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●天人同一の機構
東洋医学を志す者は、人間を深く深く研究し、人のすべてを知る必要があります。人のすべてが分からずして、どうして人の歪み(病気)を是正し整えることが出来ようか?我々は人間整備士である。自動車の整備士が車の構造・機能・性能・馬力・用途などすべてに精通して初めて整備ができるように、我々は人間を整備する訳だから、人間のすべてを、知る事が治療の必須条件となる筈です。人間は車や物とは違い、機能や構造が精密で複雑で、用途も広く、更に精神が存在している。それは、感情・本能・知性・理性・意志と言ったものが複雑に絡み合い、その思うところは自由自在である。
そのような人間のすべてを知るということは至難の業で、その精密かつ複雑な人間を系統的に説いているのが、古来より「天人同一」説です。それによると、天と人は同一のもので成り立っており、人を知るには先ず天地の働きを正しく見極め、地上における春夏秋冬を代表とする大自然の現象を知ることが必要があると云う。
人間の知恵として、古代は天文学、暦などが発展しています。たしかに、暦は人々が生活するうえの指針となり暦を知ることで宇宙自然を知り、その学問が発展したのです。暦は宇宙自然の運行と働きに、目印をつけただけで、暦は宇宙自然のことを書いた書物である。
◆人間を知るために宇宙を知る
我々人間は宇宙から作られています。従い宇宙の法則と言う働きが分かれば、人間を知ることも可能になります。宇宙の産物である地上の物はすべて、宇宙の機構と同じです。人体では、細胞が集まり組織を作り、組織が集まって器官を形成し、器官が集まって人体を構成しています。人間社会も同じです。家庭があり、隣近所があり、村や町を形成し、市となり県となり、その集合体で国家が形成されているのです。宇宙があるから、われわれが存在します。元があるから結果があるのです。そこで元と、結果の両方から探求するのが近道なのです。 |
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