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●陰陽の法則
地上の生成変化
我々(地球)は、立体空間の中を二十三・五度傾き自転・公転しながら、宇宙冷気と太陽熱の冷熱交合作用の中で生成されている。我々は、天空、地上(大気圏)、大地の三つの働きの中に生き、太陽光線によって熱を与えられ、その熱の変化に因って生成されているのです。人は、父母である天地と同一機構を持っており、人体も全く同じく二元作用、三元作用、五元作用によって作られています。人体は二・三・五の系統に分類され、また二・三・五の合成に因って成り立っています。この二・三・五の宇宙真理の方程式を古人は、陰陽・三才・五行と符号をつけ、万物、万象を理解しやすく我々人道の道しるべとしました。
陰陽の法則
陰陽とは、宇宙の法則を表現する符号です。しかも単なる符号ではなく、意味をもった符号で、陰陽の言葉には、後ほど出てくる三才や五行に発展して行く芽が内包されています。
第一定式
万物=生物も無生物も、また社会組織や人間関係などすべのものは、その内部に”陰陽”と言う、お互いに依存しながら対立している(拮抗協力している)二要因(二側面、二傾向、二要素、二方向、二性質など)を含み、その陰陽の統一体として形成されています。これが陰陽論の第一の定式である。この統一体のことを「小宇宙」ともいい万物は全て小宇宙です。そして、その中で陰が強い物は陰の部類へ、陽が強い物は陽の部類へと分類されます。全て物が陰陽から出来ているのは、字宙の生成が冷気(霊気)と熱気(神気)の交流に基づいているからです。地球を中心に考えてみると、地上の万物は、宇宙の冷気と太陽の熱気との交合に因って生々営々されています。
従って、統一体を構成する二つの側面のうち、”陰”にあたるのは宇宙の冷気(霊気)的な性格をもっているもの、即ち陽がその裏で働く基盤とかバックボーンがあり、陰自体は冷く、暗く、静的で、消極的な性格のものである。これに対し、”陽”は陰に働きかけて統一体を形成して、動的で積極的な性格のもので、物の生産にたとえると、原材料が陰で、それに働きかける労働が陽ということになります。陰陽に因って分類した幾つかの例をあげてみます。同じものでも、それと比較する他のものとの関係に因って、陰に位置したり陽に位置したりすることがあります。例えば、夫は夫婦関係においては陽ですが、サラリーマンなら社長に対し陰である。このように、陰陽は相対的なもので立場によって変化する性質を持っています。
第二定式
「陰陽の中に陰陽あり」これが第二定式である。これは、ある統一体を構成する陰も陽も、それぞれの内部に陰陽の二要因をもっているということである。従って、我々の認識が深くなるに応じて、どこまでも陰陽に分解していくことができる。例えば、以前は、原子が物質の最小単位と考えられていたが、原子は電子と陽子からなり、さらに最近では陽子も電子ももっと小さな素粒子からなっていることが判明している。
そこまで行かなくても、男の中には男の中の男と言われる人もいれば、女性的な男の人もいる。このように、万物のすべて陰陽からなっていることは、陰や陽の中にも陰陽があるということです。陰だけの物とか、絶対的な陽と言った物はないのです。「易」は、この陰陽の複雑な組み合わせを、六十四分類して示したものです。以上から万物は多重層の陰陽から成っていると云うことが理解できると思う。
第三定式
陰陽は拮抗協力して働き合っているが、その場合、依存協力が主要な関係の場合と、対立拮抗が主要な関係の場合とに大きく区分できることです。即ち、陰陽の関係の質に関する事柄を言っています。
依存協力が主な関係に、「母子関係」のような相生協力関係もあれば、兄妹関係のような同等な協力関係など、さらに色々区分できる。同様に、拮抗対立関係にも色々あります。
しかし、対立が主でも、そこには必ず依存関係があり、また依存が主でも、そこには必ず対立関係があのが普通です。母子協力関係のような場合でも、時には子供が母親に逆らったり、母が強すぎるため子供がいじけてしまったりすることもあります。
第四定式
陰陽の量的関係に関する事柄です。陰陽は、その量的関係においても相対的であって、いつでも両者は合わせると100%で形成しているが、相互の割合は決して固定した関係ではなく常に変化しています。陰陽は、一方が増えれば他方は必ず減ると云った関係にあり、陰が増える過程を「陰遁(いんとん)」、陽が増える過程を「陽遁(ようとん)」と名づけています。
