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- 洗剤が生物に与える影響
洗剤が生物に与える影響
- 授業科目
- 1997年度3年次の化学Ⅱ(2単位)
- 1講座(男子18名、女子16名)
- 洗剤は化学ⅠBの範囲であるが、探求活動として3年の化学Ⅱで行った
- 洗剤に関連して7時限
- 考査は小論文形式で行った
- 授業内容
- 本授業の前
- アルコール、カルボン酸、エステルについて説明した。
- 油脂について説明した。
- 本授業
- 界面活性剤とセッケン(脂肪酸ナトリウム)について説明・・・1時限
- 合成洗剤についての説明、セッケンと合成洗剤とで泡立ちの違いを比べる(実験)・・・1時限
- 洗浄のメカニズムの説明、洗剤の洗浄作用を観察(実験)・・・1時限
- 合成洗剤の残留検査(実験)、洗剤アンケート ・・・1時限
- カイワレダイコンの発芽テスト(種子まき) ・・・1時限
- セッケン作り ・・・1時限
- アンケート結果の返却、洗剤の生物への影響についての説明、カイワレダイコンの実験の後片づけ・・・1時限
- 本授業の後
- 界面活性剤の洗剤以外での使用例として、化粧品とその人体への影響について説明した。
- パーマネントの原理に関した実験を行った。
- 考査を小論文で行った。
- 授業の結果
- 洗剤という身近なものを扱ったためか、授業に対する生徒の関心は高かった。
- 地域の活動で保護者が手作りセッケンを作っているなど、生徒が家庭ですでに経験している授業内容があった。
- それぞれの授業についての結果は各ページを見て下さい。
- 小論文試験(2学期期末考査)
- 問題 以下の5つのテーマから1つを選び、論ぜよ。(問題については試験当日の1週間前に配布している)
- セッケン(脂肪酸ナトリウム)と合成洗剤のはたらき(界面活性作用など)について、共通点と相違点を、その分子構造と関連づけて論ぜよ。
- 油脂からセッケン(脂肪酸ナトリウム)をつくる方法について、その原理ならびに具体的方法を化学的に述べよ。
- 合成洗剤やセッケン(脂肪酸ナトリウム)がカイワレダイコンの成長に及ぼす影響について、授業で行った実験から考察せよ。
- 化粧品に含まれている化学物質が人体に及ぼす影響について、科学的に述べよ。
- 化学物質による環境汚染について、あなたの考えを述べよ。
- 注意
- 持ち込みは禁止とする。
- 論理性、内容など科学的な点から主に評価する。
- 時間は50分
- 解答用紙に選んだテーマの番号を記入しておくこと。
- 600字の清書で20~25分かかることから、字数を考えよ。
- 今後の課題
- 洗剤に授業内容をしぼったため、時間が足りなくなり有機化学の基礎を十分説明できなかった。
- 生徒が持っている「合成洗剤は恐ろしい」というイメージが先行してしまい、実験から合成洗剤やセッケンの生物への影響を科学的に考察する姿勢が不十分になってしまった。
- それぞれの授業についての課題は各ページを見て下さい。
- 参考文献
- 小林 勇,"よくわかる洗剤の話",合同出版(1989).
- 合成洗剤研究会編,"みんなでためす洗剤と水汚染",合同出版(1989).
- 近藤 保,鈴木四朗,"生活の界面科学",三共出版(1989).
- それぞれの授業についての参考文献は各ページを見て下さい。