タモの思い出



とっても大事な道具でいつもしっかり準備するのに、あんまり出番が無い釣り道具…その筆頭はタモではないだろうか?

私は枠が折りたたみ式のものを使っているが、一文字に上がると真っ先に用意する。巻かれた網を伸ばし、枠を円形に広げて柄にセットする時、ひょっとしたらくるかもしれない大物への期待にいつもワクワクする。

しかしながら、釣りを終えてまたそれをしまう時、「オマエ、今日も出番なかったなぁ…」となることが実に多いのだ。

自分のタモで初めて魚をすくったのは、確か大阪北港・大関門でのことだ。
しかし、それは自ら掛けた魚ではない。未使用買いたてのピカピカのタモを置いて竿を出してたら、横に入ってきたニーチャンがいきなりチヌを釣った。

「すいません、タモ入れてもらえませんか?」の声にドキドキものでタモを伸ばした。なんとかタモに収まりホッとしてたら、さらにもう1匹チヌを掛け、またもや私はタモ入れ係となってしまった。

その日、私は丸ボウズ…。「他人が釣ったチヌのタモ入れ役なんて…しかも2回も」と悔し涙にくれたものだ。

その後もかなり長い間タモの出番は無く、ようやく自分の掛けた魚を初めて取り込むまで、とっても長い日にちがかかったように思う。

さて、今度のタモ入れはいつのことやら。



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