青年期の不摂生や疲労がでる時期であり、その信号を無視してさらに不摂生や無理を続けると必ず発症する。これらを是正挽回るためにも、植物性の蛋白を心がけて摂ることが望ましい。 C女性は中年太りで、下腹が垂れ下がりやすくなるが、これは、腎の働きが低下している一つの証拠で、多くは若いとぎからデンプンの過食のうえに、甘味の過食を過食してきた結果である。とくに、女性は糖質分の過剰をいましめ、植物蛋白を摂って皮下脂肪を減らすほうがよい。若いときから植物蛋白をよく摂って糖質を控えていると、皮下脂肪が余分につかず、暑さ寒さに冒される体質とならない。 「解説」 男性にしても女性にしても、中年期は太りぎみになる傾向がみられます。骨組みとか、その人の基礎的体質に応じた肉のつき方をするのが、心臓に相応した望ましい太り方です。 何事も八分目というのが理想ですから、心臓にしても、100から120%も使われる状況のような太り方はよくありません、80%くらいの負担ですむのがよいのですから、骨組みに対していくらかやせぎみという程度が理想だと思います。そのためには、動物食を多く摂っていたので駄目です。腹八分目にして植物食を摂らなければ、そのような状態にはなりません。血管なども動物食を摂っていると、弾力を失います。 動物食は、脂肪が多く、コレステロール過剰になりやすく、また、一般的に考えられている蛋白質の他に、意外と糖質分も多く含まれています。糖質過剰になるということは筋肉運動が不活発になり、筋が弛緩します。弛緩した組織にコレステロールが付着し、ついに硬直を起こします。それだけが原因ではありませんが、一例としてそうもいえます。 血管なども同じことで、動物食を摂っていると血管も硬直しやすくなります。血管が硬直しやすくなることは、心臓の筋も硬縮ぎみになって力が弱まり、血液循環に障害が起こります。その結果、それぞれの体質によってアレルギー体質になったり、高血圧になったり、あらゆる病気に発展します。また、リンパ活動なども低下します。リンパ活動が落ちると、ビールスや細菌にも冒されやすくなります。 植物食は、動物である人体にとっては陰陽相和する拮抗食ですから胃腸が活発に運動し、血液循環をはじめ、すべての臓器系統の代謝が順調に生理されます。要するに、動物食のような補食ばかり摂っていると、消化器系が働けなくなり、いわゆる廃用性萎縮を起こしてしまいます。出来るだけ繊維素の多い植物食を摂るのがよいことなのです。ただし、腹八分目を忘れてはなりません。とくに中年以降はこの注意を守ることが大切です。 運動量も減ってくるので、食事の量も減らさねばなりません。だいたい中年期になってくると体力も低下し、バランスも不調になってきますから、無理をする人は少ないのですが、もし丈夫であることにまかせて無理していると、突然ポックリいく恐れもあります。 女性の下腹が膨隆して垂れ下がる理由としては、一般に妊娠・出産の為だといわれます。では出産しなかった中年婦人はどうなのかということになります。妊娠・出産は勿論に多少の影響はあると思いますが、あまり変わらないのです。これは、出産のせいではなく、腎機能が低下している証拠です。腎機能が低下すると腹直筋がひきつって、外側にある皮下脂肪が緩んできます。すると、そこに脂肪がつきやすいし、前のほうへ垂れやすいのです。 腎機能低下は、糖質過剰とか冷えなどが原因で起きます。出産経験のある女性は、尚更腎機能低下する度合が大きいのです。とくに大事なのは産後の生活で、産後、冷やしたり、糖質過剰すると、出産のときに弛緩した組織の収縮が悪くなりますから、平常以上に注意しなければなりません。 |
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