腸管の免疫力がしっかり働いている人は、病気にかかっても長患いせずに、回復も予後も良好の場合が多いのです。成長期には、腸管免疫は加齢とともに活性化しますが、中高年になると腸管免疫は衰え、肩こり、腰痛など辛い慢性痛を持ち、ガンを含む生活習慣病や難病者も年々増えているのが現状です。なぜこのような状況になるかと言えば、これらはストレス社会と対症療法中心の医療によって生み出されているのです。
働きすぎ、悩み、不安などのストレスは自律神経のバランスを乱し、免疫力を低下させて病気を生じさせます。体内で病気が発生すると、免疫力はその力を発揮して自律神経を動かし、自ら回復しようと働きます。このとき治癒反応として痛み、腫れ、発熱、だるさ、咳などが現れ、それを乗り越えた時に病気も治癒します。
ところが、現代の医療は体に現れた症状を悪いものとして、薬で抑え込もうとします。薬の効き目が切れれば再び治癒反応の症状がが出ますから、また薬を使うという悪循環が生じます。この繰り返しにより交感神経はより緊張し、免疫力も低下して病気が長引いてしまうのです。
それらを理解し、働きすぎや過剰なストレス状態を緩和しながら、交感神経と反対の作用を持つ副交感神経の働きを優位にする生活をし、自律神経のバランスを回復させることが病気を治すことにつながるのです。
病気が治る過程で痛みやだるさ、下痢などの症状が生じたり、増幅する場合がありますが、それらを生体の治癒反応と理解し、薬剤の服用で抑えてしまうことをせずに乗り切ることが大切です。症状が我慢できないときには一時的に薬で緩和することも必要ですが、服用し続けて症状を完全に止まめるまで続けることは病気の治癒を遅らせることになります。
東洋医学では、「くすり瞑眩せざればその疾癒えず。」と言って、この瞑眩症状は服薬後に一時的にあらわれる予期しない反応で、たとえば一時的に症状が悪化・悪心・頭眩・胸悶・頭がふらつき、目のくらみ、目を開けていられない症状などのことで好転反応の一つと考えています。
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