苔色
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苔色とは舌面上の一層の苔状のことです。正常の苔は薄白苔が均等に分布しています。病があると舌苔の色・厚さ・潤燥度・形状・分布などに変化が現れます。舌苔の変化の状況を観察して、病邪の性質と在部の浅深・津液の盛衰などを判断します。
 
薄白苔 白苔 やや黄苔
苔状:薄苔・舌形:正常・
淡白舌・やや肥大舌は気虚、白厚苔は痰飲を意味する。陽気不足が温運を失調させて招いた痰飲内停。淡紅舌・薄白苔は正常舌の表現、疾病状態であってもこの舌診所見を呈していれば、その病状は軽く病位も浅い。
解表達邪
荊芥連翹湯、辛夷清肺湯
苔色:白苔:苔状:厚苔
偏紅舌により内熱あるいは血熱があるが、白苔、厚苔により痰飲がある。湿熱の可能性
清熱利湿化痰
温清飲、茵陳五苓散、竜胆瀉肝湯
苔状:やや厚苔
舌辺尖紅・やや黄苔は熱を意味するが、やや厚苔は熱が軽く、舌形正常は病位が裏に至らないことを示唆する。総合的に考えて表熱あるいは裏熱の初期。
清熱解表
荊芥連翹湯など
 
黄苔 褐色苔 黒苔
苔状:乾燥苔・舌形:裂紋
裂紋・乾燥苔は津虚を表すが、紅舌・黄苔を重視し裏熱偏盛。
清熱解毒
黄連解毒湯など
苔状:厚苔・舌形:正常
紅舌・褐色苔・厚苔により血分の裏熱。
清熱涼血
温清飲など
苔色:褐色苔中に黒苔・苔状:やや厚苔・舌形:やや羸痩・裂紋
舌色・苔色・苔状により湿熱蘊聚、舌形により熱盛傷津。
清熱瀉火化湿
竜胆瀉肝湯(肝胆裏熱)、黄連解毒湯(心胃裏熱)、承気湯類(胃腸裏熱)など