Windows 95でのフランス語・ロシア語処理

[これはWordPro 97ファイルwin32fr4.lwp、HTMLファイル*.html、リッチテキストファイル*.rtf、Word 97ファイル*.docで配布されています。HTMLファイル以外は、遅れ気味です。]

三上吉彦 ymikami@ibm.net

私は長野オリンピック以前から自分のパソコンでもOS/2 Warpを使っていましたが、先日このパソコンの残りの区画にWindows 95を入れようとしてフォーマットしたところ、手違いでOS/2 Warpの区画もフォーマットしてしまい、Windows 95だけになってしまいました。丁度いい機会なので皆さんから3年遅れでWindows 95を勉強しています。以下にWindows 95の下でのフランス語などの処理方法をまとめてみました。はじめはもともとの文章は Lotus WordPro 97 で作り、それをセーブする時にHTML文書(多少手を加えた)とリッチテキストフォーマットにも変えて、後者から友人に頼んで Microsoft Word 97 ファイルにしてもらっていたのですが、最近はもっぱらHTMLファイルだけをアップデートしていますので、要注意。

フランス語・ロシア語キーボードを使う一般的な方法

Windows 95日本語版で諸外国語のキーボード入力は、フランス語を含む西欧・北欧言語(いわゆるISO 8859-1またはLatin 1文字コードを使う言語)には、次の操作(1)を行なえば簡単に使うことができます。

操作(1):マイコンピュータからコントロールパネル、キーボード、言語、追加を選び、フランス語(カナダ)でOKとします。ここでWindows 95システムCD-ROM(またはディスク)を要求してきますからこれを入れてやると、キーボードドライバが入ります。これでフランス語(カナダ)キーボードとフォントが使えるようになります。

注意(a):フランス語などの西欧語(欧米語)・スエーデン語などの北欧語以外では、次の操作(2)をやってから操作(1)を行ないます。
操作(2):Windows 95のスタート、設定、コントロールパネル、アプリケーションの追加と削除、Windowsファイル、多国語サポート(ユーザー補助と通信の間にある)をギリシャ語とキリル文字言語(ロシア語など)と中央ヨーロッパ言語(チェコ語など)にチェックマークをつけて選ぶ。 ここでWindows 95システムCD-ROM(またはディスク)を要求してきますからこれを入れてやると、5種類のTrueTypeフォントが(Arial、Courier New、Lucida Console、Rockwell Condensed、Times New Roman5種類がギリシャ、キリル、トルコ、バルト、欧文、中欧用で)入ります。この多国語サポートは、パソコンにプリロードしているWindows 95によっては、またはディスク版Windows 95には(下の注意(b)で述べるCD/FD差分ファイルにも)入っていませんが、その際には、Windows 95 Utilities - Multilanguage Supportに「アルバニア、ブルガリア、ベラルーシ、チェコ、エストニア、ギリシャ、ハンガリア、ラトビア、リトアニア、ポーランドー、ルーマニア、ロシア、セルビア、スロバキア、スロベニア、ウクライナ、トルコ語で文書を書きたい場合には」と英語で説明があるhttp://www.microsoft.com/windows/downloads/bin/W95lang.exeでダウンロードしたファイルW95lang.exe(1337KB、1 Feb 1996)を、空のフォルダーに入れて解凍しする。このファイルは自己解凍ファイルなので、ダブルクリックするだけで解凍できる。次に、コントロールパネル、アプリケーションの追加・削除、Windowsファイル、ディスク使用と選択して、参照で解凍したファイルの入ったフォルダを指定するとmullango infファイル名が出てOKでMultilanguage Supportとなるので、詳細で使用したい言語(例えばCyrillic Language Support)を指定すると、OKでインストールが始まる。インストールが終ると、上記の「アプリケーションの追加・削除」に言語(例えばCyrillic Language Support)が表示される(Multilanguage Supportという大項目は表示されない)。次に、上記の「キーボードの追加」でRussian、Bulgarianなどのキーボードが入れられる。
注意(b):この操作(2)は、Windows 95英語版用に用意されたものが、Windows 95日本語版でも動く場合が多いことをユーザーが発見した情報で、マイクロソフトのホームページには見つからないものなので、動かないかも知れないので要注意。

