開発言語について

はじめに

各言語を使用して感じたこと、現時点でなぜDelphiを選んだか等を書いています。
(個人的に感じたことを書いているので、こういう見方もある。という程度に読んでください。)

 

VB(ぶいびー)、Visual Basic(びじゅある べーしっく)
[メーカ:Microsoft]

Windows では”簡単に素早くアプリケーションが書ける”としてRAD(高速アプリケーション開発)で有名な言語です。
わたしが使用しているバージョンは、Visual Basic 5.0(SP3) Professional Edition です。

とまあ、このように書いていますが、VBはぜひ覚えておきたい言語です。マイクロソフトオフィス97のワード、エクセル、アクセス等のマクロ(VBA)として採用され、また他メーカでもマクロ言語に採用されているなど、その浸透度はNo.1です。さけて通れない言語です(^^;

不満な点は、速度が遅いことと、フォームにコントロールを多く置くと問題が多発するのは改善して欲しいところです。あと、個人的には構造化されていないOn Error Goto のGOTO文をなんとかして欲しいですね。一番の問題はサービスパックという修正パッチが多いことかも。SP3とはサービスパック3のことです。雑誌に入っているのでVBを使用しているならSP3にしておきましょう。

 

VC(ぶいしー)、VC++(ぶいしーぷらすぷらす)、Visual C++(びじゅある しーぷらすぷらす)
[メーカ:Microsoft]

Windows 標準開発環境として多くのソフトウェアの開発に使用されています。しかし、そのビジュアルの言葉と裏腹にコードをガリガリ書く開発環境ですのでVB等のRADとの違いに注意が必要です。初めてVCをするのならお金(書籍代、パソコン通信費、ホームページ、ML等のインターネット費用)と時間はたっぷり用意しましょう(^^;
わたしが使用しているバージョンは、Visual C++ 5.0(SP3) Professional Edition です。

OSを開発しているメーカのメイン開発環境と宣伝していることもあり、初めてWindowsで開発するのために安易にVCを選ぶ話を耳にします。その選択をする前に、書店でVCの本やWindows開発関連の雑誌を読んだり、パソコン通信、インターネット等の情報収集をあらかじめしておくことを強くお勧めします。よほど最新の技術を使用しない限りVCでないと開発できないというのは間違いです。
しかし、VCにはVCなりの素晴らしい所があるのも事実です。現に会社ではVCのプロジェクトで開発しているソフトがあります。(が、Windowsで初めてのソフト開発であったため、1年以上という開発期間が必要でした。)

不満な点は、MFCが巨大になったのにヘルプをHTML化したために、ペンティアム133MHz程度では遅く感じるところです。それとクラスウィザードやリソースエディタなど色々なツールの使い方の操作に一貫性がないのもちょっと頂けません。VBと同じようにサービスパックという修正パッチが多いです。雑誌に入っているのでVCを使用しているならSP3にしておきましょう。

 

BCB(びーしーびー)、C++Builder(しーぷらすぷらす びるだー)
[メーカ:Borland]

C++のRADとして有名な開発言語です。Delphi 2.0とBorland C++の両方をベースに開発されており、コンポーネントを操作するコードの記述にクセがあります。もし既に購入すみなら、CD-ROMに入っているスクリーンカムのデモは必見です!この春にC++Builder 3が発売予定となっています。
わたしが使用しているバージョンは、C++Builder 1.01 Professional です。

C++のRADとしてビジュアルに開発でき個人的に気に入っています。しかし、Delphi 3.0が発売してから半年以上遅れてバージョンアップされるので、最新のコンポーネントを使用するにはDelphiを選ぶケースも多いようです。(わたしもその一人(^^;) Inside WindowsやC MAGAZINE(2月号で連載終了)でBCBの連載記事などもあり、徐々に開発者人口が増えていると思われます。コンポーネントやDLLを自分自身で開発でき、またDelphi 2.0のコンポーネント(フリーソフト/シェアウェア等)の一部を利用できるのでVBより柔軟性の高いアプリケーションの開発が可能です。

不満な点はヘルプにサンプルが少ないことでしょう。あと、VCL(ビジュアルコンポーネントライブラリ)がPASCALで開発されており、PASCALが読めないとコンポーネントの中身が解析できないというのは、辛いかもしれませんね。でも、PASCAL(Delphi 2.0相当)のコードがコンパイルできるのでお得かも(^^;

 

Delphi(でるふぁい)、D3(でぃー さん:でるふぁい3の意味)
[メーカ:Borland]

ボーランド社のフラッグシップとなる開発環境です。Object Pascal言語を採用しており、PASCALを覚えるのがちょっと…という理由でわたしもつい最近まで手を出さないでいました。しかし、コードの記述はVBとC++の間くらいで決して難しくなく、むしろ程よいオブジェクト指向言語という感じで、すっかり気に入っています。RADとして最新のコンポーネントが用意され、またホームページやパソコン通信でフリーソフトやシェアウェアによる多数のコンポーネントが流通しているので、本当の意味で短期間に使えるアプリケーションが作成できる環境にあると思います。このDelphiのCD-ROMに入っているスクリーンカムのデモは必見です!
わたしが使用しているバージョンは、Delphi 3.1 Professional です。

よほど最新技術をしない限り、これほど優れた開発環境は他にないと思います。難易度はVBVCの間に位置し、実行形式(.exe)の品質はVCと同等と感じています。開発人口がそれなりにいるので、雑誌の記事でもDelphiの連載が増えています。また、書籍もかなり見かけるようになっています。触れたことのない方は雑誌のトライアル版で試されることをお勧めします。コンポーネントを自分自身で開発でき、DLLやActiveXコントロールを作成することができる(Delphi 3.x Professional版以上)など、VBの足りない機能を補うのにも便利です。論よりRUNで是非試してみてください(^^;

不満な点はBCBと同じでヘルプにサンプルが少ない点です。Delphi 3.1の場合メンテナンスリリース1が修正パッチとして公開されています。雑誌に入っているのでDelphi 3.1を使用しているならメンテナンスリリース1にしておきましょう。

 

まとめ

開発言語が一つですむ時代は終わり、ケースに応じて言語を使い分ける時代に入っている気がします。どの言語も能力を100%使い切れば優れたアプリケーションを開発できることは間違いないでしょう。しかし、時代は短期間(納期)、低コストですぐれたアプリケーションの開発を要求しています。

現時点でその要求に答えられるのがわたしの場合、Delphiだったのです。こらから数年後に他の開発環境に優れたものを見出せばその言語を薦めるでしょう。Javaが本当に使える環境になればJavaを薦めるかも…(^^;

是非、皆さんも色々な言語にチャレンジし、自分の、そして時代にあった言語を選び出してください。

 

最後に

気が付いた人がいるかもしれませんが、全て購入しているバージョンは Professional と呼ばれるものにしています。これは別にわたしがソフトのプロ(笑)というわけでなく、このバージョンにしないとマニュアルが別売になっていたり、ライブラリのソースがない、データベース接続に制限が付く、Win32APIのヘルプがないなど、アプリケーションを作るのに欠かせない情報が不足するためです。

個人で勉強用に購入するならば、一番安いバージョンで良いでしょう。しかし、フリーソフトやシェアウェア、コンポーネントを開発する場合、やはり Professional 版は必要だと思います。
また、企業で購入する場合は絶対 Professional 版以上にしましょう。そうしないと、あとで余分な出費が発生しますよ。

 

'98.02.15現在

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