過度のストレスや食生活の乱れによって消化機能が低下し、栄養代謝がうまく行われなくなると、慢性の疲労をもとにしたさまざまな症状が現れてきます。
やっかいなのは、症状の現れ方が千差万別だということです。
「漢方薬」は、症状を抑える薬ではなく、根本から原因を治す薬ですから、消化機能低下による慢性の疲労、バイタリティの喪失であれば、どんな症状にも効果を発揮します。
次に挙げる10の症状が、漢方薬が適応する慢性疲労の特徴的な症状です。
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1.スタミナがない
2.すぐに座りたくなる
3.朝に弱い
4.胃腸が弱い
5.食が細いとよく言われる
6.時々立ちくらみがする
7.汗が出やすい
8.軟便・下痢気味である
9.頻尿である
10・寝ても寝ても眠く、疲れが取れない
これらのうち、4つが当てはまれば漢方治療の適応症といえます。
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診断のポイントは疲労感 |
「元気がなく、疲れやすい」という訴えが最大のポイントとなります。朝すっきりと起きられず、電車の中で眠くなったり、すぐに座りたくなったりするのも、すべてこの疲労感からくるものです。
疲労は人間には必ずあるもので、病気ではありません。食事や休息、睡眠などによって、疲労は毎日回復されているのです。問題は、回復されず、日々疲労が蓄積されることです。
疲労はさまざまな要因から起こりますから、必ずしも消化機能低下だけが根源にあるとは限りませんが、疑わしい症状がほかにもあって、漢方薬を使用しべきかか迷った際の決め手は、この「疲労感」と考えてよいでしょう。
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胃腸の調子が悪いという自覚症状 |
何となく胃が重い、どうも食欲がない、といった訴えで薬局を訪れる人はたくさんいると思います。その中で、深刻な胃腸病と、慢性疲労に伴う胃腸障害を見分ける必要があります。その鑑別のポイントは、症状が激し過ぎないというところにあります。
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脾胃の機能が慢性の疲労を生む |
バイタリティの喪失、慢性の疲労の9つの症状は、実はすべて同じメカニズムから起こるものです。そのかなめとなるのが、人間のからだの中心部にある「脾胃[ひい]」の機能です。
中医学上の脾胃は、脾臓と胃だけでなく、小腸や大腸の上部を含むと考えられています。脾胃は、人間が生きていくために最も大切な「食物を消化し、吸収する」という作業を行っています。
健康なときは、食物から吸収した栄養が脾胃のエネルギーによって、全身を駆けめぐっています。ところが、脾胃の機能低下が始まると、脾胃のエネルギーが不足し、食物から栄養を吸収することができなくなり、栄養物をからだ中にめぐらすことができなくなります。
その結果、あらゆる臓器や呼吸器などの機能に影響を及ぼし、さまざまな症状が現れてくることになるのです。中医学ではこの病理機序を「中気下陥[ちゅうきげかん]」と呼んでいます。
単に胃腸が弱っているだけではなく、消化吸収した栄養をからだ中にめぐらせることができなくなって慢性の疲労を引き起こすというのが、この病気のメカニズムの要点です。
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慢性疲労症候群を治療する漢方薬方は体質によって変わりますので、相談フォームにご記入の上、早めにご相談下さい。 |
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