37クコ 拘杞 (ナス科)
別名:カラスナンバン、ノナンバン
薬用部位:根、皮、葉、実、茎
薬効:胃腸病、強壮強精、婦入の陰部の腫れ、男子の陰部の外傷、痔、口内炎、冷え症、目の充血、咳嗽、脱毛、高血圧症、低血圧症
使用法
胃腸病
葉を煎じて飲むと、胃腸をじょうぶにし、食をすすめ、便秘にも効がある。このごろはクコ茶を売っているから、これをお茶がわりに飲んでもよい。
強壮強精
根の皮の乾燥したものを地骨皮といい、強壮強精の効がある。4~8gを一日量として、煎じて飲m。陰萎には、地骨皮を酒にひたしておき、一昼夜たって酒をしぼりとり、少しずつ飲む。とり出した地骨皮は、そのまま乾燥して粉末とし、蜂蜜で練り固め、一旦二回、茶さじで一杯ずつ飲む。また、実でクコ酒を作り、強精の目的で用いる。
婦人の陰部の腫れ
婦人の陰部が腫れて痒いものには、クコの根を煎じた汁で洗うと、よくなる。葉を煎じて洗っても効がある。
男子の陰部の外傷
陰茎に傷ができたときには、根の皮を粉末にしてつけると効がある。陰部以外の傷にも効がある。
痔、痔核
いぼ痔が痛むときには、生めままの根の皮と、キワダの木皮とを等量煎じ、その汁で洗ったり、罨法したりする。また、根を突き砕いてから煎じ、その汁で洗っても効く。
口内炎
口内が荒れたり、ただれたりした、場合は、根の皮を煎じた汁でうがいすると、よくなる。
冷え症
葉をお茶がわりに飲むと効がある。また、不感症に、地骨皮10gほどを一日量とし、煎じて飲む。
目の充血
目が赤く充血して痛むときは、葉の煎汁で洗うと効がある。また、根をすりつぶしたものを煎じ、その汁に塩少し入れて洗っても効く。俗にはやり目というのに用いる。実の汁をつけても、効くといわれている。
せき
根の皮10gを一日量とし、せんじて飲む。漢方では、肺結核のせきなどに、地骨皮のはいった処方を用いている。
脱毛
生の葉を煎じた汁で髪を洗うと、抜け毛をとめ、髪のくせをなおす効がある。
高血圧症、低血圧
クコには、血圧を下げたり、上げたりする効はないが、飲んでいるとからだの調子がととのってくるから、高すぎる血圧は下がり、低すぎる血圧は上がる。葉をお茶がわりに連用する。
クコ飯のたき方
「薬草の知識と効用」から、クコ飯のたき方を引用しょう。「春の若葉を水洗いにして、飯にたきこむ。米のほうが少ないくらいにして気長に煮る。煮たったら、食塩を少々と醤油を入れて味をつける。または、若葉とあぶらげを一緒に煮て炊きたての飯にまぜ合わせる。クコ飯といって、昔は舟乗りが盛んに用いた糧食であるという。
食養クコ飯
各種食養法の粋を集め、体験をもとに、自主的な考えを盛った食養法だけでじょうぶになられた、この方面の研究家、永井光子先生が考えられたクコ飯の作り方は、
1:「くしろ昆布」を細く切り、半日ほど水につけておく。
2:その昆布をとり出した水の中へ、五分づきの米、これにぬかを少し混入する。
玄米を用いぬところに、永井先生の中庸のお考えがあるのです)を入れ、一晩放置する。たくときに「しらすぼし」を加え、上等の醤油少々たらしこむ。別に用意したクコ生葉と食用ニンジンを細ぐ切って合わせ、ゴマ油でいり、塩少々で味つけしたもの(化学調味料と砂糖は、食養の面から、いっさい使用しない)とのこと、これを、炊きあがったた前記のご飯の中へまぜこんで、できあがるのであります。それぞれの分量は、奥さま方の料理の腕前におまかせして、塩梅していただきます」
クコ酒の作り方
クコ酒の作り方はいろいろあるが、よく熟した実をとり、これを砕いて絹の袋に入れるか、砕かないでそのままのものを、実が全部つかる程度の量の焼酎か清酒に入れる。焼酎の場合は、氷砂糖を入れる。私は、六年前に砕かない実を入れた焼酎のクコ酒を持っているが、この頃では、実を口に入れると、かまずにとけるほどである。クコ酒は、三週間ほどたてば飲んで、もよいが、長くおいたほうがよいようである。 |
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