１８ニンニクユリ科
別名：大蒜、葫、甜オオヒル
部位：鱗茎（食用にする部分）
薬効：痔核、蟯虫駆除、さなだ虫、十二指腸虫駆除、頭部白癬、婦人の陰部のかゆみ、冷え症、乳腺炎、ジフテリア、喘息、咳嗽、かぜ感冒、頭痛
使用法
痔核
ニンニク一個を、縦に幅広く三つほどに切り、それをよく焼いた平らな石の上におき、その上をガーゼで包むと、ニンニクの汁がガーゼににじみ出てくるから、そのまま患部に当てて、石が冷たくたるまでつづける。一日に四、五回するとよい。
蟯虫駆除
ニンニクをつぶした汁を水で薄めて、ときどき浣腸する。または、生のままをすりつぶし、一回に3gほど、オブラートに包んで飲む。味噌をつけて空腹時に食べてもよいが、胃腸の弱い人は、吐いたり下痢をしたりすることがあるから、注意したければたらない。
さなだ虫、十二指腸虫駆除
味噌に包んで焼き、毎日五、六個を食べるとよいが、胃腸の弱い人にはさわることがある。または、生をすりつぶして、一回に3gずつ、オブラートに包んで飲んでもよい。
しらくも
すりつぶして汁をつけると、よく効く。
婦人の陰部のかゆみ
煎じた汁でたびたび洗うとよい。
冷え症
すりつぶしたものに、少しカラシ粉を入れ、酒で飲む。または、煎じて飲んでもよい。
乳腺炎
乳が腫れて痛むときには、おろしたものを、患部にべったりはるとよい。
ジフテリア
すりつぶした汁を、10㏄ほど飲むと効があるという。長塩容伸君は、「医者に間に合わぬときや、山間僻地、無医村地帯などでは、利用してみるのもよいと思う。ニンニクをおろして、口中へたらしこんでやればよい。気管がふさがり、胸をかきむしってもがき苦しむ死寸前の子どもを、この方法でみごと救った経験者の話を聞いている」と述べている。
喘息、咳、かぜ熱
灰に埋めて焼いて食べるとよい。
頭痛
ニンニクをへぎ、へその上におき、その上からお灸をし、口からニンニクのにおいが出るまでつづける。
注意
肺結核や心臓病に効くという説があるが、私はこれを用いてきいた例を知らないし、むしろ、これで食欲がなくたったり、下痢をしたりする患者があった。注意する必要がある。大蒜酒と大蒜膏の作り方
強壮、強精の目的で用いる。大蒜酒は、一株のニンニクをあらめに刻み、これに焼酎一合180㏄を加え、一カ月以上そのままにしておいでから飲む。水で薄め、酔わない程度に飲むこと。大蒜膏は、ニンニクと砂糖と酒の三つを、濃く煮つめ、ドロドロにしたもの。これを少しずつ舐める。 |
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