膝の痛みと漢方薬
漢方薬は健康を維持するために、東洋医学の知恵が活かされています。経験豊富な中医師が漢方の知恵を生かして、あなたの「自然治癒力」を引き出すお手伝いをさせて頂きます。慢性病でお悩みの方、是非コンドウ薬局にご相談下さい。当店は体質に合った漢方薬をオーダーメイドで調合致します。
日本中医学院卒業 北京・広州中医学院留学 日本自然療法学会会員 日本薬膳振興協会会員 八面蒙色研究会講師
清水寺管長、松本大圓氏揮毫 薬食同源。健康の維持には食生活が大事と説いています。
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 コンドウ薬局の漢方薬はすべてオーダーメイドです
 
 


関節や四肢の痛みを、中医学では「痺証[ひしょう]」といいます。痺は、発病因子である「風邪[ふうじゃ]」「寒邪[かんじゃ]」「湿邪[しつじゃ]」「熱邪[ねつじゃ]」などの「病邪[びょうじゃ]」が、からだの活動に必要な基本物質である「気」や「血」の流れを妨げた状態をいいます。

ひざの痛みも痺証のひとつですが、中でも、(1)中年以降におこりやすく、男性より女性に多い、(2)ひざ以外に痛みがない、(3)安静時は痛みが軽いか感じない、(4)歩いたり、階段を昇り降りすると痛みが強くなる、(5)経過が長く治りにくい、(6)炎症性の症状はほとんどなく、温めると痛みがやわらぐ、といった特徴をもつものは、更年期障害と同じように、老化によって「腎」と「肝」がおとろえることが根本的な原因となっておこります。



腎には、たいせつなはたらきが2つあります。 ひとつは、飲食物が消化・吸収されてできた栄養分を、成長・発育・老化・死といった生命活動の原動力となる「精」という物質に変えて、たくわえるはたらきです。 精には、物質面である「陰液[いんえき]」と、機能面である「陽気[ようき]」があります。

陰液と陽気が協調してはじめて、精は正常にはたらくことができます。陰液から陽気をつくるのも、腎のはたらきです。

もうひとつは、全身を温めて水分代謝を行いながら、精を、全身のエネルギー源となる気・血・「津液[しんえき]」につくり変えるはたらきです。



腎のはたらきがおとろえると、2つの問題がおこります。 ひとつは、精が不足するという問題です。精が不足すると、気・血・津液をじゅうぶんにつくることができなくなり、その結果、ほかの内臓のはたらきも悪くなります。

腎のはたらきがおとろえると、まっ先に影響をうけるのは、肝です。肝は、からだのはたらきや血液の循環量を調節し、筋膜や腱に栄養やうるおいをあたえ、「肝腎同源[かんじんどうげん]」といわれるほど、腎と密接な関係があるからです。 もうひとつは、水分代謝がうまくできなくなるという問題です。その結果、からだの中に有害な水分が生まれるようになります。

こうして腎と肝のはたらきがおとろえると、気や血が不足し、これにつけこんで風邪や寒邪、湿邪が侵入して、ひざの痛みがおこります。





からだの活動に必要な水分である津液は、消化と吸収を行う「脾胃」でつくられ、腎のはたらきをうけながら、「肺」によって全身に送られます。

食生活の不摂生や過労、老化、慢性病などが原因で脾胃のはたらきがおとろえると、肺のはたらきもおとろえて、水分代謝が悪くなり、からだの中に、有害な水分である「水湿[すいしつ]」が生まれます。

水湿は、全身にはりめぐらされた通路である「三焦[さんしょう]」に停滞し、からだの表面ちかくにたまります。このとき、雨にぬれたり、湿度の高い環境にさらされるなどが原因で風邪と湿邪が侵入すると、発熱や悪寒をともなって、ひざが急にはれて痛むことがあります。

このような「風水[ふうすい]」と呼ばれるひざの痛みは、中年以降だけでなく、比較的若い人にもおこります。 上半身を中心とした全身のむくみのほか、ひざの関節に水がたまってしびれる・汗が出ない・尿の量が少なくなる・舌が淡い紅になって白い苔がつく・脈が「沈[ちん]」などの症状をともないます。
治療は、脾胃と肺のはたらきを補いながら、有害な水分を尿として除く「越婢加朮湯[えっぴかじゅつとう]」で行います。

