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漢方と民間薬百科:大塚敬節著書(主婦の友社)
か行
20カラスビシャク(サトイモ科)

別名:半夏、ヘソクリ

薬用部位:球根(夏の土用のころ掘りとり、皮を去り塩水で洗ってから、日光に当てて乾燥して用いる。漢方で半夏とう。掘りたての生のうちに皮を取らない、取れなくなる。この生のものを齧ると、ひどくのどを刺激するから、決して咬まないいこと。煎じたものには、この刺激はない)

薬効:悪阻、咳、利尿、靴ずれ、毛はえ薬、肛門の痒み、喉の腫れ

使用法
嘔吐、悪阻
吐き気があって、何をべても吐き、薬を飲んでも吐くようなとき、刻んだ球根5gに、皮のまま刻んだ根生姜5gを加え、200㏄の水に入れて半分煮詰め、滓をこしてから、一口ずつ冷たいのを飲む。まことによく効く。悪阻にも効く。漢方で黄土と呼ばれている、かまどの焼け土を20gほど加えると、一層効果がある。また、この黄土を水に溶かし、その上澄みをとって、その液で、カラスビシャクと根生姜を煎じてもよい。このとき、漢方薬の茯苓5gほど加えると、なおよく効く。


痰のからまる咳、痰の切れにくい咳に、いろいろの漢方薬といっしょに煎じて飲む。とくに、妊娠咳といって、妊娠中に咳が出はじめると、なかなか止まらないものだが、そのとき半夏の入った麦門冬湯を用いるとよい。

利尿
尿の出をよくするために、球根5gと茯苓4g、根生姜4gを加えたものを、漢方で小半夏加茯苓湯といい、嘔吐をとめる目的で用いるが、これには同時に利尿作用があって、肋膜に溜まった水がとれたり、蓄膿症の膿が消えたりする。

靴ずれ
靴ずれや、足の豆には、球根をすり潰して、飯粒で煉って貼る。

毛はえ薬
球根を粉末にして、毛の抜けたところにすりこむ。まゆ毛の薄い人も、粉末をすりつけるとよいが、目に入らないように注意する。

肛門のかゆみ
肛門の痒いときには、肛門を洗ってから、球根の粉末を。生姜の汁で煉ってつける。

喉の腫れ
扁桃が腫れて痛むときに、足の裏の土ふまずに、球根を粉末にして飯粒で煉ったものをすりつけるとり、不思議に喉の腫れががとれる。

喉の腫れに効く半夏末
「東京医事新誌」第二〇一号明治十五年二月に、伊勢の国安濃郡の医師細川元隆は、次のような一文を寄せている。「この頃当地方には、小児に喉の腫れる者が多く、その患者は、薬も乳汁も飲むことができない。私の祖父はこんな患者に、外用薬を用いてよく治した。その方法は、半夏の粉末4gを、麦飯で適宜ねり合わせて、夜寝る前に左右の足の裏に貼っておく。すると翌朝は、喉の腫れが減退して、いつものように乳汁を自由に飲むことができるようになる。私も、この方法で十三名の患者を治したが、なぜ効くのかよくわからないので、教えてもらいたい」以上のようた報告であるが、私も郷里にいるころ、天南星の球根を足の裏にはって、扁桃炎をなおしたことがあった。天南星も、やはりサトイモ科に属する植物で、その作用が似ていて同じ効果があったのであろう。

へそくり金の由来
内緒にためた金を、へそくり金というが、このへそくり金の名の由来はカラスビシャクに関係がある。カラスビシャクは、その球根が人のへそのようで栗の形をしているので、ヘソクリの別名がある。ところで、このヘソクリは生活力の強い雑草で、畑に生えたものは作物の生育のじゃまになり、なかなかとりつくせない。今日でも、東京の近郊の畑や路傍に生えている。先日も吉祥寺辺で見かけた。百姓は畑仕事のとき、このヘソクリを掘りとり、ある程度たまると、漢薬の仲買人に売って、何某かの金をもらうので、これがへそくり金といわれたわけである。
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