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  4. カイワレダイコンの発芽テスト
  1. 授業科目
    • 1997年度3年次の化学Ⅱ(2単位)
    • 1講座(男子18名、女子16名)
    • 洗剤に関連してカイワレダイコンが育つまで約1週間
    • 洗剤は化学ⅠBの範囲であるが、探求活動として3年の化学Ⅱで行った
  2. 授業内容
  3. 成長の記録
  4. 実験結果と考察
  5. 授業の結果
    • 実験結果については参考文献に記載されているものと同じであるが、生徒が毎日観察を続けたことで生徒への印象は強いものになった。
    • 実験結果が参考文献でわかっていたとしても、実際に自分の目で観察することにより、カイワレダイコンの成長の違いにあらためて驚かされた。
    • 昼休みの観察で生徒の負担は大きかったが、多くの生徒は毎日欠かさず実験室まで観察に来た。
    • 生物を育てる経験が少ないのか、カイワレダイコンを育てることを楽しんでいた。
    • 継続的な観察を授業で行うことには二の足を踏みがちであったが、継続させることで実験対象に愛着などの思い入れも生じ、ていねいな記録をとるなど多くの効果があった。
    • 生徒の会話から
      • 根毛が出てきたときに「カビが生えた」

        白いカビと思った生徒が多数で、根毛とわかっていた生徒はほとんどいなかった。

      • カイワレダイコンに虫が卵を生んだときに「カイワレダイコンが卵を生んだ」

        周りの生徒が大爆笑。植物は卵を生みません!

      • 成長が悪い班の生徒に他の生徒が「愛情が足りんのや!」

        毎日カイワレダイコンに声をかける生徒が多かった。

        「元気になれよ」、「大きくなったなあ」、「カイワレやのに元気に育ちすぎや」・・・

  6. 今後の課題
    • 洗剤水溶液による成長の違いはよくわかったが、成長に影響を与えるしくみについては十分考察できなかった。洗剤水溶液で育てたカイワレダイコンの成長が悪いのは本当に洗剤が原因なのかどうか、また合成洗剤水溶液で育てたものはセッケン水溶液で育てたものと比べて成長が悪くなっているのは本当に合成洗剤に原因があるのかどうか、これだけの実験でははっきりとわからない。カイワレダイコンを洗剤以外の水溶液で育てたり、洗剤水溶液の濃度を変えて育てたりといった、より多くの実験が必要である。
    • 1週間という継続した観察が必要で、生徒の関心が保てるかどうか不安がある。
  7. 参考文献
    • 合成洗剤研究会編,"みんなでためす洗剤と水汚染",pp.88-94,合同出版(1989).
    • 増尾 清,"安全をためそう",pp.86-89,芽ばえ社(1992).
    • 小林 勇,"よくわかる洗剤の話",pp.78-79,合同出版(1989).