また、ひざの冷えが強いときは、からだを温めて寒邪を除く力の強い炮附子末[ほうぶしまつ]を加えるといいでしょう。



脾胃や肺のはたらきのおとろえがつづき、よぶんな水分があつまると、発病因子である「水飲[すいいん]」となって、胃の中やみぞおちのあたりにたまります。

このとき寒い風にあたると、水飲が急にからだの上や表面に向かって逆流し、通路である三焦に停滞するため、肺や皮膚のはたらきが妨げられて、ゼーゼーという呼吸音がしたり、咳が出るようになります。

さらに水飲の力が強くなると、からだの下のほうにも流れて、全身が重だるく、むくむようになります。
このような「寒飲[かんいん]」によってひざも痛むときは、寒け・咳・汗が出ない・のどが渇かない・舌の色が淡くなって白い苔がつく・脈が「浮弦[ふげん]」などの症状があらわれます。
治療は、熱性の生薬でからだを温め、有害な水分を尿として除き、肺のはたらきを回復する「小青竜湯[しょうせいりゅうとう]」で行います。



冷たいものや生ものの食べすぎや偏食がつづくと、からだの中が冷え、脾胃のはたらきが停滞するため、有害な水分である水湿が生まれます。
このとき、寒い風にあたるなどしてからだが冷えると、からだの表面と内臓がともに冷えます。そのため肺や脾胃のはたらきがさらに妨げられて、水湿が増え、気や血の流れが滞るようになります。

このような「内生寒湿[ないせいかんしつ]・外感風寒[がいかんふうかん]」タイプのひざの痛みは、冷えるほどひざの痛みが強くなるのが特徴です。また、頭から肩にかけてのこわばった痛み・寒け・足の冷えが強い、あるいはからだの上が熱く下が冷える・腹部のうずくような痛み・嘔吐・舌が青紫色になって白い苔がつく・脈が「緊[きん]」あるいは弦で「遅[ち]」、といった症状をともないます。

治療は、からだの表面を温めて冷えを除くとともに、脾胃を温めてはたらきを回復し、冷えや有害な水分を除いて気や血の流れを回復する「五積散[ごしゃくさん]」で行います。冷えによる症状が重いときは、温める力を強める炮附子末あるいは「桂枝加苓朮附湯[けいしかりょうじゅつぶとう]」を合わせて使うといいでしょう。




冷たいものや生ものの食べすぎや偏食がつづくと、からだの中が冷え、脾胃のはたらきが停滞するため、有害な水分である水湿が生まれます。

このとき、雨にぬれたり、湿度の高い環境にさらされると、湿邪が体内の有害な水分にひきよせられるように侵入して、気のはたらきを妨げて滞らせ、湿邪の重い性質によって足に向かって流れるため、ひざが痛くなることがあります。

このような「内生寒湿・外感風湿[がいかんふうしつ]」によっておこるひざの痛みは、重だるく、湿度が高くなるほど強くなります。また、むくみ・悪寒・しびれ・汗が出ない・のどが渇かない・舌に白い苔がつく・脈が弦などの症状をともないます。

治療は、主にからだの中を温めて冷えや有害な水分を除き、滞った気を破って気や血の流れを回復する「鶏鳴散[けいめいさん]」や、「九味檳榔湯[くみびんろうとう]」に呉茱萸と茯苓を加えたもので行います。



一時的なひざの痛みが長びき、ひえや有害な水分が除かれないまま長い時間がたってしまうと、湿邪の力は強くなり、からだの奥深く入りこんで「湿毒[しつどく]」になります。湿毒が、筋膜や腱に栄養やうるおいをあたえる血を傷つけ、流れを滞らせると、粘性の高い有害な水分である「痰」が生まれます。

このような状態では、しびれをともなうひざの痛みがはげしくなります。 痛みは安静時にもおこるようになり、とくに夜間に強くなります。冷えも強く、靭帯がひきつったり、曲げのばしをしにくくなるほか、ひざの関節が変形したり、ひざに水がたまることもあり 、脈が「細弦[さいげん]」になります。 治療は、冷えや有害な水分を除きながら、血の滞りを解消して流れを回復し、痛みを止める「ヨク苡仁湯[よくいにんとう]」で行います。






