初めての演奏旅行より
高 田 真 菜


 お世話になったフランク先生、
英子先生と共に、あのあこがれの
音楽の都『ウィーン』へ行くこと
が決まったのは、五月の末のこと
でした。
 「2カ月でモーツァルトのコン
チェルトなんて弾けるのかなぁ。」
と・・・。
私は半信半疑な気持ちでいっぱい
になった。

 半年前、小学校の卒業文集の中で、
『行ってみたい国』に、私は、『ウ
ィーン』と書いていた。なんとその
夢が、こんなに早く叶ってしまうと
は・・・。
 でも、何としても私はウィーンに
行ってみたかった。
そして、テスト勉強もそこそこに、
モーツァルトの練習に励んだ。

 内容的に私には、決して難しいも
のではなかったと思うが・・・。
 それに、何しろオーケストラと初
めて演奏することもあって、ほんの
少ししかイメージができなかった。
 しかし、そんな私の不安を吹っ飛
ばすかのように、現地のマンション
に着くなり、荷物も置く間もなく、
いきなり、ヴィニッシュホーファー
先生に手を引っ張られ、リハーサル
会場の音楽院に連れていかれ??

考えている間もなく、リハーサル【オーケストラとの合同練習】の時間が流れていった。 そして、次の日の本番には、自分でもびっくりするほど、緊張せずに演奏することができた。やはりフランク先生やオーケストラのみなさんをはじめ、いろんな先生方に気遣いをしていただいたおかげなのかもしれない。
 今回、初めてウィーンに行って強く感じたことは、私と同じぐらいの歳の子達や、カザフスタンから来たヴァイオリニストの「ボータさん」などの音楽に向かう姿勢、音楽に対する熱意。それは、想像していた以上で、私にとって学ぶべき所が多かった。
 本当にお世話になった先生方、ありがとうございました。そして、一緒に行ったみなさんとまた、お目にかかれるのを楽しみにしています。

2002年8月