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●人間全体を知る
今日の社会生活でよく『男女同権』『上下平等』などと言われていますが、その意味は、各々の力量・個性・仕事の内容・社会的地位など、すべて平等であると言う事ではない。同じ人間として生きて行く『権利』が平等であって、その他はそれぞれ違うのです。人は、それぞれに性質や力量が異なっているように、人体は、各々少しずつ違った生理作用を営んでいるからです。
病気になっても、それぞれ異なった症状を起こします。このような考えから、東洋医学では機能生理面を中心に考え、まず「気」の働きによって形が作られていると言う理論の上に立ち、解剖学上の形態より、生理的な「気質」を先行させています。気質と肉体は相関関係をもっており、気の働きが肉体の形をつくり、また、肉体が気質を発して、互に関連し人体が生理されていると考えています。
気そのものは、肉眼では見えませんが、気の作用による形態や現象から、気の働く質を察知することができます。目に見えない風も木の葉が揺れことで風を感じ、電気も、光りや熱によって電気が流れていることが察知できます。
人間が、言葉を出せるのは「心(こころ)」と言う気が動いて、声帯・口腔など肉体を通して声が出るからです。手足が自由に動くのも気が働くからです。手相や人相の原理も同じで、手の形や顔の形は、その人が持っている心の気の働きによって作られるので、その手や体や全体を見れば、その人の個性や運勢が分かるのです。
皮膚・爪・髪・眼・口・鼻・耳・眉など、体の外に現れている部分を見ることで、内臓組織の生理状態や病態を知ることができます。人体だけでなく、すべての物体はエネルギーから成っており、物体はエネルギーを発する力を持っていると言います。物体は光の速度とエネルギー密度から成っている言われている。物体の質量のエネルギーに均しく〜云々〜これはアインシュタインの法則です。
般若心経に「色即是空・空即是色」と言う言葉がある。ここで言う色とは目に見えるもの(形)のことで、空とは眼に見えない宇宙間のエネルギー(気)を指し、すべての物体はエネルギーから、生成されていることを説いています。
※色=目で見える物(形)
※空=眼に見えない、エネルギー(気)。
以上の説からも、人体では気が一番に働いていると言うことで、いかに精神作用・生理作用が重要であるかと言っている。このように人体は気が先行して成り立っていて、成熟した人体では、心気と肉体が平衡を保って健康を維持しているのである。精神が原因で病気を発しているときは精神を正し、肉体が原因といっている場合は、その肉体を成している五味飲食を始め生活姿勢を正し、自然の働きに従う事です。
診断面では、形相と気の関連から、顔面・頭髪・目や耳などの五官・血色・皮膚のつや・活気・音声・咳・呼吸・脉状・肌の弾力や硬軟などを診ることで、体内の五臓六腑を始め各組織の病態を、詳細に知ることができるのである。これから始まる東洋医学の成り立ちを説明するとき、重複して同じことを述べる事があるが、厭な顔をしないで下さい。それだけ大切で深みがあるからです。
● 東洋医学と西洋医学の思考
私たちの物の考えは、全般的に西洋式な思考に成っているものが多い。現代学は、西洋的な考えと東洋的な考えがあるが、その割合は圧倒的に西洋式になっています。我々は、純粋の東洋的な考えを、殆ど知らないと言っても過言ではありません。理由は、現代教育が教えていないからです。
東洋式と西洋式の比較では、我々がよく知っている、住所表示の仕方を見ると分かると思います。西洋では番地から始まるのに、日本では国名@県名A市町村B番地となります。西洋とでは表示の仕方が反対になっています。
「日本式」
日本@大阪府A大阪市B住吉区C山之内D1丁目E24番F21号
「西洋式」
@1丁目A24番B21号C山之内D住吉区E大阪市F大阪府
「植物の例」
植物には、根・幹(茎)・葉がある。地下の部分を根といい、地上の部分を葉という。この根と葉を別の言葉で言うと『本末』になる。言葉は表現だから、別の言葉に置き換えることが出きます。問題は言葉という「表現符号」を通して、いかにしてその原理を知る事が出るかと言うことです。
住所表示を植物に置き換えてみるとどうでしょう?
