42スルメ烏賊
イカには、ケンサキ烏賊、ヤリ烏賊などもあるが、薬用には主としてスルメ烏賊を用いる。
部位:スルメにしたものの、甲を用いる。
薬効:蕁麻疹、魚、茸の中毒、手足の痛み、打撲打ち身、船の酔い、出血、火傷。
使用法
蕁麻疹
魚、茸の中毒魚の中毒で、蕁麻疹のできたとき、または、魚、茸に中った時には、スルメを煎じた汁を飲むとよい。特にフグの中毒には、スルメを焙って、その臭いをかぎ、そのうえでスルメを食べると、毒が速やかに消えるという。また、フグ、カツオ、ウリたどにあたったときは、スルメとサクラの皮の黒焼きを、等量まぜて飲むのもよい。
手足の痛み、打撲
手や足の痛む場合には、スルメの黒焼きを酒で飲むとよい。また、打撲には、イカの甲をけずって、米糊で煉ってつけるとよい。
車、船の酔い
自動車や船に酔う人は、スルメの焼かないものを、小さく切ってかみながら汁を吸っていると、酔いの予防になる。
出血
新生児の臍からの出血に、イカの甲を粉末にしてつける。また、舌からの出血には、イカの甲とガマの花粉を等量まぜ、これを炒って粉末とし、少しずつ舌に塗ると即効がある。
やけど
やけどにはイカの甲を粉末とし、甘草の煎汁に合わせてつけるとよい。
打ち身、くじきに奇効
打ち身、くじきで痛みを感ずるときは、スルメの黒焼きが奇効を秦する。スルメ一枚を黒焼き黒くほぐれやすくなるまで焼くにし、すり鉢でよくすって、こまかい粉末にしたものをふるいにかけ、さらに細かくる。別に、飯粒を煉って作った海苔と混ぜ合わせ、それに酢を加えてドロドロになる程度に伸ばし、これを丈夫な厚紙に伸ばして貼る。乾くと何回も取り替え、普通なら二三日で治り、重症でも1週間で全快する。 |
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