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免疫力アップ講座 2「全体食」のすすめ 東洋医学では、昔から一つの物をまるごと食べる「一物全体食」が重んじられてきました。 普段の私たちの食事でいえば主食なら白米、魚なら切り身ですが、全体食とは魚なら頭から尻尾まで、野菜なら根っこから葉っぱまで、米なら胚芽まで、まるごと食べるということです。 現代は、食材の一栄養素の効果が注目される「機能性食品」時代ともいえます。食の力が新たに見直されてきたという意味では素晴らしいことですが、私たちはあくまでも単一で栄養素をとっているわけではないということを忘れてはいけません。大豆を食べるということは、イソフラボンを食べているのではないし、あくまでもトマトはトマトであって、リコピンやビタミンCだけとっているわけではないのです。 玄米に水をやるとやがて芽がでてきます。ひとつの食材を丸ごと食べるということは、ひとつの生命体をとりいれることなのです。穀物の一粒の中にさまざまな成分が入り込んで過不足のない完全な生命力を保っているのは、単一の栄養だけでは生命力にならない、自然の法則そのものの結果といえるでしょう。 不思議なことにビタミンやミネラルを単独でとるよりも、たんぱく質や食物繊維、脂質や糖質などと一緒にとったほうがはるかに効果があります。体の中で複数の栄養素が重なりどのように機能するかということはまだ解明されていない部分も多いのですが、単純な足し算を超えた相乗効果があることは確かです。 全体食は日本でも実践されてきました。イワシなどの小魚は丸ごと食べるのが当たり前、主食は玄米・雑穀など未精白の穀類、豊富な豆製品を多く食べてきた日本人は、全体食という言葉を知らなくても、自然と生活の一部に組み込んでいたのです。 食物そのもののパワーを経験的に知っていた先人の知恵を生かさない手はありません。人間の体はよく小宇宙に例えられますが、体が宇宙の一部だというのなら、生命をそのままとりいれる全体食の考え方は、自然のリズムに逆らわずに生きるという意味で非常に理にかなっているといえるのです。切り身よりも、頭から尻尾まで食べられる15cm未満の魚を食べるようにしてみましょう。 |
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