28トンボ
別名:蜻蛉、アキツ、トンボウ(薬用には、俗に赤トンボと呼ばれているアキアカネ、ナ ツアカネ、ミヤマアカネなどを用いる)
部位:全体(黒焼きとして用いる)
薬効:喉の痛み、扁桃腺炎、咳。やけど
使用法
のどの痛み
扁桃炎黒焼きを、のどの痛むところに、ふれるようにして飲む。これには、黒焼きを粉末にし、管で吹きこむか、または、少しずつ、つばで飲みこむようにするとよい。
せき
せきがなかなかとまらない場合、黒焼きを粉末にして飲む。黒焼きにすると分量が少しになるから、一回に十匹分は必要。
やけど
黒焼きを粉末にし、ゴマ油でねって、患部につけ、その上を包帯をしておく。
扁桃炎にきいた体験
お正月に夜ふかしがすぎたせいか、かぜだと思ったのが急に熱が三十九度にもなり、扁桃炎と診断されました。近所の人が、それには赤トンボの黒焼きがよいとすすめてくれますので、飲んだところ、三回で熱がぐっと下がり、のどの腫れがひきました。そして一週間くらいで完全になおりました。私の家には土器がないので、フライバンを使いました。なべをよく熱してから赤トンボを入れ、ふたをしてまっ黒になるまで蒸し焼きにします。焼けたらよくよく粉にすりつぶし、オブラートに包んで用います。一日で必ず効果があります。分量は茶さじ一杯ずつ食前に飲むのがよいようです。のどが弱い人にきいた体験私はのどが弱く、秋から冬にかけて毎年のどがひからびたようになってしまいますが、去年の冬からは赤トンボのおかげで楽に過ごせました。常用すると、のどがじょうぶになります。作り方も至って簡単です。赤トンボを生きたまま火ばしで挟んで、上にかざすか、炭火にじかにのせて、カラカラに焼きます。焼けたらさまして、粉にして飲むだけですが、湯や水で飲まず、少しのどがすれるかもしれませんが、つばだけで飲みこんでしまいます。こうしたほうが、よく効くようです。夏にとって、黒焼きにしてたくわえておくと、ちょうほうします。
百日ぜきにきいた体験
今年四才にたる長男が、昨秋、重い百日ぜきをいたしました。いろいろの方法を試みても効果がないのです。ふと、私の弟が小さいときに、赤トンボでせきのなおったことを思い出し、百日ぜきにもきっと効くだろうと思って飲ませてみました。十匹で一日分とし、白ナンテンの実二匁約7g、氷砂糖三匁約11g、玄米をいったもの五勺90㏄を、水二合360㏄に入れて半分に煎じつめ、一日のうちに何度にも飲ませました。すると二週間くらいで、しらずしらず全快してしまいました。 |
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