癌の危険な兆候とは? |
癌は日本における死亡原因の第1位であり、毎年約26万人もの人々が死亡しています。日本癌協会の報告によると、3人に1人は癌で死亡するという統計が出ています。
癌はいまだに最も恐れられている病気の1つですが、その治療は飛躍的に向上しています。現在において癌生存率が上昇している理由は、健康診断、検査機器などが進歩し、手遅れになる前に癌を早期発見できるようになったからです。
癌の早期発見は、癌特有の危険な兆候を見分けられるかどうかに大きくかかっています。大半の早期癌には、痛みなど病気を疑わせるような多くの兆候・症状がみられません。
それどころか、癌の危険な兆候は明らかでないことが多いです。特に素人目では癌の徴候は明らかではなく、間違った解釈をしがちです。たとえば、原因不明の体重減少、疲労、および全身の倦怠感は癌によくある症状ですが、これらの症状は他の多くの病気にもみられるため、見落とされがちになります。
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癌の危険な兆候(日本癌協会) |
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胃の具合が悪く、食欲がなく、食べ物や飲み物の好みが変わった。 |
A |
おりものや不正出血がある。 |
B |
乳房の中にシコリがある。 |
C |
飲み込むときに、つかえる。 |
D |
便に血や粘液がまじっている。 |
E |
せきが続いたり、痰に血が混じっている。 |
F |
声がかすれる。 |
G |
治りにくい潰瘍がある。 |
H |
尿の出が悪かったり、血が混ざっている。 |
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癌の多くには特有の危険な兆候があります。最も一般的な11種類の癌について、危険な兆候をあげててみましたので、参考にしてください。 |
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胃がん |
胃が痞える。胃液が口に上がる。胃が脹る。体重が減る。痛みはないので自覚症状を重要視します。
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黒色腫と皮膚癌 |
ほくろの大きさや色の変化、色素沈着の広がり、かさぶた、うみ、出血、感覚の変化、圧痛、かゆみ。
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大腸癌と直腸癌 |
便に血が混じる、便が細くなった、排便の回数が多い、下利便秘交互、貧血症状。
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膀胱癌 |
血尿および排尿頻度の増加。
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前立腺癌 |
排尿の勢いが弱かったり、排尿が中断されたり、血尿、腰・骨盤・鼠蹊部(脚の付け根)にしつこい痛みがある。
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乳癌 |
乳房のしこり、固さの増加、腫れなど、触覚による乳房組織の変化。乳頭からの分泌物または乳頭の陥没。皮膚の窪み。
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白血病およびリンパ腫 |
疲労、血色の悪さ、体重減少、感染症の繰り返し、あざのできやすさ、リンパ節の腫れ、寝汗、発熱。
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膵臓癌 |
早期における危険な兆候なし。癌の進行に伴う持続的な腹部の痛みと消化不良。
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口腔癌、咽喉癌、また喉頭癌 |
出血しやすく治らない口内炎、口やのどのしこりや固さ、声がれ、嚥下困難、咀嚼困難、口内の赤または白色の斑点。
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肺癌 |
しつこい咳、血の混ざった痰、胸部の痛み、肺炎または気管支炎の反復。
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子宮癌または子宮頚部癌 |
生理に関係のない膣からの出血、膣からの異常な分泌。
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自身でできることは? |
癌を早期に発見する重要な要素は、癌の危険な兆候を定期的に自己検診する習慣をつけることです。ほくろの変化やその他の危険な兆候がないかどうか、定期的に皮膚を調べることが必要です。女性は毎月乳房を自己検診し、男性は毎月睾丸を自己検診してください。40歳または45歳を過ぎたら、目に見えない血が便に混ざっていないかどうか、特別な家庭用検査キットで調べることをぜひおすすめします。
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いつ医師に診てもらう必要がありますか? |
癌の危険な兆候が1つでもあれば、すぐに医師に診てもらう必要があります。さらに、ある年齢を過ぎたら、必ず定期的に癌検診を受けることが必要となります。たとえば、女性は40歳を過ぎたら、定期的に子宮癌検診を受けることが必要となります。また同年代以降の女性の方は、毎年または1年おきかに、乳房X線撮影を受けることも必要となってきます。
中年の男性は定期的に前立腺検診を受け、40歳または45歳を過ぎた方は、男女を問わず結腸癌や直腸癌の検診を受けることも必要です。喫煙、環境汚染にさらされるなど特定の生活習慣も、ある種の癌にかかるリスクを高めることがあります。こうした生活習慣に心当たりがある方は、癌の検診が必要となります。結腸ポリープなど特定の病気も癌のリスクを高めることがあります。
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医師はどのような診療をしますか? |
癌にはさまざまな診断方法があります。どの診断方法が適当であるかは癌の種類と発生場所により異なります。しかし、癌の疑いがある組織標本をとり、顕微鏡で見るバイオプシー(生体組織検査)が依然として最も確実な診断方法と考えられています。癌の転移を調べるために他の診断方法も併せて用いられることがあります。
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長期的な方法 |
乳癌、結腸癌、腎臓癌、卵巣癌をはじめとする多くの癌には、遺伝的素因があります。家族の中にこうした癌にかかった人がいるときは、特に定期検診を怠らないよう心がけてください。また、癌にかかったことがある人は、再発していないか、癌が新しくできていないかを調べるため、引き続き定期検診を受ける必要があります。
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癌の危険な兆候について |
癌の危険な兆候に気づいていたにもかかわらず、過半数の人が医師の検診を数か月あるいは数年も遅らせることが、調査によって明らかにされています。恐れや否定がこうした遅れの原因ですが、動機が何であるにせよ、ただちに治療を受けないと生命にかかわります。癌の危険な兆候と思われても、検診で良性であることがほとんどです。また癌であることがわかっても、早期に治療すれば生存率は飛躍的に向上します。
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癌の兆候についても、お早めの相談を受けています。お気軽に相談下さい。 |