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: Home > Artists File > 石内 都[経歴][Biography]

石内 都
いしうち みやこ (Ishiuchi, Miyako)

◆展覧会

2005年の展覧会 >

石内都展『Mother's』
2005年1月15日(土)〜2月19日(土)12:00〜19:00(日曜月曜休廊・土曜日17:00まで)


2005年最初の展覧会は、同年開催の第51回ヴェネチア・ビエンナーレ2005の日本館代表となる石内都の展覧会で幕を開けます。6月に展覧される作品の一部が展示されます。その石内都作品をいろいろな側面から見て頂きたく、本人によるレクチャーを開催します。場所は当ギャラリーのあるビルの5F Calo Bookshop and Cafeにて。また、その後ギャラリ−にてオープニングパーティも行います。是非お越しください。

■石内都 レクチャー:2005年1月15日16:00〜18:00/Calo Bookshop And Cafe(当ビル5F)詳細はHomeへ→満席となりましたので申込み受付けを終了いたしました。
■オープニングパーティ:同日 18:00〜20:00/The Third Gallery Aya(当ビル2F)
■「キズアト」日本文教出版(税込¥2,420-)1/20発売
■「SCARS」蒼穹舎(税込¥4,410-)1/20発売
母の遺品というには粗末な品々を写真に写し、それで捨てることが出来ると思っていたのに、なかなか思切りが付かず、未だに手元においてある。肌身にまとう品物達は所有者の意志のひとつのカタチなので、その人がいなくなってしまえば無用の品になるのだから、深く考える必要は何もないのに、どうした訳か母のモノが捨てられない。
フッとビデオで撮ってみようと思いたち、同じモノをビデオに収めた。それでどうなるのか今はわからないけれど、写されたモノ達は母の所有物から少しづつ離れ、歳月と共に肌着や、口紅や靴達は別の存在を示しはじめ、もう少し時間がたつと、すっかり" Mother's "ではなくなってしまうかもしれない。
人は一生のうちにどのくらい品物を所有し、消費し、遺すのだろうと、我身について考えさせられる。石内都
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「Mother's」は石内都が捉えた、母という一人の女性の肖像です。18歳で自動車の免許を取り、満州に出稼ぎに行きます。そこで結婚。夫は徴兵され、彼女は故郷へ戻ります。そこで学徒動員で赴任してきた青年と出会い、暮し始めます。が、戦死したはずの夫が戻り、妊娠していた彼女は慰謝料を払って協議離婚します。そのような波瀾の半生を送った一人の女性が遺したシュミーズ、ガードル、口紅をその人の意志を感じるかのように捉え、石内都は提示して行きます。確執の深かった「母」との関係を静かにみつめることでスタートしたこの作品は幾度かの発表を経て、彼女の「母」から一人の「女性」の人生の軌跡へと変化していくのです。



2001年の展覧会 >

企画展
写真展『Endless Night 2001 -連夜の街』
2001年10月29日(月)〜11月10日(土)
約20年前に赤線跡(元遊廓)を撮影してまとめた「連夜の街」。 群馬、仙台、東京、横浜、横須賀、栃木、名古屋、京都、大阪、奈良と広範囲にわたっています。今回は大阪、京都、奈良だけにしぼり新しくプリントしたものとヴィンテージプリントを展覧致します。
今年新しく編集し直した写真集「Endless Night 2001-連夜の街」を出版し、その内容に対応する展覧となります。

ここ収めた街のいくつかは無いが、建物のすべてが消えたわけではない。今でも同じ場所で同じ仕事を営業している家もある。時代と共に形相は変化し、厚化粧が施されてこその街なのだから、そのたたづまいを注意深く見ようとすれば、いつでも連夜の街は発見できるはずだ。

独特の美しさと醜さを晒す建物、「連夜の街」内部で積み重なった時間が印画紙に焼き付けられています。じっとその写真を見るとぐるりぐるりと時間がフラッシュバックしていくようでもあります。
是非、オリジナルプリントそのものを見て頂きたく思います。




2000年の展覧会 >

写真展『1・9・4・7』
2000年11月27日(月)〜12月2日(土)
石内都が自分と同じ年「1・9・4・7」生まれの女性を撮った作品。手と足の作品が最初に発表されました。その時に撮影していた「顔」の作品も加わり、それぞれの人生の重みと意味を考えさせる展開となりました。



1998年の展覧会 >

写真展『YOKOSUKA AGAIN』
1998年10月12日(月)〜10月31日(土)
町から受けた傷がある。それは眼にはみえないものなので思い込みだけの痕跡だ。それがいつの間にか写真になり、その町は幻影のように遠くなる。

1977年、以前から暮らしていた町を撮影して、初めての個展を開いた。その時は写真について何も知らず、ましてや写真家になるなんて夢にも思わず、ただ所在のない熱気と、身に付いた切実さがあるだけで、キリキリと思い出さずにはいられない痛みのうずきを確かめるように町を歩き、写真を撮り、プリントしていた。その写真は無知の強さと相俟って粒子のひと粒、ひと粒に記憶が黒々とにじんでいた。横須賀を写真に撮る。それは取りも直さず思春期への追憶の旅。思い出、過去、記録、時間、痕跡、写真のすべてがこの町に用意されていた。横須賀は写真がとてもよく似合う。

「YOKOSUKA AGAIN1980-1990」は「FROM YOKOSUKA」展からちょうどEMクラブが閉鎖され、老朽化の名のもとに、じわじわと廃虚になるべく歳月をかけ、りっぱに廃虚になって解体された1990年までの写真で構成した。
横須賀ふたたび、See you again。

石内都の原点ともいえる写真作品が並びます。この展覧会を多くのかたがたに知って頂きたく思います。

  尚、1998年10月8日(木)〜11月24日(火)国立国際美術館での展覧会「芸術と環境―エコロジーの視点から」に石内都最新作「SCARS」が出展されます。
そして、10月17日(土)14:00〜石内都レクチャーが開催され、作品についてのさまざまな話が伺えることと思います。ギャラリーでは、レクチャーツアーを組みます。10:30ギャラリー集合で、国立国際美術館での展覧会をみた後、レクチャーに参加する方を募集します。お申込はギャラリーまで。必ず、事前にご予約ください。
(06-366-8226 綾まで)




1996年の展覧会 >

写真展『ChromosomeXY』
1996年3月4日(月)〜3月30日(土)
できるだけ被写体のからだに近づいて、撮っているので、それははじめはからだの、どの部分か、すぐには判別できないものさえあります。からだとは、こういうものだったのか。はじめて見たようにさえ思うのです。
もしかしたら、からだについて、何もわかっていないのかも知れません。皮膚も、産毛も、そして、そこに刻まれている時間も、正面から向かいあったことが、あったでしょうか。
人が生きてきた重みをたたえて、醜いはずの傷やしみも、愛しさを感じます。ひとつのからだにこんなにも様々な表情があるのです。
写真は「見る」ということに向かわせてくれるの、最もふさわしいものなのです。
ヌードではない、からだを捉えたこの作品にできるだけ多くの方々に見ていただきたく思います。



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