老化によって腎のはたらきがおとろえると、陽気と陰液の協調が失われます。
このうち、陰液が不足する「腎陰虚」の状態になると、からだの上が熱く下が冷えるようになるため、ひざが冷えて痛み、温めたりさすると痛みがやわらぐようになります。また、めまい・耳鳴り・イライラ・口が乾く・上半身がほてる・腰がだるい・ねあせ・脈が細[さい]で脈拍が速い・舌がやや紅い、といった症状があらわれるほか、陰液の不足が進むと、やせる・舌の色が紅く光ったようにみえるなどの症状も加わるようになります。
治療は、「水のおおもと」である腎の陰液を補う「六味丸」や「左帰飲」で行います。腎のおとろえが進んで症状が強いときは、「左帰丸」がいいでしょう。
また、イライラやねあせなどの熱症状がめだつときは、熱を冷ます力の強い「知柏地黄丸[ちばくじおうがん]」、目のかすみや視力減退などの「肝陰虚[かんいんきょ]」の症状が加わったときは、腎と肝のうるおいを補う「杞菊地黄丸[こぎくじおうがん]」が効果的です。



腎のはたらきがおとろえて、精から血をつくることができなかったり、 ストレスや慢性病、 出血などが原因になると、栄養やうるおいが不足する「血虚[けっきょ]」の状態になります。

このとき、雨にぬれたり、湿度の高い環境に長時間さらされたりすると、気や血の流れが滞るようになります。そのため、しびれをともなって、ひきつるようなひざの痛みがつづくようになり、血行が悪くなるほど、痛みはとくに夜間に強くなり、じっとしていても痛むようになります。 このような「血虚風湿[けっきょふうしつ]」タイプのひざの痛みは、皮膚につやがない・筋肉が強くひきつる・ものがぼやけてみえる・髪の毛がやせてつやがなくなる・頭がふらつく・舌が淡い色になって白い苔がつく・脈が細緩[さいかん]などの症状をともないます。

月経や出産などによって血虚になりやすい女性に多くみられます。 治療は、風邪と湿邪を除きながら血を補って血行を回復する「疎経活血湯[そけいかっけつとう]」で行います。痛みがあまり強くなく、尿が出ない・むくみなどの症状をともなうときは、血を補って肝のはたらきをととのえるとともに、脾胃のはたらきを高めながら湿邪を除く「当帰芍薬散[とうきしゃくやくさん]」が効果的な場合があります。





老化によって腎のはたらきがおとろえると、陽気と陰液の協調が失われます。
このうち、陰液が不足する「腎陰虚」の状態になると、からだの上が熱く下が冷えるようになるため、ひざが冷えて痛み、温めたりさすると痛みがやわらぐようになります。また、めまい・耳鳴り・イライラ・口が乾く・上半身がほてる・腰がだるい・ねあせ・脈が細[さい]で脈拍が速い・舌がやや紅い、といった症状があらわれるほか、陰液の不足が進むと、やせる・舌の色が紅く光ったようにみえるなどの症状も加わるようになります。

治療は、「水のおおもと」である腎の陰液を補う「六味丸」や「左帰飲」で行います。腎のおとろえが進んで症状が強いときは、「左帰丸」がいいでしょう。

また、イライラやねあせなどの熱症状がめだつときは、熱を冷ます力の強い「知柏地黄丸[ちばくじおうがん]」、目のかすみや視力減退などの「肝陰虚[かんいんきょ]」の症状が加わったときは、腎と肝のうるおいを補う「杞菊地黄丸[こぎくじおうがん]」が効果的です。





一方、腎の陽気のおとろえがはげしくなったときは、からだをじゅうぶんに温められなくなるため、全身がいつも冷えた状態になります。

このような「腎陽虚[じんようきょ]」の状態では、元気がない・顔色が青白い・寒がる・頭のふらつき・耳鳴り・腰やひざに力が入らず、冷えて痛む・手足の冷え・むくみ・尿が透明で多い・夜間頻尿あるいは排尿困難・舌がはれぼったくなって淡い色になり、つるつるした苔がつく・脈が「細遅[さいち]」、といった症状があらわれます。さらに陽気のおとろえが進むと、むくみがひどくなり、不消化の下痢あるいは明けがたの水様便・呼吸困難などの症状をともなうようになります。

治療は、「火のおおもと」である腎の陽気を補う「八味地黄丸[はちみじおうがん](ベルアベトン錠)」や「牛車腎気丸[ごしゃじんきがん]」で行います。腎や肝のはたらきを高めるとともに、精や血、気を補い、冷えや有害な水分である「寒湿」を除く「大防風湯(だいぼうふうとう)」や「右帰飲」などもいいでしょう。

さらに病気が進んで症状が強くなった場合には、「右帰丸」などで治療を行います。

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