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正常の排尿機能は、特に努力せずとも無意識の状態で尿を膀胱に貯め、尿意を覚えた時、または尿意を覚えなくとも意識的に尿を排尿することができます。尿失禁とは、これらの機能が損なわれ、自分の意志とは関係なく尿が洩れることを指し、これによって社会的・衛生的に支障を生ずるものをいいます。 |
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機能性尿失禁
排尿機能は正常にもかかわらず、身体運動障害の低下や痴呆が原因でおこる尿失禁です。身体運動障害の低下のためにトイレまで間に合わない、あるいは痴呆のためTPO(尿を出してよい場所かどうかなど)が判断できずしてしまう、といったケースです。
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腹圧性尿失禁
クシャミなどによる生理的な反射や階段の昇り降りなどの動作がきっかけとなり、お腹に圧力が加わったときにおきる尿失禁を腹圧性尿失禁といいます。 |
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切迫性尿失禁
前ぶれもなく尿がしたくなり、その高まりが急なため、トイレまで間に合わなくなって尿が出てしまう尿失禁のことです。切迫感が高いということで、切迫性尿失禁と呼んでいます。 |
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溢流性尿失禁
ダムの水が溢れるように、パンパンにふくれた膀胱から尿が溢れるため、溢流性尿失禁と呼んでいます。
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機能性尿失禁の漢方的思考 |
尿の生成にかかわる臓器 |
尿がつくられ、排出されるまでには、主に肺・脾・腎の機能がかかわります。飲食物から取り入れた水分は、脾胃の運化作用によって消化・吸収され肺に回される。肺は臓腑や体表に水分を散布するという役目を持ちます。各所を潤した水分は、腎によって膀胱に回され、尿となって体外に排泄されます。 |
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膀胱の働きと心腎 |
水分代謝は、主に肺・脾・腎といった臓器が関係しています。最終的に尿を生成して外に排泄するのは、膀胱の役目ですが、尿意を感じるのは心です。心は意識を主り、排尿時に尿を出しなさいと命令するのは心の働きです。
このように膀胱は、貯蔵、排泄などの機能はすべて心腎によって管理されています。そのため、老化などによって心腎の機能が低下すると、失禁のトラブルや認知症なども起きやすくなります。
また、腎は、水分代謝のかなめであると同時に、「精」という生命エネルギーを蓄え、成長・発育・老化など、生命活動そのものをつかさどる臓器です。年をとると排尿に異常が起きるのも、腎と老化との密接なかかわりを示すものといえます。
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漢方による失禁の治療 |