合成洗剤残留検査の具体的方法
洗剤を用いて洗うと、きれいにゆすいだつもりでも、洗剤が残っていることがあります。その残った洗剤は最終的に私たちの体に取り込まれることがあります。普段と同様の方法でゆすいだあと、合成洗剤がどの程度残っているのか調べましょう。
- 準備
- 陰イオン系合成洗剤、クロロホルム、蒸留水
- メチレンブルー 0.01 %水溶液
以下を蒸留水にとかして 1000 mLとする。
- メチレンブルー ・・・0.1 g
- 濃硫酸 ・・・12 g (約 7 mL)
- 無水硫酸ナトリウム・・・50 g
- 試験管、試験管立て、ゴム栓、ビーカー 200 mL (検液用)、ビーカー 100 mL (蒸留水用)、ピペット 5 mL (メチレンブルー水溶液用)、ピペット 2 mL (クロロホルム用)
- 方法
- 自分が選んだ合成洗剤を使って、普段のように水道水で洗い、ゆすぐ。ゆすいだあとは拭かない。ゆすいだ回数を結果に記入しておくこと。
- その後、50 mLの蒸留水(100 mLビーカーにあらかじめ入れておく)で、もう1回ゆすぎ、ゆすぎ水(検液)を 200 mLビーカーにためる。
注意)
- 水道水にも微量に洗剤が含まれているので、検液は蒸留水でゆすいだものを使うこと。
水道法に基づく水質基準 陰イオン界面活性剤・・・1 L中 0.2 mg以下
- 蒸留水の量が多すぎると、残留している合成洗剤を検出しにくくなるので注意すること。
- 洗ったり、ゆすいだりしているときに、合成洗剤が蒸留水の中に入らないように注意すること。
- [洗濯用洗剤を選んだ人]
- 布(例えばハンカチ)などを洗濯する→水道水でゆすぐ→ 50 mLの蒸留水でもう1回布をぬらし、しぼった水をビーカーにためる
- [台所用洗剤を選んだ人]
- コップなどを洗う→水道水でゆすぐ→ 50 mLの蒸留水をコップに入れ、その水をビーカーにためる
- [歯磨き粉を選んだ人]
- 歯磨き粉で歯を洗う→水道水で口をゆすぐ→ 50 mLの蒸留水でもう1回口をゆすぎ、それをビーカーにためる
- [シャンプーを選んだ人]
- 髪の毛を洗う→水道水でゆすぐ→蒸留水でもう1回髪の毛をゆすぎ、ゆすぎ水をビーカーにためる
- [洗顔用洗剤を選んだ人]
- 顔を洗う→水道水でゆすぐ→蒸留水でもう1回顔をゆすぎ、ゆすぎ水をビーカーにためる
- 水道水にも微量に洗剤が含まれているので、検液は蒸留水でゆすいだものを使うこと。
- ビーカーにためた水を試験管に 4 ~ 5 cmとり、これにメチレンブルー水溶液を 3 mL加える。
注意) メチレンブルー水溶液を手や服につけないように! 青くなって、色が落ちにくい
- クロロホルム(教卓にある)をこの試験管に 2 mL加える。このとき二層に分かれるので、下の層の色(無色)をよく見ておく。
注意) クロロホルムを吸うな! 麻酔作用がある
- この試験管にゴム栓をして 2 ~ 3 秒よくふり、クロロホルムの層(下の層)が青くなれば、陰イオン系合成界面活性剤(合成洗剤)が残留していたことになる。つまり、ゆすぎが不十分だったことになる。
注意) セッケンや非イオン系、陽イオン系合成界面活性剤が残留していても、この方法ではわからない。
- 結果
- あなたが選んだ洗剤は ( )
検液をとる前にゆすいだ回数は ( ) 回 - クロロホルムの層は青くなりましたか。 ( )
- 陰イオン系合成洗剤は残留していましたか。 ( )
- あなたが選んだ洗剤は ( )
- やってみよう
- きれいにゆすげるまでに何回ぐらいゆすがないといけないのか調べてみよう。
- ゆすぎの回数が同じとき、使う洗剤の量で残留する合成洗剤の量に違いがあるのか調べてみよう。
- 洗剤を変えて残留テストを行ってみよう。
- 感想