健康維持や予防なら民間薬で十分です。副作用もなくお茶代わりに安心して服用できます。
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漢方と民間薬百科:大塚敬節著書(主婦の友社)
民間薬の使用上の注意


民間薬は大衆の生活に浸透してゆくことが速く、たちまちの間に生活の一部となる。クコ茶がたちまちにして日本の津々波浦々にまでゆきわたったのをみてもわかる。そこで、民間薬の適、不適を判断することのできない一般大衆を指導する人々の責任は、重大である。

この意味で、民間薬を取り扱った書物の内容は、素人が読んでもわかる平易なものであると同時に、危険な民間薬を記載してはならない。ところが、事実はこれに反し、恐ろしい薬草を平然と紹介している書物が意外に多いのに驚く。

最近、私は大阪読売新聞編の「漢方あれこれ」という書物を読んだところ、「漢方と民間薬」という項に、次のような記載を発見した。「二、三年前、大阪で、フクジュソウ福寿草を煎じて飲んで死亡した人がありました。これはウマノアシガタ科現在キソポウゲ科の植物で、アドニンなどの強心配糖体を含んでいるところから、ヨーロパでは、ヒポクラテスの時代から民間薬として愛用されているものです。

一世紀のころ、ディオスコリデズの書いたぐテリヤ・メディカ(薬物学)という本にも出ているくらいですから、心臓を強める薬草としては古いものです。フクジュソウの含まれている強心作用、非常に即効性があるかわり、強すぎて、狭心症に似た発作を起こして死亡することが少なくないため、劇、毒薬に指定されています。ウサギを使って実験したところ、体重1kg当り5mg許容量の限界だったそうですから、体重50kgの人は、250mgが致死量と推定されます。

この記事を読んで、私も三十年ほど前に、フクジュソウを飲んで死んだ人のことを思い出した。その人は、東京の尾久に住んでいた主婦だったが、心臓が悪く、フクジュソウがきくという。話を聞いて飲んだところ、七転八倒の苦しみで、驚いた家人が医者を呼んだところ、処置がないといって帰ったので、来てくれということで、往診した。

私が患者のまくら元にすわったときは、末期で、間もなくひどく苦しみながら死亡した。フクジュソウは、こんなに恐ろしい薬で、民間薬として不適であるに、昭和に発行された民間薬の書物の大部分に、このフクジュソウが出ている。

どんなふうに出ているか、その一、二の例を次に引用してみよう。「福寿草の根を乾し、2gを五勺の熱湯め中に入れて約十分後取出してその湯にタンシャリベツと苦味チンキを少々加えて飲む。一日数回、十日以上つづけるがよい」。これは昭和八年に某杜から出た「家庭治療法」の心臓病のところに出ているが、恐ろしいいうほかはない。

ここに安心して服用し得る心臓病薬がある。それは新年の座敷に飾られるフクジュソウである。薬用とするのはその花ではなくて根である。根の主成分はアドニンであって、ジギタリスと同効であり、しかもジギタリスのように危険がない。したがって、素人が常用しても安心である。すなわち、根を乾燥してこれを器中に密閉して貯えておき、必要に応じてその2gを約五勺の水に煎じ、これに単舎をまぜて一日数回に分服する。

ただし連服十目以上におよぶと害があるからこの点だけはくれぐれも注意しておく。これは、ある理学士の著述で、非常によく売れた民間薬の本の一節であるが、素人が常用しても安心であると断言している点に、注目してください。これでは、フクジュソウを飲んで死ぬ人があるのは、当然ではないか。以上が民間薬使用上の大切な注意であるる。
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