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漢方と民間薬百科:大塚敬節著書(主婦の友社)
か行
25カンゾウ 甘草(マメ科)

薬用部位:根(日本では産せず、中国からの輸入によっている

薬効:喉の痛み、腹痛、痔の痛み、咳嗽、声のかれ、口内炎、歯痛、食べ物の中毒、切り傷、ただれ、とげのたったとき、小児の強壮、ヒステリー

使用法
喉の痛み
 急に激しくのどの痛むとき、6gを水400㏄に入れて半分に煮つめ、滓をこし、一口ずつ口にふくみ、徐々に飲み下す。喉がかわき気味のとき、かぜのひきはじめのとき、刺激の強いものを飲んだり食べたりして、喉の痛むときによく効く。もし、のどが腫れて痛む場合は、甘草6gに桔梗の根3gを加え、水400㏄に入れて半分に煮つめ、かすをこして一日に飲む。

腹痛
 腹が急に激しく痛み、痛みどめの注射でもしなければならないようなときには、甘草6gを濃く煎じて一回に飲む。これで痛みを忘れることがある。近年、甘草が胃潰瘍に効くとの報告があって、これを用いる人があるが、一日に10gほどを数日つづけると尿量が減じて浮腫があらわれることがあり、血圧も高くなる。冷え症で脈の弱い人にはよいが、高血圧の人には、長期の服用はおすすめできない。

痔の痛み
 甘草を濃く煎じた汁で温罨法すると、痛みが楽になる。痔に限らず、瘭疽で指の痛むときも、応用で来る。


 激しい空咳に、甘草を煎じて飲む。「甘草は急迫を治す」といって、症状が急で激しいものにきく。痰の切れをもよくする。

嗄声
 演説をしたり、ひどくごみを吸ったりして、喉を痛め、声の出ないときに、甘草の煎じ汁を少しずつ飲む。これを飲みながら演説をつづけ、衆議院議員に当選した人があるとのこと。

口内炎
 口中がただれ、食物がしみて困るとき、甘草の粉末を、爛れたところにつける。煎じ汁でうがいをしてもよい。

歯痛
 濃く煎じた汁を含んでいるとよい。


食べ物の中毒
 甘草には、肝臓の解毒作用を助ける効があるので、いろいろの飲食物の中毒に用いられる。普通には、甘草と黒豆とを、それぞれ10gほど煎じ、飲むことが行なわれている。

切り傷、ただれ
 切り傷や、ただれに、甘草を粉末にしたものを振りかけると、早くなおる。

刺のたったとき
 竹や木の刺のたったときには、甘草をかみ砕いてつけると、痛みが楽になり、自然に抜けるようになる。

小児の強壮
 やせて、からだの弱い小児に、甘草の煎じ汁を、次のように飲ませつづけると、血色がよくなり、元気が出るばかりでたく、夜尿症がなおる。3gくらいを一日量として200㏄の水に入れ、半分に煎じておき、二、三回に分けて飲ませる。

ヒステリー
 ヒステリーの大発作で全身痙攣を起こし、そり返って、癲癇のように意識を失う癖のある婦人に、漢方のほうでよく効く処方に甘麦大棗湯というのがある。これは、甘草と小麦と大棗の実からできているものである。


胃潰瘍に著効の甘草
 ドイツのベルリソ大学で、胃潰瘍に甘草を用いて著効のあったという報告が、「薬事日報」に次のように出ていた。「最近ドイツやアメリカたどの諸外国で、生薬の研究が盛んに行たわれているという。たとえば、いま問題にたっているセルベソチナ製剤も、そのたぐいであるが、今度はドイツで、わが国でも古くから矯味薬として用いられている甘草の有効エキスが、胃潰瘍に非常によく効くという、耳よりなニュースが発表されている。

 ベルリン大学のE・シュルツェ、R・フランケらにより研究されたもので、甘草20~25gを一日量とし、熱湯でその有効成分を抽出して服用せしめ、これを六週間連続するという療法がとられた。なお、食事療法として、食塩の摂取を制限し、できるだけタンパクやビタミンに富んだ食物が与えられた。その結果、この療法が行なわれた三十八名の胃潰瘍患者中、三十二名は漬瘍の治癒がレソトゲン的に証明され、三名は自覚症状が全く消失するという素晴らしいものであった。また、無効であった三名には、開腹手術が行なわれたが、これによって癌性変化が認められた。

 このことからシュルツェ博士らは、もし甘草エキスで効がなかったら、胃癌を疑ってよいとまで、その効果をほめそやしている」また、日本でもこれと同じような研究があり、次のようにサンケイ新聞に報じられている。「最近、漢方薬の効能が見なおされ、メキメキ売り出しているというが、これもそのうちの一つ。甘草を飲めば胃潰瘍がなおるという耳よりな話。研究は、九州大学医学部の倉田助教授、西山、平田両助手。この春から、胃潰瘍患者六名に甘草の粉末を飲ませたところ、一週間で腹痛、胸やけなどがとれ、二週間で胃液濃度が平常になり、便の潜血反応がなくなった。一カ月後、これをレントゲンで調べたところ、胃潰瘍が完全に消失、これまで外科的手術以外ないとされていた慢性胃潰瘍が全治したというもの。

 この甘草は、中国、朝鮮など大陸に野生し、日本にはないが、どこの漢方店でも発っており、一日10g以上、三回程度飲めばよいとのこと」以上のとおりであるが、この甘草は前述のように、浮腫、尿利減少、血圧の上昇などの副作用があるので、この点に、は注意しなければならない。
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