生薬名 カキドオシ           back
別名 連銭草 (れんせんそう) 金銭草(きんせんそう)(垣通)
効能 利水通淋・清熱化湿・解毒消腫
起原 日本各地、台湾、朝鮮半島、中国などに分布するシソ科の多年草、カキドオシGlechoma、hederacea、subsp、grandisの全草を用いる。ただし、中国で連銭草と云えばカキドオシと同属植物の活血丹Glongitubaの全草あるいは地上部のことである(市場では金銭草とも呼ばれている)。茎が伸びて垣根を通り抜けることから「カキドオシ」と呼ばれ、丸い葉が茎に連なっているため連銭草の名がある。また子供の疳の虫に用いることから「疳とり草」とも呼ばれている。
有効成分 葉や茎には精油成分のLピノカンフォン、Lメントン、Lプレゴン、リモネンのほか、ウルソール酸、硝酸カリウムなどが含まれる。

薬理作用 ●漢方では清熱、利尿、通淋、止咳の効能がある。
黄疸や浮腫、排尿障害、咳嗽、湿疹などに用いる。近年、中国では連銭草に尿路結石や胆石などの結石に治療効果があると注目されている。譬えば尿路結石には海金沙、瞿麦などと配合した三金湯、胆石症には茵陳蒿、欝金などと配合した胆道排石湯などが試みられている。

●日本の民間では小児のひきつけを起こしやすい疳症の治療に用いたり、解熱、利尿薬として用いている。また糖尿病の治療薬としても知られている。ちなみに中国市場で金銭草と呼ばれているものには、その他いくつかの基原植物が報告されている。譬えばマメ科の植物、金銭草Desmodium、styracifoliumの枝葉のことも含まれ、この生薬は広東省を中心として流通しているためとくに広東金銭草(かんとんきんせんそう)と称されている。この広東金銭草も連銭草と同様の効果があり、尿路結石や胆石症の特効薬として利用されている。

※三金湯  :連銭草、海金沙、鶏内金、冬葵子、石韋、瞿麦
※胆道排石湯:連銭草、茵陳蒿、姜黄、鶏内金、玉米髪、枳実、広玉金