「遁(とん)」とは“めぐり”という意味です。従い、陰陽の統一体である万物は、必ず陰遁か陽遁のどちらかの過程にあり、一寸たりとも静止することはないのです。すなわち、万物は運動体であること、これが第四定式です。運動のスピードや形態は、万物みな異なっており、それらは各学問分野の主要な研究課題であるが、存在するものすべてが運動体であることは否定しえない事実です。
太陽も人間も、そして宇宙自体さえも、刻一刻と変化しています。三十六・五度という人間の体温も、たえず産熱と放熱の動的均衡の上に維持されており、普通の体温計では表せない微妙な上下運動を行っていのです。
人間関係も社会も、絶えず移り変わり、いつも一定と言う事はありません。万物はたえず今の自分を否定して、新しい自分になっているともいえます。以上のような万物の運動性は、万物の生成が宇宙冷気(霊気)の旋回に始まっていることによります。また、地上のものを中心に考えてみれば、全ては冬至か夏至までの段々に暖かくなる加熱作用(陽遁)と、夏至から冬至までの加冷作用(陰遁)という宇宙の冷気と太陽の熱気との交合変化によって大きく支配されているからです。
蛋白質からできている生物は、冬から夏の加熱作用に因って膨張・生育し、また夏から冬までの加冷作用によって収斂・凝固させられ、枯衰していくのです。草木が春にスクスク生長するのは、陽遁の加熱の働きが旺盛に働くからで、秋に枯れるのは陰気が増大し加冷が強まるからです。一日の二十四時間の巡りも、全く同じ働きからなっています。
●午前一時から午後一時までの朝昼の過程が、陽遁の働き。
●午後一時から午前一時までの夕夜の過程が、陰遁の働き。
このように、地上の万物は年、月、日、秒の時間からなる陽遁・陰遁の働きの中で営々しているのです。また、万物は、宇宙の冷気の旋回によって生じた陽気の働き(陽遁)によって宇宙冷気から生まれ、陽気の衰退(陰遁)とともに宇宙冷気に帰っていくのです。それゆえに、万物は自らも陽遁・陰遁の過程をもつ運動体となっているのです。
第五定式
「陰が極まれば陽となり、陽が極まれば陰となる」これが第五定式で、第四定式から発展させたものです。陰遁、陽遁の過程には必ず一定の限界があって、ある限界点に達したあとは陰遁は陽遁に移行し、陽遁は陰遁に移行するということです。そして、この転換とともに統一体は、その存在様式~運動の方向、運動の形態、物理的・科学的性質、組織形態や構造、働きなどを大きく変えることになります。その限界点がどこにあるかと言うことや、存在様式の変化は、万物一つ一つみな異なっているのは言うまでもありません。この現象は、我々の日常で幾らでも目につきます。
事例で次のような事柄があげられます。
●太陽と地球の相互位置関係の変化に因って起こる夏冬の交代や昼夜の交代。一日として、同じ昼や夜はない。
●体温や血糖値の上下運動。一定程度以上、上昇すれば、下降に転じる。転じなければ、生から死に至る。
●需要と供給によって動く価格の上下変動。
●悪寒していた病人が、熱感に変わる場合。
●上方に投げたボールが、放物線を描いて上昇から下降に転じる運動。ボールの運動は、初めに投げたときの加速 力と重力の相互の力関係の変化によって定まる。
●100度まで熱した水が、突如水蒸気になったり、反対に零度で固体の氷になる変化。
●石が、自らの凝固力をうわまわる外からの風化作用の結果、砂になる変化。
●卵の状態からヒヨコになる変化。
●さなぎが成虫になる。
●種子が発芽して地上の木となる。
●旧い政治社会体制が崩壊し、新しい社会となる場合。
●敵対国同士が戦争を起こし、そのあと友好国になる場合。
●好況の頂点で恐慌が起こり、不況へと転化する場合。
●地球の生成から、人間の誕生までの進化の各段階。
●地殻のエネルギーが充満して、火山が爆発したり、地震が起きる場合。
●動脈血が身体各組織で静脈血となり、また静脈血が肺で動脈血に変化。
●物を売って貨幣にかえたり、反対に貨幣を物にかえる場合。
●年をとると、男は女っぽくなり、反対に女は男っぽくなる。
こうしてみると、転化とか転換とか変化とか発生、爆発とかいわれる現象は、すべてこの第五定式によることがわかる。この第五定式があるからこそ、万物は留まったったままだったり無に帰したりすることはなく、存在様式をかえて輪廻していくことになる。物理で云うエネルギー不偏の法則も、これによるのである。