日本語モードからフランス語(カナダ)キーボードへの切り替えは、画面のインプットメソッド選択のツールバーをクリックしてフランス語を指定するか、またはキーボードから左Alt.ShiftまたはCtrl.Shiftで行ないます。(私はカナダフランス・キーボードとロシア・キーボードを入れて、次々に変えて使えるようにしていますが、問題ありません。)こうして、Windows 95のアクセサリーにあるワードパッド(WordPad)またはMicrosoft Word 97やLotus WordPro 97などのワープロソフトで欧文フォントを選び、そこでフランス語キーボードに切り替えると、例えばアクサン付き文字は次のようにして入力できます。

/ ---> e' ? ---> E' 右Alt./ + e ---> e' 右Alt./ + E ---> E'

: + e ---> e` @ + a ---> a^ [ + c ---> c, { + i ---> i:

ここで { + i ---> i: のところは、当然 Shift { + i とすることに注意してください。また、キーボードをフランス語(カナダ)とし、フランス語(標準、つまりフランス)を選ばなかったのは、フランスのキーボードではQとA、WとZが入れ替わっていて(いわゆるAZERTY配列)、MがのLの右隣りにきていたりして、アルファベット文字キーの配列が米国・日本のキーボード(QWERTY配列)と違っているので使いにくいからです。

それでも、句読点や特殊符号のキー配列が,.;!"以外は日本語キーボードの場所と違っているので、違和感があるかもしれません。?は&のところ、'は<のところ、*は(のところ、<は]のところ、>は}のところです。キーボードから入れられない文字は、アクセサリーにある文字コード表で選ぶか(表の左上が032番、pqr行の2行下のブランクが160番、右1番下が256番目の文字)、またはキーボード右側の数値キー(ノートパソコンではニューメリックロックNumLkを押して)からISO 8859-1/Latin 1の256文字コード表で3桁の10進数をAlt.キーを押しながら入れればよい。例えば、バックスラッシュ(\)---この文字は日本語コード表では\符号に相当し、ディスクのファイル場所をC:\ABC\MYFILE.TXTなどと示すのによく使う---は右Alt.+ 半角/全角キーであるが、これをやると欧文/漢字の切り替えになってしまうので、この文字は256文字テーブルでは092番目にあるからAlt.092と(Alt.をずっと押したまま092)入力する。(C:\ABC\MYFILE.TXTだけなら、その部分をマークして、欧文フォントを指定すれば C:\ABC\MYFILE.TXT となる。)同様にして、フランス語引用符ギュメは、Alt.171(>>)とAlt.187(>>)です。

注意(c):アクセサリーの文字コード表・プログラムがない人は、アプリケーションの追加と削除で指定して、CD-ROM版Windows 95から入れます。ディスク版Windows 95の人は、マイクロソフトのホームページ(http://www.microsoft.com/japan/download.htm)に「Windows 95 CD/FD差分(CD-ROM Extras)」があるので、これから取って自分のパソコンに入れることができます。

注意(d):上に書いたバックスラッシュを入力する方法の問題は、まもなく出荷が始まるWindows 98では直してくださいね---DOS/Vの英語モードでは米国キーボードでこのキーにティルデ( ~ )があり、ちゃんと使えました。近いうちに、ドイツ語もフランス語も両方入力に便利そうなフランス語(スイス)・キーボードまたはオランダ・キーボードを試してみたいと思います。

ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語などの文字は、それぞれドイツ語(標準)、スペイン語(現代)、ポルトガル語(標準)、ロシア語などのキーボードを選ぶといいでしょう。各国語で頻繁に出てくる特殊文字が、その言語用のキーボードでは1キータッチで入力できるようになっています。ドイツ・キーボードではYとZキーが入れ替わっていて、βは-のところ、ウムラウト文字は:、;、@のところにあります。スペイン・キーボード上では、n~は;のところにあります。なお、ロシア・キーボードの配列は、ЙЦУКЕН(Y-TS-U-K-YE-N)となります。

