釣果情報の真偽


釣りに夢中になり、新聞や情報誌で釣果情報をかき集めだした頃、ある素朴な疑問に出くわした。同じ一文字なのに西と東で釣果が大きく違うのである。同じ条件の水域なのに、なぜ差があるのか…?

まもなくその理由が解った。西の方へ渡している渡船屋さんが、その情報誌へ広告を出していたのだ。発行元としては、広告代を頂いてるクライアントに有利な情報を優先して流すのは当然だろう。

だから情報が載ってない釣場だからといって決して釣れていないわけではない。
中級者ともなれば、こうした点を総合評価して週末の釣場を決める。

例えば、釣り番組で紹介された爆釣釣場にはその週末は近づかない。大混雑しているに決まっているからだ。それに取材日と放映日では最低2週間の時差があるということも知っておいて損はない。

いつも良い釣果情報ばかりの渡船店は要注意だ。情報欄を毎日続けて見ていると、自然とそうした点が解るようになってくる。逆に電話すると「今、釣れてないから絶対くるなっ!」という気の良い船頭もいて、こんな船頭さんとは長くつきあいたい気になる。

まぁ、同じポイントでも隣同士で大違いというのが釣りの面白いところだから情報だけで語れるものではない。実際、私も爆釣情報にノセられ、夢いっぱいで渡船に乗って何度うなだれて帰ってきたことか……。

総体に、釣果情報は載っている数字の半分かそれ以下とみなすのが正しい。もちろん渡船店がウソをついているわけじゃない。自分の腕と相談して冷静に客観的に見極めよということだ。

よくある「多い人で××匹」は、裏返せば「少ない人は丸ボウズ」の意味である。もちろん、後者の方が圧倒的に多い。一人のニコニコ釣人の背後にはボウズに泣く無数の釣人たちの悲しみのドラマがあることを忘れてはならない。

そして、そのラッキーな釣人だって、先週も先々週もボウズに泣きくれた苦難の持ち主に違いないことも!。こうした喜怒哀楽をわずか数行の情報欄から読み取ることができれば、あなたはもうかなりの釣人である。

さて、各種の釣果情報から、あなたはどこまで大阪湾の真実と釣人のドラマを想像できるだろうか。



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