|
漢方医学では喘息の原因を、上記図のように考えています。
過労、飲食の不摂生、ストレス(七情)などがあると、脾の働きが低下して、体内に余分な水分(水毒)が停滞します。その水毒は身体の弱い臓器の働きを低下させ、喘息体質の人は、肺・脾・腎に問題があります。
肺は単なる呼吸器ではなく、水分代謝に関与し、腎は単なる排泄作用だけでなく、呼吸に関連します。特に吸気は腎の作用です。腎は外に免疫に関与しています。
つまりアレルギー体質の根本は、腎機能の低下によると考えるのが、中医学(東洋医学)です。また腎は水分代謝に関係していますので、脾機能低下、腎機能低下、肺機能低下によって喘息の成因となり、アレルギー喘息、気管支喘息となります。以上の考えから喘息の治療には、脾・肺・腎の機能を高める必要があります。
|
|
肺の働き |
肺は呼吸器の中心ですが、呼気に関連すると考えられています。
肺は宣散粛降を主るといい、水分代謝に肺・腎とともに協力しています。
また肺は貯痰の器といい、肺気機能が低下すると肺(気管支など)に痰飲(水毒)が多く集まります。
|
|
脾の働き |
脾は食べ物の消化吸収が中心ですが、脾が弱ると食べ物の中の水分が停滞して、下痢や嘔吐腹満などが起きます。また脾は生痰の器といい、脾が弱ると痰飲(水毒)が多く集まります。また飲食不節制やストレスは、脾の機能を低下させます。
|
|
腎の働き |
腎は現代医学の腎臓より範囲が広く、各種ホルモン、免疫系、カルシウム代謝、泌尿器系などに関与します。腎は呼吸に関与します。肺は呼気と関連し、吸気は腎の力であると考えられています。腎は肺・脾と協力して体内の水液の代謝と調節を行っているのです。
|
|
喘息の症状 |
緩やかに発作が生じる場合は、まず、咳・くしゃみ・胸のつまった感じ・ついで呼吸困難(呼気困難)が起きます。急性の発作では、夜中や朝方突然に胸苦しくなり、呼吸困難が起こり、吐く息が長く、吸う息が短い喘鳴がみられます。また口をあけ肩を張り、横になれず、冷や汗、顔面蒼白となります。重症の人は顔面のうっ血・口唇のチアノーゼ・静脈の怒張が生じ、肺部で喘鳴を現します。
発作は、数分から数時間あるいは数日間まであり、自然に緩解します。風邪などの感染がなければ一般に発熱はしません。発作が緩解する前にはしばしば粘稠な痰を出し、これにともなって喘鳴も次第に消失し、呼吸困難もなくなります。緩解期には健康人と変りがなくなります。長期にわたり発作を繰り返すものは、肺気腫や肺性の心臓疾患を起こす可能性があります。
|
|