第二定式のところで述べたように、万物は多重層の陰陽から構成されているので、その運動も多層的に行われている。譬えば、一日における昼夜の交代を通じて四季が変わり、この四季の繰り返しのうちに地球は進化しつづけている。人体も同様で、人体は無数に近い陰陽の組み合わせから成っているため、体内では無数の第五定式がたえず行われており、これを通じて人は成長し、老衰し、死にでいくのである。
死ねばまた、存在様式を大きく変えることになる。最後に、第四定式と第五定式とを統一して示しておく。陰遁または陽遁の出発点を「生成」、増大過程を「発展」、限界点を「成熟」とすると、この成熟点で転換が起こり、それまでの過程は「衰退」「消滅」へと向かうとともに、新しい陰遁または陽遁が「生成」することになる。すなわち、「成熟」は「消滅」の始まりであり、同時に、新しい過程の「生成」でもあるのである。このようにして万物は、次のような過程をくり返す運動体なのである。また、この過程の中で、依存の度合も対立の度合もたえず変化していくことになる。
生成→発展→衰弱→消滅(陽遁)
生成→発展→成熟→衰退(陰遁)
生成→発展(陽遁)
以上のことは、三才論では「生・旺・墓」として、また五行論では「旺・相・死・囚・休」としてより詳しく論じられることになるが、その基礎はすでに陰陽論の中で与えられるのである。五つの定式はみな同じなお、以上述べてきた一から五までの定式は、一つの事柄を五つに分けて分かりやすく説明しだまでで、みな一つである。簡単にまとめれば、万物は拮抗協力の関係にある陰陽からなり、そのうち陰的要素が強いものは陰、陽的要素が強いものは陽の部類に分類される。そして、その内部にある陰陽の量的割合がたえず陽遁または陰遁の変化をするため、それによって生成→衰退を繰り返す。陽的要素が強いものは、陽遁の過程で生成→発展→成熱し、陰遁の過程で衰退→消滅する。反対に、、陰的要素が中心になってつくられているものは、陰遁の過程で生成→発展→成熱し、陽遁の過程で衰退→消滅する。以上の経過の中で、陽遁から陰遁への転換点、または陰遁から陽遁への転換点において、統一体は存在様式を変えていくのである。
陰遁と陽遁
陰陽とは符号で、それも意味をもった符号であると述べました。単に二要因とか二側面とかと云っても良いが、「陰陽」と云った方が内容が豊に表現されことが分かると思います。この様な点に他の語原にはみられない漢字の特徴でしょう。ここでは陰遁・陽遁についての話をしてみましょう。
ある有名な先生が、若いときに自分の師匠に「陰・陽」とはどう言うことですかと聞いたそうです。今は有名になった先生のことですが、当時から非常に勉強熱心で、探求心も旺盛だったようです。単に表面的に聞いたのではなく、本当に行きづまって質問したそうです。師匠は何も答えず、ただ立ったり座ったりしていたそうです。そこで、その先生は、立ったり座ったりしていることが、陰陽と関係があるのだと悟ったそうです。この話を聞いていた私は、そのとき、「立ったり座ったりする状態のうち、どの状態が陰でどの状態が陽ですか」と質問したのです。
「立った状態が陽で座った状態が陰だ」と答えたので、「立っている姿が陽で座っている状態が陰である。というのは全く間違いではないけれど、もっと理解すれば、座っている状態から立つまでが陽、立った状態から座るまでが陰で、その一つの結果が立った状態であり、また座った状態なのだ」と説明した訳です。
陰陽と言うと、固定的な姿をイメージしている人が多いようですが、それは陰遁、陽遁が成熱に達したときの、一瞬の姿だけを見ているのです。目に見える姿や、形の内部で働いている陰陽の働き(先の例でいえば、立とうとする意志・力と重力の働き)や、その過程(陰遁・陽遁)には意外と気がつかないのです。
陰遁、陽遁の考え方が判れば、現在の姿に至る過去の過程や、将来の姿まで予想できる事になります。陰陽と云うと、何か古くさい昔の考え方のこと思う人もいますが、この宇宙のあらゆる事象を包括して説明しうる一般理論です。このような素晴らしい理論は外にはないと思います。現実の色々な事象をよく観察して、その内部を貫いている陰陽の法則を発見して下さい。それが陰陽を理解する最善の道なのです。 |
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