西洋では葉っぱから根の方に向かい、東洋では根から葉の方に向かうことになります。末梢から根本と、根本から末梢という考え方である。東洋哲学では、全体や根幹を『太極』と言う。従って太極からものを見るということは、全体あるいは根幹から見ると言うことです。太極からものを見るとか、太極的に考えるという言葉の意味はそう言うことです。末梢は、末端の部分で植物では葉のことを言う。葉は沢山あるが、根はひとつです。
見方には、根からみる場合と葉から見る場合がある。どちらが良いとか悪いとかの問題ではなく、見る方角が違うだけです。以上のように西洋と、東洋では、思考に違いがあることを知って下さい。
『全身は心臓である』と、東洋医学では考えるが、西洋医学では心臓は左胸部にあり、拳大である云々〜と説明されています。全身は心臓である・・・・西洋医が聞いたら、馬鹿にするでしょう。人間は、自分の知らない事は必ず否定します。心臓についでも同じことがいえ、心臓は根っこであって、そこから沢山の枝や葉をだしていると考えてみて下さい。
実際、血管は全身のすみずみまで張り巡らされ、顕微鏡でないと見えない毛細血管を含めれば、面積は心臓そのものより圧倒的に広いのです。機能面から言っても、心臓より働いているとも言えます。血管(脉管)は、全身の細胞に酸素や栄養・ホルモンを送ったり、外の気温に応じて脉を浮かせたり沈んだりして体温の調節をしたり、精神的緊張が必要なとき自ら収縮して血圧を上げてそれに対処したりしています。
静脈血など血液が心臓に還る働きは、心臓の力ではなく、血管自身の収縮運動や血管周囲の筋肉の働きで、血液は心臓に還流させているのです。このように考えると、血管が心臓を動かしているとも言えます。先程の説明から言うと、根が心臓の役目を、脉管は根の先のある幹や枝の役目をしており、それが全身に広がっています。その證拠に身体のどこを切っても出血します。出血すると言うことは、脉管が全身に網羅されていると言う事です。
つまり、心臓と脉管は同一のもので、さらに全身は心臓であると言う理由になるのです。このような機能が人体にはあるので、直接、心臓に針を刺さなくとも、心臓の一部である身体の一部に刺せば、正確に心臓に刺激が伝わります。このような思考を東洋医学的発想とか、漢方的思考と言うのです。自分が今まで勉強したこと違うことや、自分の知らない事に直面しても、安易に批判したり否定してはならいと思います。分からない事は分かるまで考えることです。西洋的な思考方法では東洋の考え方は出来ないし、東洋のものを理解することもできません。
●東洋の宇宙生成論
東洋医学では『気が形をつくる』といいますが、どういう事でしょう?これれに答えるには、宇宙生成論に立ち入る必要があります。そこに考えの根源があるからである。原始宇宙には形があるものは何も無く、冷気=霊気しか存在しなかった。我々の常識で考えた場合、非常に低い温度のものであったと思われる。しかし、後には、星や鉱物や生物などの万物を生み出すことろの、何か不思議な元で、目に見えない霊妙なものを内包していたと考えられ、それに霊気と言う名前をつけました。
その霊気が、非常に早い速度で旋回をはじめ、その旋回によって熱が生じた。空気が摩擦するとき熱を生じることと同じ現象である。勿論、宇宙には空気など存在しないが、旋回のスピードが我々の常識にないものなら、考えられない現象が起きても不思議ではない筈である。熱が何処かにあると、必ず温度を一定にしようと冷気が発生する。熱気と冷気が激しくぶつかると、そこには風が生じます。
譬えば、暖房で暖まった部屋の窓を開けると、中の空気は外に出て、外の冷気が入って熱気と冷気がぶつかり、そこに風が生じます。温度差があればあるほど、気流の変化も激しくなるのが普通です。この風を生じる過程で、冷気の中の霊妙な元素が熱せされ、膨張し結合、しだいに集結し最後には凝固され形のあるもの〜譬えば星になったと想像します。
現代宇宙論も表現こそ違え、これと同じような考えをしているようです。要するに、宇宙の銀河系も太陽系も地球も、そして、我々も人間も熱気と冷気の交流によって作られたと見るべきである。よって、これらの大本は熱気と冷気の二つの気と考え、古人は陰陽という符号をつけた。従って、万物はみな種類や形は異なっても、陰陽の二つの気からなっているのです。
人間においても、まず精気という陰気と、神気という陽気から作られる事に気が付く筈です。したがい単に手相に限らず、髪の毛一本を見ても、その人の性質・体質・体力・運勢などが分かるのです。但し、見通せる才能があるかどうかは別ですが、分かるようになっているのです。我々は、宇宙によって作られているので、宇宙の成立や機構を知れば我々の事が分かるし、我々を知ると宇宙の事が分かるのです。
彫刻や絵画を見ると、その作者の製造過程や心理状態が分かるのと同じです。このように、形を見てその奥にある働きを知るという方法を身につければ、いままで見えなっかたものが見えてくるのです。我々は日常生活の中で、人の言葉や態度や顔色をみて、その人の内面の状態を判断している筈です。
