５７コウモリ蠕幅
一般にコウモリと呼んでいるのは、イエコウモリである。
薬用部位：結、頭と四肢をとり去った部分
薬効：毛はえ薬、喘息
使用法
毛はえ薬
生きたコウモリの首を切り、血をとって、一日に三回ほど患部にぬる。
喘息
頭と四肢をとり去ったものを黒焼きとし、これを粉末にして、一回2gを重湯で飲む。喘息ばかりでたく、息切れに用いてもよい。
生髪薬
「東京医事新誌」第二〇六号に、生髪薬として次の記事が出ている。「土州土佐郡小高坂村の川村光成氏は次の報道を寄せた。それによると、一少女があり、年は十三才を過ぎ、頭部に火傷を受け、搬痕収縮して岩石のような奇形になった。その父母は悲しんで予に治を乞うた。そこで俗間に伝わるコウモリの生血をとり、そこに塗ったところ、不思議に毛髪が生えてもとのようになった。その後、この種の患者に試みたところ、効のないものは一例もたかった。次にその方法を示すと、生きたコウモリをとらえ、メスで首を切り、その奔出する血を盤に受け、これを禿げ方ところにぬる。一日に三回ずつぬっでいると、一週間でうぶ毛が生え、数週間で黒い毛となり、一年ばかりで結髮ることができ程度となる。これは私の実験である。 |
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