漢方薬は健康を維持するために、東洋医学の知恵が活かされています。経験豊富な中医師が漢方の知恵を生かして、あなたの「自然治癒力」を引き出すお手伝いをさせて頂きます。慢性病でお悩みの方、是非コンドウ薬局にご相談下さい。当店は体質に合った漢方薬をオーダーメイドで調合致します。
日本中医学院卒業 北京・広州中医学院留学 日本自然療法学会会員 日本薬膳振興協会会員 八面蒙色研究会講師
清水寺管長、松本大圓氏揮毫 薬食同源。健康の維持には食生活が大事と説いています。
生薬名 牛黄ごおう   牛黄2  
効能 清熱せいねつ解毒げどく開竅かいきょう化痰かたん定驚ていきょう
開竅(カイキュウ)とは竅(アナ)を開くということで、意識障害や呼吸困難(喘息・肺気腫・鼻づまりなど呼吸器疾患)にも応用される。またお産の促進・堕胎・月経後期・便秘・小便不利・汗が出ない・唾液の不足・消化液不足にも応用される。
起原 ウシ科の動物、ウシ(黄牛)またはスイギュウ牛の胆嚢や胆管の中にできた結石を用いる。新石器時代にはシリア・エジプトなどですで使用されていた。日本でも古代から薬用に用られた記録があるが、仏教の伝来とともに殺生が禁じられ食べられなくなった。ひづめが二つに分かれた偶蹄類であり、草食動物であるため臼歯が発達し、胃袋は4つある。

胆嚢から胆石が見つかることは極めて稀で、日本にはオーストラリアなど世界各国から輸入され、とくにオーストラリア産は品質がよいといわれる。中国では牛や豚の胆汁を加工して「人工牛黄」を開発していると報じられていきさは4cm以下の球形または不定形で、表面は黄褐色ないし赤褐色であるが、長時問触れると酸化されて黒褐色に変化する。軽くて脆く、砕けやすい。味は苦く、次第に甘く感じ、芳しい香りがして、噛んでも歯に粘りつかない。

有効成分 成分はビリルピン、ビリベルジンなどのビリルビン系色素が約75%、コール酸やデオキル酸からなる胆汁酸、コレステロール、各種アミノ酸などが含まれている。

薬理作用 薬として中枢性鎮痙・鎮静作用、利胆作用、血球新生作用、解熱作用などが知らる。牛黄は『神農本草経』の上品に収載され、古くから高貴薬として用いられる。

●清熱瀉火・涼血・解毒・開竅・定驚の効能がある。
  • 熱病による意識障害や熱性痙攣、脳卒中、腫れ物、口内炎、歯槽膿漏などに用いる。煎剤として用い剤や丸剤に配合する。
  • 熱病による意識障害や熱性痙攣、煩操、脳卒中、精神不には犀角・麝香・朱砂などと配含する(安宮牛黄丸・牛黄清心円)。
  • 扁桃炎など腫痛、皮膚化膿症などには麝香・竜脳などと配合する(六神丸)。
  • 小児の熱病やの薬として知られている樋屋奇応丸や宇津救命丸、動悸・息切れ・きつけの救心などの一般薬にも広く配合されている。
  • 安宮牛黄丸:牛黄・欝金・犀角・黄芩・黄連・山梔子・雄黄・朱砂・竜脳・麝香各・真珠・金箔
  • 牛黄清心円:牛黄・麝香・龍脳・羚羊角・硫黄・人参・甘草・白蘞・犀角・当帰・防風・黄芩・白朮・麥門冬・白芍薬・柴胡・茯苓・桔梗・杏仁・川芎・肉桂・阿膠・大豆黄巻・蒲黄・神麹・乾薑・金箔。
  • 六神丸:蟾酥・麝香・牛黄・熊胆・真珠・辰砂・竜脳・結合剤・芍薬霜
●牛黄:苦涼・清熱解毒・芳香開竅化痰・定驚・驚癇(痙攣・意識障害)
  • 牛黄:治驚癇寒熱.熱盛狂痙.除邪逐鬼牛角.下閉血.瘀血疼痛.女子帶下血.髓.補中填骨髓.久服増年.膽可丸薬
●麝香:辛温・開竅・活血・催生・堕胎
  • 麝香:辛温辟悪気.殺鬼精物.温瘧蠱毒癇痙.去三蟲.久服除邪.不夢寝魘寐
熱性病による神昏搐溺チクデキ(痙攣)または中風による痰迷心竅(痰が脳を塞ぎ意識障害)・痙厥(手足の厥冷)には、牛黄・麝香を配合して用いるが、開竅醒神カイキョウセイシン(意識を回復)には麝香を使うことが多く、痰を去り驚きを鎮める時は牛黄を用いることが多い。この事がこの二薬の相違点でもある。

漢方とくすりの辞典・米田該典監修(コンドウ薬局DB化)より