真の東洋治療をするためには、正しい診断が必要です。その為に人間全体を見透かす勉強が必要でしょう。それには、基礎が大切で、基礎が無ければ、構造物を乗せることは出来ません。理屈が多いのも、真の東洋的発想を理解して戴きたいからです。
●全機能性
病気の診断において、東洋医学では一人一人みな体力・体質・気質といったものは違い、その違う身体に邪気が発生した考えます。厳密に言えば一人一人違うのが当然です。現代医学では、たとえば同一の菌(重症急性呼吸器症候群=SARSなど)が証明されると、全部同じ病名にして同じ薬物を与えます。部分についてはミクロの単位まで調べますが、その人の全体を見ることはありません。
身体の各部分は、それぞれある程度の独立性を保ちながら、その根底では全体と結ばれて、全体の統制の元におかれている筈で、このような関係を、全機能性といいます。右手も左手も、右足も左足も、全部自分自身である。右手が○○さんで左手が○○さんではない筈です。最近、現代医学でも全体性と言うことが言われ始めました。しかし、道は遠いでしょう。それは、基礎の部分で考えが違うからです。目に見えるものだけを解剖的に研究するという、医学に執着しているあいだは、時間のかかることと思います。
全機能性は、人体だけでなくすべのものに該当します。社会を考えても、国は県の集合体で、県は市の集合体、市は町村の集合体、市町村は各家庭の集まりからなり、そして各家庭は一人一人の人間から成り立っている筈です。このように、全体が各組織の共同体となっているのです。何故かと言うと、宇宙の機構がそうなってるからです。宇宙は、陰陽の中に陰陽があり、五行の中に五行があるように、陰陽や五行の多重層構造をなしながら、ひとつの宇宙を作っているのです。地上のすべてのものは宇宙の働きによって作られてるので、全機能性を持った小宇宙なのです。人体は最も精巧な小宇宙と言えるでしょう。
全身が心臓である
心臓について、現代医学では、胸腔内の左下部にあって、だいたいハート型をしていてコブシ大であり、その働きは血液を送り出すポンプ作用をすると説明します。皆さんも、そのように勉強されてきたと思います。しかし、東洋医学の考え方は違います。「全身が心臓である」と考えるのです。そこが違うのです。では、どうしてそう考えるのかといいますと、“血管は心臓ではないのか”ということなのです。先ほど述べたように、自分の体幹のみが自分で、右手や左手は自分ではないのか、ということです。心臓についても同じで、心臓というものは根っこであって、そこからたくさんの枝や葉を出していると考えればよいのです。
実際、血管は全身のすみずみにまで張りめぐらされています。顕微鏡でなけらば見えない毛細血管を含めれば、面積では心臓よりも圧倒的に大きいのです。また機能の面からいっても、心臓よりも働いている、ともいえるでしょう。全身の細胞の一つ一つに酸素や栄養やホルモンを送ったり、外の気温に応じて浮いたり沈んだりして体温の調節をしたり、精神的緊張の必要があると自ら収縮して対応したりしているのです。
静脈血などは、心臓の力ではなく血管自身の収縮運動や血管周囲の筋肉運動に因って心臓に還流していくので、血管が心臓を動力しているとも云えます。そのほかにも、色々あげることができます。このようなことから、最近、ある現代医学の先生が、「脈管が心で、心臓が末梢なのだ」と言われていました。優れた発言であると思います。こうしてみてきますと、「全身が心臓である」または「心臓は全身である」といってもおかしくないでしょう。むしろ、そのほうが真実です。
根と枝は、相互に協力し合いながら全身をつくり、全身を生々営々しています。皮膚だけをとり上げてみても、そこには、心の枝(血脈)、肝の枝(筋肉や神経)、腎の枝(血液などの体液すて、汗腺などの穴のすべて)、脾の枝(肌肉)、肺の枝(皮毛)がきていると、東洋では考えます。従って同じように、全身は肝であり、また腎である、ともいえます。ここに、身体の一部をみて目に見えない内臓の働き具合を知ったり、皮膚の表面に鍼をして内臓の働きを調整することができる理由があるのです。
また、ついでに話せば、「どうして指は五本ずつあるのか」ということも、同じ理由によるのです。指は一つの枝葉であり、その根に五つの臓があるからです。この理由が分からない人は、人体を診断したり治療したりすることは不可能です。さらに、五蔵という根はどこから、どうして作られているかと云いますと、それは宇宙自然の働きに因ってつくられており、その自然の働きには五つの働きがあります。これが後ほど出てくる「木・火・土・金・水」という五つの働きです。これに因って私たちがつくられているので、五臓があり、その五臓を中心に五本の指なり五官なり五系統なりに分かれているのです。
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