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漢方と民間薬百科:大塚敬節著書(主婦の友社)
あ行
52オオバコ(オオバコ科)

別名:オンバコ、カエルッパ、車前子

薬用部位:種子、葉、根

薬効:麦粒腫、腫れ物、出血、淋疾、尿利減少、尿の出が少ない、浮腫、肋膜炎、陰部のかゆみ、帯下、咳嗽、眼病、咽喉炎、歯痛、脱毛

使用法
物もらい、腫れもの
 生の葉を火にあぶって、もみやわらげて患部にはりつけておくと、膿が出てよくなる。


出血
 けがをして出血したとき、生の葉をもんでやわらかくして、患部にはると、出血をとめ、痛みをとる効がある。

淋疾、尿利減少、浮腫
 陰干しにした葉10g、または実5gを、煎じて飲む。また、葉、茎、根、実、いずれも生のままをすりつぶし、湯か酒で飲む。

肋膜炎
 肋膜炎で水のたまったときは、生の葉十枚を塩でもんで、胸から背にかけてはりつける。または、陰干しにした葉をせんじて飲む。

 五十才余りの婦人が咽喉炎にかかり、三、四日たってひどくのどが痛むようになり、食事が通らなくなった。それに、口内がひどく爛れて悪臭がひどく、十日余り食事ができず、湯や水を飲んでも鼻から逆流してくる状態であった。薬も飲めないので、生のオオバコの根をついて、それに水を加えて布でこし、一昼夜に数十回うがいさせたところ、四、五日で少しずつお粥が食べられるようになり、二十日余りで全治した。

 この婦人がやっと病床を離れると、今度は三十才になるその子が、母と同じ病気になったので、前と同じ治療を施したが、次第に増悪して爛れがひどくなり、悪臭が鼻をつく状態となって、絶食が七、八日に及んだ。しいて薬を飲ますと鼻から流出するので、患者は、自分でも死ぬのではないかと思うほどにたった。しかし、たお前の処方でつづけてうがいをしているうち、十日余りたって、やっと飲食物がのどを通るようになり、三十日ほどで全治した。

 また、十七才の男児が、両方の耳下。腺がひどく腫れ、それとともに喉も腫れ、嚥下困難がひどく、喉も激しく痛み、発病五日目の夜は呼吸が促迫して喘息のような状態になり、その苦しみは見るにしのびない。咽喉を見ると、口蓋垂は倍ほどに腫れ、灰白色の義膜でおおわれ、その他の部分も、ほとんどに義膜が付着している。そこで、急いでオオバコの根の汁を作ってうがいをさせたところ、二、三回目に一片の義膜が剥離して出てきた。

 その義膜をよく見ると、幅三分(1㎝)、長さ五分(1.7㎝)、厚さ五厘(1.5mm)ばかりで、なかなか強靱で、裏面の肉に接していたところは少し血点があり、表面は灰白で、ちょうど獣の皮のようで、たやすく剥離できたいもののようであった。そこで清涼緩下剤を与えたところ、半分は鼻孔から出るが、残りは嚥下することができた。よって、引きつづき前のうがいを行なわせたところ、十余日で義膜がとれ、自由に飲食することができるようになった。私の郷里では、十数年前からこのような病気が断続して各所に現われ、かかる者は多く小児である。

そして、この病気にかかると、なおるものはまれである。それゆえ私はこれを深く憂えていたが、明治七年に美濃の国にこの病気が流行したとき、西京の新宮君がオオバコのしぼり汁のうがいで、多くの危篤の患者を救ったということを聞いたので、実地に試みたところ、その義膜性であると糜爛性であるとを問わず、よく奏効した。まことに奇薬というべきである。似上の記載によって、私が考えるのに、これらの病気は咽喉ジフテリアであっただろうと思われる。
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