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このページについて
このページは、日本にスペースオペラをもう一度復活させるために日夜努力する、一人の駆け出し作家の努力の結晶である……(かなりウソ)
あなたのスペースオペラに寄せる愛情、『スペースオペラって何?』という疑問、こんなコーナーを作ってくれというリクエスト等、何でもメール にてお寄せ下さい!

どういうわけかこのページ、更新が少ないのに各イベントの企画のネタになることが多いので、企画担当者の方はネタかぶりにご注意下さい。

用語解説
宇宙怪人ザロ博士の秘密
茜書房刊、ハードカバーのジュブナイル本としてキャプテンフューチャーシリーズから一作だけ出版された。
早川文庫版の暗黒星大接近にあたる。
ジョオン・ランドールがジョン・ランドールと表記されていて、どうも犬っぽくて困る訳だった。
野田昌宏大元帥
翻訳家。日本におけるスペースオペラの第一人者。初期の『ポンキッキ』製作スタッフでもある。
キャプテンフューチャー
エドモンド・ハミルトン著の1960年代スペースオペラの最高傑作の一つ。日本では、2004年に創元文庫から復刊なる!
怪奇植物トリフィド
早川文庫版のトリフィドの日。映画版の邦題も同じ。
処女戦士ジレル
早川文庫刊暗黒神のくちづけ。ノースウェストスミスと同じC・L・ムーア著のファンタジー。早川文庫版のイラストも同じ松本零士さんによるもの。
富○
日本アニメーション界三大監督の一人。作品のラストで登場人物を全滅させることが多いので有名。

スペースオペラは楽しい!
筆者が小学生のころ、近くに私立の図書館がありました。子供には無料で貸してくれたのか、それとも父親が金を払っていたのか、とにかく筆者は毎日のようにそこに通っていました。
最初の頃読んでいたのは、怪盗ルパンとか名探偵ホームズとかの、ジュブナイル版の全集本。ところが、そこである日、運命の出会いをしたのです。
その本の名は宇宙怪人ザロ博士の秘密。ジュブナイル版に翻訳された、キャプテンフューチャーの一冊でした。
そのあまりの面白さに目覚めた筆者は、図書館にあったジュブナイルSFをバロウズと言わずハインラインと言わず、とにかく片っ端から読み尽くしたのです。
怪奇植物トリフィド/宇宙怪獣ラモックス/凍った宇宙/月は地獄だ/地球最後の日/レンズマンこの頃読んだSFのタイトルの数々は、その感動と共に今でも忘れていません。(最近読んだSFはどんどん忘れるのにな〜)
私立図書館と小学校の図書館のSFを読み尽くした小学5〜6年、筆者の目はキャプテンフューチャー読みたさにハヤカワSF文庫に向けられました。
そこで出会った第二の運命の出会い。それがバーサーカー赤方偏移の仮面でした。
これにはハマった。今でも、マイ・フェイバリットSFはバーサーカーです。(草の根ネットでのハンドルも『場坂』だし)
丁度始まったNHKのアニメ版キャプテンフューチャーのストーリーを全部知っている筆者は、クラスのヒーローでした。
そしてこの頃始めて、意識して『スペースオペラ』を読み漁るようになったのです。そのガイドブックは野田昌宏大元帥SF英雄群像
ジェイムスン教授/ノースウェスト・スミス……。もうこの頃には手に入りにくい文庫になっていましたが、あちこちの書店・古本屋を回って見つけだし、読んだものです。(特に処女戦士ジレルには苦労した記憶があるな〜。これは厳密に言えばヒロイニックファンタジーだけど……)
こんなに面白いスペオペが、『荒唐無稽』の一言で片づけられてしまうのはあまりにも残念です。
『荒唐無稽でも、面白いんだからいいじゃないか!』と開き直って、みんなでスペオペを読みましょう!


「スペオペの定義」についての私見
1999年の日本SF大会CAPRICON1で伺った森岡浩之さんのスペオペの条件というのが『自由人の男が主人公で、超光速航法が出てこない』というものらしい(記憶曖昧)んです。すなわち星界の紋章シリーズは森岡さん的には「スペオペではない」と。(もちろん、舞台が宇宙であるとかそういう基本的なことはわざわざ言うまでもないから省かれたんでしょう)
同じ企画に居合わせた野尻抱介さんは『宇宙を舞台にした、活劇指向の作品』というわりと大雑把な(失礼!)定義でした。
で、今までそういう定義についてあまり深く考えたことのない筆者も、さすがに考えました。だってお二人の考えってまるで違いますからね。もちろん筆者自身も漠然と「俺のスペオペは違う」みたいなこと思ってましたし。
それで出てきた都築的スペオペの条件。()内は、該当しない場合の分類。

