泥水の浄化 実験方法

−2時限目−


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実験準備

実験方法
  1. ガスバーナー(ブンゼンバーナー)の使用練習
  2. 蒸留
    1. 1時限目の実験で保存した水(約 10 cm3 )の約 2/3 を試験管に入れ、その中に沸騰石を 2 粒から 3 粒入れる。
      実験上および生徒指導上の留意点
      • 1時限目の実験で保存した水はサンプルビンの約 1/3 を蒸留せずに残し、透明度の比較に実験後使用する。また、蒸留に失敗したときはこの残した水を使用して実験をやり直す。
    2. 図1のように器具を組み立て、加熱する。
      蒸留装置1
      図1

      実験上および生徒指導上の留意点
      • 試験管にゴム栓をはめるときに両手が離れている生徒が多い。ガラス管や試験管が割れることによるけがを防ぐために、ガラス管やゴム栓の取り扱いについて生徒に対して十分な説明が必要である。
      • 試験管にゴム栓がきちんとはまっていないと実験中にはずれ、蒸留に失敗することがある。試験管を割るのではないかと生徒は思ってゴム栓をゆるくはめている場合が多いので注意が必要である。
      • 火力が強くなりすぎないように、試験管に炎を直接当てるのではなく、石綿付き金網を試験管と炎との間に入れて加熱する。ただ、石綿付き金網と試験管の底とが離れていると水が沸騰しなくなり、いつまでたっても蒸留できないので両者が接するようにしておかなければならない。両者が接しているかどうかを各生徒ごとに確認していく必要がある。
    3. 水が沸騰してきたら、ガラス管の先に受け器として別の試験管を図2のように取り付ける。水が水蒸気のまま逃げてしまわないように、ガラス管の先は試験管の底から 2 cm から 3 cm ぐらいのところまで入れておく。
      蒸留装置2
      図2

      実験上および生徒指導上の留意点
      • 二つの試験管の位置をあわせるのが生徒にとって難しいようである。この位置あわせをすることで、クランプの締め加減などスタンドやクランプの使い方に生徒は慣れてくる。
      • 受け器の試験管を水で冷却する方法2)もあるが、組立が複雑になるので用いていない。そのため、ガラス管の先を試験管の奥の方まで入れておかないと水蒸気のまま逃げて水がたまらないことになる。各生徒ごとにガラス管の位置を確認していく必要がある。
    4. 火加減を調節しながら、蒸留で出てきた水を図3のように採取していく。
      蒸留装置3
      図3

      実験上および生徒指導上の留意点
      • ガラス管の先が採取した水につからないように常に位置を調節していかなければならない。そうしないと、水が逆流することもある。
      • 蒸留に時間がかかるため、蒸留中に生徒が目を離してしまうことが多い。また、ガスバーナーの火で紙などを燃やす生徒もあり、危険防止のため注意が必要である。
      • 簡易的な方法を用いたため、火力が強すぎて水蒸気としてではなく、液体の水が泡状になって受け器に直接流れてしまうこともある。
    5. 蒸留した水を新しいサンプルビンに入れて、1時限目の実験で浄化した水と比較する。
      実験上および生徒指導上の留意点
      • 蒸留などで失敗すると透明度はかなり悪くなる。蒸留した水として水道水を提出してくる生徒もいるが、水道水は透明度が格段に良く、すぐに水道水とわかる。また、水道水と実験で浄化した水とを比較することで水道水の浄化程度が感覚的にわかる。


参考文献

1.浜島書店編集部編,「ニューステージ 化学図表」,浜島書店,p.11 (1998).
2.長倉三郎他,「化学IB」,東京書籍,p.10 (1994).


生徒向けの説明
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