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●五季と同体
我々の人体機能を知るためには、天地自然の働きを知ることです。天地では、太陽という心臓を中心に大地という肉体が営まれていますが、人体も同じで心臓という熱動を中心に各組織が営まれています。天地自然の象徴的な働きは、四季のほかに土用があって、合計五種の季節となります。この五季の働きが我々の五体、五臓、五官、五指をつくっているのです。天地で五季に当たるものが人体では五臓で、この五臓が、父母の働きである五季にコントロールされています。また、五季が一年を統率しているように、人体でも、五臓が人体の全てを営々しています。
◆五季と五臓
図は五臓が五季に支配されて働く時期を示したものです。例えば肝臓は、春には他の四臓に比べ、より旺盛になって働いていることがわかります。春気は、春季がくれば春らしく巡り働いているように、人体でも春季には、肝臓が旺盛になり、筋肉や神経などの新芽細胞を他の季節より多く増殖させ、一年の基礎づくりをして、夏季の心臓にバトンタッチさせています。勘違いしやすいことは、春季に肝臓だけが働いて後は働かないのではなく、春季は他蔵より余計に働いて中心的立場になっている、と言うことです。
春季的要素は、春以外の四季にもあって、夏季の中にも夏季的時間と春季的時間・秋・土用・冬的な時間があります。一日の中にも、五季的な加熱暖期の朝、暑熱期の昼、熱から寒期の変化点の土用時、減熱涼期の夕、寒冷期の夜があるからです。
この温度変化が、ちょうど時計の針のように一日の長針がグルグル回ると、一年に相対する短針も回るのです。言い換えれば、一日も朝期、昼期、土用期、夕期、夜間期の暖・暑・湿・涼・寒季の時間帯があるように、人体も、朝に肝が主となって働き、昼は心、土用時は脾、夕方は肺、夜は腎と働きながら、それぞれの中心となる時間帯をエンジョイしているのである。 |
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