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チヌの日本記録
拓寸70.8cm、チヌの日本新記録が出たと週刊釣りサンデーの記事にあった。場所は福岡県の船越という、なんでもないファミリー釣り場。常連ですら「こんなところに大チヌが？」と首を傾げるくらいの波止らしい。 釣ったのはバス好き青年で、タックルもなんとバス釣りそのまま。ダウンショットリグにサビキで釣れたイワシを付けて泳がせていたという。 全然名人じゃなくて、大チヌを狙ってたわけじゃなくて、釣った本人もビックリで、気がついたらまさかの日本新記録で大騒ぎ……ええやんか、楽しいやんかと一気に読ませてもらった。 半面、年月をかけて必死で大物記録を狙っている釣人も大勢いるというのに、こんなスタイルで記録魚をポンと釣られたら、やってられんやろなぁとも思った。 釣りはこうした不確定要素が常に内在する遊びである。我々素人がサッカーのブラジルチームと試合したら100％確実に負けるだろうが、一本勝負の釣りなら相手がどんな名人でも、勝てる可能性は決してゼロではない。 大物がこちらのエサに食いついてくれる可能性は確実にあるのだ。このあたりが釣りがスポーツと根本的に違う点であり、かつ楽しいところだろう。 ともあれ、70cmを越える大チヌは確かにいて、そして釣人のハリに掛かった。大阪湾にだってこのクラスの大物はいるかもしれないし、このオレにだって釣れるチャンスはあるかもしれない…多くの釣人にそんな夢を与えてくれた貴重な記録に心より拍手を送りたい。 |