の五箇条なんですが、どうでしょうか?
まあ、これはホントに人によって様々な定義をしてると思うんで、『ここは違うぞ!』とか思ったらメールして下さい。


スペースオペラの語源
何度かご質問のメールをいただいたのですが、『スペースオペラ』という言葉の語源は、西部劇を表す『ホースオペラ』から来ています。
この『ホースオペラ』という言葉自体さらに語源を探ると、昼間の奥様向けメロドラマを指す『ソープオペラ』という言葉が出てきます。
この『ソープオペラ』という言葉、あまり肯定的な意味では使われません。要するに『十年一日同じことを続ける、くだらないメロドラマ』といったようなニュアンスです。
つまりは『ホースオペラ』も、上の『メロドラマ』の部分を『西部劇』に置き換えたような意味で、同様に『スペースオペラ』も……。
実際、全盛期にアメリカで出版された膨大な数の宇宙活劇小説の大半は箸にも棒にもかからないものであったと、日本におけるスペースオペラの権威・野田昌宏大元帥は言います。
日本では、その膨大なクズの山からきらりと光るダイヤモンドだけが選び出されて翻訳され、『スペースオペラ』という言葉と共に紹介されたために、『宇宙を舞台にしたドキドキワクワクの冒険活劇小説』という意味で通ってしまった。というのが実情のようです。

通ちゃったものは仕方ないというか、むしろその方がありがたいので『スペースオペラ』=『宇宙を舞台にしたドキドキワクワクの冒険活劇小説』で押し通してしまおうと思ってるんですが、まあ語源くらいは知っておいてもいいかということで、一応ご紹介しました。


スペースオペラ その変質するヒーロー像
『スペースオペラ』という呼称の起源は上の『スペースオペラの語源』の項で詳しく解説しましたが、1920年〜60年頃に書かれ、日本語に訳された『本格スペースオペラ』を代表するもっとも典型的な『ヒーロー』が、他ならぬキャプテンフューチャーです。(特に日本ではアニメ化されたこともあって、これが原体験になった人が多いみたい)
キャプテンフューチャーは、(馬ならぬ)愛機コメット号を駆り、ロボットとアンドロイドと『生きている脳』という個性的な仲間達と共に宇宙狭しと大活躍します。正義の名の下に……。
しかし、これが書かれた当時と現在では、あまりに社会的情勢が違いすぎます。(長い好況の後の世界的大不況という点では似ているらしいですが)
ヒトの利害が複雑化し、そもそも『正義』の規定そのものが怪しくなってきた今日、いったい『ヒーロー』はいかに描かれるべきなのか? という話題が、SFクリスマス'96会場での伊東岳彦さんと筆者のパネルディスカッションの中で出ました。
実は同じようなことは筆者自身ずっと感じていて、それでミリー・ザ・ボンバー執筆にあたっては(ミリー本人は正義だと言ってるけど)『趣味だ』と言い切って悪人を倒す……という形にしました。
だいたい、よくあるヒーロー物の『愛だ! 正義だ!』ってヒーローは、今作られたものとして見てしまうと「なんか、ちょっと違うぞ」と感じてしまう。(本人と周囲が本気でそう思ってないんならいいんだけどさ……)
悪人の側にもそれなりの理由なり事情があるから、ヒーロー側が『正義』を振りかざすと、なんか『正義』の押しつけみたいに見えちゃってイヤなわけ。
西部劇でも最近は『問答無用で幌馬車隊を襲ってくるインディアン』は描かれなくなってるでしょ。(あれは主に人種問題のせいだけど)
今一番の悪人っていや権力を悪用する役人か政治家だけど、そんなの悪役にしてもわかりにくくてややこしい割に矮小な話になるだけだし、イヤ〜な話になっちゃうもんね。少なくとも『ミリー』ではそんな話は書きたくない。
悪役がきっちり悪役してくれないから、ヒーローが際立ってこないってのは、あるかも……。
(キャプテンフューチャーの後半シリーズは冒険物の要素が強くなってくるけど、それは前半でキャラが立ってるからできることなんでね)
じゃあ、そういうちゃんとしてない悪役に対するヒーローってのは、どうあるべきか……?
なんかむつかし〜なぁ。皆さんはどう思われます?

こいつぁスペオペだ!
スペースオペラを名乗ると壊滅的に売れないのか、それとも単純に作者の名前だけでジャンル分けをしているのか、内容的にはスペオペであるにも関わらず『ハードSF』を名乗ってる作品に出くわすことがあります。そういうのを紹介しましょう。
タイトル著者訳者初版年月内容
出版社判型価格
彗星爆弾
地球直撃す
エリック・コタニ
ジョン・ロバーツ
矢部 明1989/03地球に接近する彗星を利用して、ソ連副首相がもくろむ世界制覇の野望とは!?
亡命した美人科学者によってもたらされた驚くべき計画を阻止するため、CIA工作員サム・タガートが、天文物理学者ウーゴ・チアノ博士と共に大活躍する。
光文社文庫480円
(税別)
マッカンドルー
航宙記
チャールズ・
シェフィールド
酒井昭伸1991/04マイクロブラックホールを動力源に、太陽系最速の宇宙船を建造したマッカンドルー博士と女船長ジーニーとがさまざまな事件に立ち向かう。
東京創元社文庫583円
(税別)

みなさんが読んで『これはスペオペだ!』と思った作品(小説でなくても構いません)をメールで教えて下さい。