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砂粒を分ける
- 授業科目
- 1992年度1年次の理科Ⅰ(地学分野は2単位)
- 鉱物に関連して4時限
- 授業内容
- 本授業の前
- 本授業・・・具体的方法
- 海砂と山砂についてそれぞれ実験を行った。
- 砂粒を分類しやすくするために、砂をふるいにかけた後、水で洗って乾燥させた。
- 砂粒を色(無色鉱物と、有色鉱物や不透明鉱物の2種類)で分類し、それぞれの砂粒の数を数えた。
- 砂粒の色による数の違いや砂粒の形の違いから、海砂と山砂のでき方について考えた。
- 本授業の後
- 鉱物標本の観察を行い、鉱物名を推定した。
- 火成岩標本の観察を行い、岩石名を推定した。
- 授業の結果
- 「ひょっとすると砂金が出るかもしれない」というと、急に熱心に砂を洗いだした。砂金が出るというのはうそである。黒雲母を砂金と間違えていた生徒が多かった。そのときは黒雲母について個別に説明した。
- 砂粒を分けて数を数えるのに根気が必要で、集中力がなかなか続かない生徒がいた。
- せっかく分けた砂粒が風で飛んでしまい、泣く泣く最初からやり直した生徒もいた。
- 海砂と山砂の形の違いが思ったより観察しやすかった。
- 砂のふるい方や洗い方が不十分で細かい砂粒が多く残り、砂粒を分類しにくい状態で実験を行っていた生徒が多かった。そのような場合は、まだ分類していない砂をもう一度ふるいにかけさせた。
- 生徒の感想
- はじめは、すごくイヤだったけど、だんだんおもしろくなってきた。石をのぞいて見るときは、なかなかおもしろかった。
- 細かい作業の実験だったのでめんどくさかった。でも、砂をこんなによくみたのは初めてだった。
- 無色鉱物のピンク色の石はきれいなピンク色でかわいらしかった。有色鉱物の方は石らしい石があんまりなかったから探しにくかった。
- 数をかぞえるのとか分けるのがすごくだるかった。でも、なんとかおわった。
- 実験してしんどかったことは、無色鉱物と有色鉱物にわけることだった。しかし、砂の中にもいろんな形をしたものや、いろんな色があったことがわかった。
- 海と陸では多少違いがあると思うが、たいして違いはないような気がした。
- 1つぶ1つぶかぞえるのがめっちゃしんどかった。自分ではがんばったと思う。よくみると、みんなちがう粒とゆうことがわかった。
- いっぱいの砂を数えてつかれたし、けっこう手間どった。でも、いろんな種類があるということがわかって、少し石に興味がわきました。
- 砂としか今まで思っていなかったけれど、一つ一つの砂粒にいろいろな色があるんだなあと感動した。
- 今後の課題
- 砂粒を分類して数を数えるのに疲れたためか、海砂と山砂の違いや無色鉱物と有色鉱物の違いについての考察が不十分になった。本当に考えさせたいことを十分に考えさせる工夫が必要だった。
- 砂粒の色が分類のどちらになるかの判断がうまくできない生徒がやや多かった。ピンクがかった色の長石を有色鉱物に入れていた生徒が目に付いた。色の見方については生徒の生活経験によって差があり、指導に工夫がもっと必要だった。
- ルーペを見ながら砂粒の形のスケッチをするのが、ややいい加減になった。生徒は細かい観察が苦手なようである。すべて同じに見えるという生徒もいた。
- グラウンドの砂をどこから取り寄せているのかを調べ、実験結果と突き合わせることができればよかった。
- 参考文献
- 地学団体研究会編,"自然をしらべる地学シリーズ3 土と岩石",東海大学出版会(1982).
- 歌代 勤,倉林三郎 編,"理科実験指導シリーズ 地学",講談社(1985).