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漢方と民間薬百科:大塚敬節著書(主婦の友社)
か行
3カキ柿

薬用部位:実、種子、花、渋へた、葉


薬効
出血、痔出血、吐血、血便、血尿、眼底出血、外傷による出血、火傷、凍傷、打撲、打ち身マムシの咬み傷、蜂刺され、咽頭、骨のたったとき、歯痛、指の腫れ、夜尿症、下痢、酒の悪酔、しゃくり、咳嗽、中風、高血圧症、たむし、頑癬膀胱炎、嗜眠、雪やけ。


使用法
出血
痔の出血には、実を黒焼きとして一回2gを湯で飲む。吐血には、種子を黒焼きとしたもの、または干し柿を黒焼きとしたもの2gを、水で飲む。また、渋でうがいをし、あるいは水で薄めて飲む。大便に血のまじるのには、干し柿一個につき、ヨモギの葉の乾燥したもの4gを加えて煎じ、その汁を飲む。尿が気持ちよく出ずに血のまじるような場合にも、この方法でよく、または、へたを黒焼きにして重湯で飲んでもよい。

眼底出血には、生の葉五、六枚を、葉の中央にある筋をとってこまかく刻み、煎じて一回に飲む。生の葉がなければ、柿茶を飲んでもよい。九州大学医学部では、葉の粉末を眼底出血の患者に用いて効のあった例を報告したことがある。外傷からの出血には、渋ガキをかみ砕いてつげる。また黒焼きにして飲んでも効がある。また、干し柿を酢につけておいて、泥状となったものを、傷口とそのまわりのはれたところにつける。急ぐときは、干し柿をついて泥状とし、酢でねってつけてもよくきく。

火傷
第一度の火傷皮膚が赤くなった程度なら、渋をぬるか、渋ガキをつぶしてぬりつけるだけでよい。第二度の火傷水疱になった程度には、渋をガーゼにしませて、患部に当て、その上にふつうの綿を当てて包帯をし、毎日とりかえる。このようにすると、化膿せず、痛みも早くとれる。

凍傷、打撲
渋をぬる。実または干し柿を酒で煎じた汁は、しもやけにきく。

マムシの咬み傷、ハチ刺され
マムシ、ハチ、その他毒虫に刺されたときは、実を切ってすりつける。または、渋ガキを突き砕いて、砂糖と煉ってぬる。干し柿を煉ってつけてもよい。

咽痛
骨のたったとき魚の骨が、のどにたったときには、実を押しつぶして、歯で食し切らぬようにして一息に飲むと、不思議と抜ける。

歯痛
歯の痛むときは、まだ熟さない実を突き砕いて汁をとり、水をまぜてうがいをするときく。また歯茎きが腫れて痛むのには、干し柿を黒焼きにした粉をすりこむとよい。

指の腫れ
指がばれて痛むには、干し柿と砂糖と味噌を等量を、一緒に黒焼きし、水で煉ってつける。

夜尿症
渋ガキの種子を黒焼きとして飲む。また、へたを煎じた汁を飲むのもよい。

下痢
五、六月ごろ、落ちたカキの花を拾い集めて黒焼きとし、これを細末にして、米のりでアズキの半分ぐらいの丸薬とし、一回に五個ずつ、日に三回飲む。小児の下痢によくきく。

酒の悪酔い
実を食べると、早く酔いがさめる。

しゃっくり
へた十個ほどを、200㏄の水に入れて半分に煮つめ、一回に飲む。またこれに氷砂糖を入れてよい場合がある。へたよりも、実を煎じて飲んだほうがよくきくとの説もある。

せき
へた15gに同量の氷砂糖を入れ、これに梅干しの種子の中の白い仁を十個加え、水400㏄に入れて半分に煮つめ、三回に分けて飲む。

中風、高血圧症
生の葉を煎じた汁、または柿茶を常用する。渋にダイコンおろしをまぜて飲む。はじめは一回に10gくらいとし、様子を見ながらだんだん増量する。

たむし
種子を砕き、酢でねってつける。

膀胱炎
尿が渋って快通しないときには、柿の実五、六個に、黒ゴマ4gを加えて煎じ、その汁を飲む。

嗜眠
眠くて困るときには、葉を粉末にして一回に4~8gを飲む。雪やけ渋を、一日に二回、患部にぬる。

マムシの毒と干し柿
曲亭馬琴の「煮まぜの記」に、柿干し柿をかみ砕いて、マムシに咬まれた傷口に塗れば、傷あとも残らずすぐに治る、とあり、また、原南陽の「寄奇方記」には、伯英という人が、マムシに咬まれたときには、干し柿を酢に浸して、泥のようにしたものを傷口につける法を推奨し、これでなおった例をあげている。

柿茶の作り方
西勝造民は、健康増進のために柿茶を飲むことをすすめている。「西医学。健康原理実践宝典」による、柿茶の作り方を記そう。カキの葉は、渋ガキのでも甘ガキのでもよいから、六月から十月ごろまでに採取する。この頃の葉にはビタミミンCがいちばん多く含まれている。採取の時間も、早朝や夕方は避け、正午前後がよい。採取した葉は、天気のよい日は二日間、曇りや雨の日は三日間陰干しにして、横に3㎜に細切りにしておく。

釜に湯を沸かし、その上に蒸篭を載せ、湯げでよく温め、一度これをおろし、準備してあるカキの葉を3㎝ほどの厚さになるよう手早く入れ、一分半ほど蒸したら、蓋をとり、うちわで手早く30秒間扇ぎ、葉に溜まっている水滴を蒸発させ、また蓋をして一分半蒸す。蒸した葉は、手早く広げ、日光に当てず陰干しにする。注意しなければならないのは、蒸篭からとり出した葉はなるべく早く乾燥させることで、これをしないと、ビタンミンCが水滴にとけてしまう。蒸した葉は風通しのよいところで乾燥させてから、缶に保存する。

柿茶をいれるには、番茶の場合と同じ要領で、陶製の急須に入れ、これに熱湯を注ぎ、十分か十五分たってから、ついで飲む。二度目から三度目がいちばん濃く出るので、一回で捨てず、翌日までおいても飲める。
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