21アンズ杏(バラ科)
別名:唐桃
薬用部位:杏仁(種子の中にある白い粒)花
薬効
咳嗽、息切れ、呼吸促迫、浮腫、乳腺炎、鼻腔の吹き出物、鼻の下のただれ、歯肉炎、歯ぐきの腫れ、歯痛、便秘、犬の咬み傷、魚肉、獣肉の中毒、外耳道炎
使用法
咳
ゼイゼイという呼吸の苦しいような咳には、杏仁5gを一日分としてせんじて飲む。これに麻黄3gと甘草2gを加えると、なおよくきく。
息切れ、浮腫
杏仁5gに、茯苓4g、甘草2gを加えて一日分とし、せんじて飲むと、尿の出がよくなり、息切れや浮腫が軽快する。
乳腺炎
乳がはれて痛むのには、杏仁を湯につけて甘皮をとり、すりつぶして黒砂糖でねり、腫れているところに塗るとよい。
鼻腔の吹き出物
鼻の下のただれ杏仁をすりつぶして、乳汁でねってつける。
歯肉炎、歯痛
歯ぐき’歯齦)がはれて痛むのには、杏仁の甘皮をとったもの二十個に、塩一つまみを加えて、1000ccの水で煎じる。泡だつから、その泡をそっと除き、杏仁を入れたまま、その汁でうがいをするととい。また、むし歯で痛むときは、杏仁を黒焼きにし、ガーゼに包んで、痛む歯にかませている。
便秘
老人の常習性便秘には、花の半ば開いたものをとり、陰干しにして、蜂蜜につけておき、菓子のかわりに毎日食べると、ひどい便秘でなければ、気持ちよく通じるようになる。
犬の咬み傷
狂犬その他、犬にか咬まれたときには、杏仁をすり潰して、その汁をつけるとよいと言ういい伝えがある。
魚肉、獣肉の中毒
杏仁一にぎり冷すり潰し、これに水を入れてよく混ぜ、その上澄液ウワズミをとって飲むとよい。
外耳道炎
耳の中が腫れて痛むとときには、杏仁をすり潰してガーゼに包み、耳の中に入れておくとよい。
小児ぜんそくに麻杏甘石湯
小児の喘息、喘息性気管支炎に、麻黄、杏仁、甘草、石膏の入った麻杏甘石湯が能く効く。
★三才の男児、秋から冬にかか毎晩のようにゼイゼイとのどを鳴らし、呼吸が苦しく安眠しないということなので、麻黄、杏仁、甘草それぞれ1gに石膏3gを一日分とし、水200㏄を半分になるまでせんじて飲むようにさせたところ、その夜からせきがとまり、呼吸が楽になり、たいへん喜ばれたことがある。
この薬はおいしいので、子どもでもy喜んで飲んでくれる。かぜで声のかれたとき私は子どものころからのどが弱く、かぜをひくとよく声がかれて困ったものだが、そんなとき、杏仁4g、麻黄3g、甘草2gに、ミカンの皮2gを入れ、煎じて飲むと、すぐよくたった経験がある。 |
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