         ロシア・キーボード(標準):
     !!   ""   #No. $;   %%   &:   '?  (*  )( \)  =_  ~+  |  
     11   22   33   44   55   66   77  88  99  00  --  ^=  \    
       QЙ  WЦ  EУ RК  TЕ  YН  UГ IШ  OЩ  PЗ `Х  {Ъ     
                                                      @х  [ъ    
        AФ  SЫ  DВ  FА  GП  HР  JО  KЛ  LД  +Ж  *Э  }/
                                                    ;ж  :э  ]\  
         ZЯ  XЧ  CС  VМ  BИ  NТ  MЬ   <Б   >Ю   ?,  _     
                                            ,б   .ю  /.  \   
MS/PC DOSのソ連キーボードと違ってロシア語のЁとёのキーが見つかりませんが、ロシア語フォントのコード番号で168と184なので、それぞれAlt.168、Alt.184で入力できます。ここでコントロールパネル-->キーボード-->言語-->ロシア語-->プロパティー-->ロシア(タイプライター)と選ぶと以下のようなレイアウトになり、Ёとёが使えます。
         ロシア・キーボード(タイプライター):
     !1  "2  #3  $4  %5  &6  '7  (6  )9  \0  ==  ~\  |  
     1No.2-  3/  4>> 5:  6,  7.  8_  9?  0%  -!  ^;  \    
       QЙ  WЦ EУ RК TЕ YН UГ IШ OЩ PЗ `Х {Ъ      
                                             @х [ъ 
         AФ SЫ  DВ FА GП HР JО KЛ LД +Ж *Э }(
                                              ;ж :э ])
           ZЯ  XЧ CС VМ BИ NТ MЬ <Б  >Ю  ?Ё _     
                                     ,б  .ю  /ё \     

フランス語・ロシア語入り日本語テキストの交換

インターネット用ソフトNetscape CommunicatorのMessenger(e-mail)で表示、文字コードセットを欧米(ISO 8859-1)に指定すれば、本文にフランス語を上のフランス語キーボードで入力して送信し、また受信もできて、うまく処理できます。ただし、フランス語文字を混ぜた日本語はうまくいきません。この場合には、ワードパッドやWord 97などで作った文書を、セーブする時にリッチテキストフォーマットに変えて(*.rtfファイル)、バイナリーファイル添付文書として送りましょう。Word文書をそのまま送付しない理由は、Microsoft社の製品をきらいな人が意外と多く、Word以外のワープロソフトを使っている人もいるので、リッチテキストなら(といっても、これもマイクロスフトの定義したもの)アクセサリーにあるワードパッドでも、ほぼどのワープロソフトでも読めるからです。ただし、フランス語の*.rtf変換はWordPro 97でもWord 98でもうまくいきましたが、ロシア語の変換はWordPro 97ではダメでWord 98ではうまくいきました。

相手がMacintoshを使っている場合は万能の方法はないのですが、Microsoft Wordを使っている人にはリッチテキストのファイルを送ってもOKです。Word 97で作ったWordファイル(*.doc)はWord for Macでは読めなかったと報告があり、ファイル交換には使えませんでした。MacではPascal WriteやNisus WriterやWordなどのワープロソフトの間で、ファイル相互交換はどのようにやっているのでしょうか。

HTML文書

インターネットホームページでは、HTML言語(HyperText Markup Language)による文書が使われます。フランス語などのアクセント付き文字は、HTML文書用には2つの方法があり 、1つ目はただ単にWindows 95のテキスト・ファイル(Latin 1文字コード)を使うもの、2つ目は

http://www.threeweb.ad.jp/logos/mlweb/weurope.html

にあるように書くものです。後者は、例えば、Latin 1の文字コードそのままでなく、Named Character Referenceで

Je vais a` l'e'cole. -----> Je vais &agrave; l'&eacute;cole.

というような書き方をし、これを私は初心者にはおすすめしています。私はホームページ作りには、ホームページ作成ソフトは使わずに、Windows 95のアクセサリーに入っているメモ帳(NotePad)かワードパッドで作っています。

Microsoft Word 97やLotus WordPro 97などでは、作った文書をセーブするときに「HTML文書」を指定すれば、HTML文書に変えてくれます。ただし、上に述べた方法によるフランス語テキストなどはうまく変換してくれません。

Netscape Communicatorにコンポーザー(Composer)というホームページ作りソフトがついているので、これを使えばフランス語のページ、または日本語のページがうまく作れます。日仏混合のページを作るには、それぞれの各言語でのページを作り、各ページを保管する時にUnicode (UTF-8)のHTMLファイルで別名保管した後、ワードパッドで辛抱強く1つのHTML文書にするしかありません。おそらく、Microsoft Internet Explorer 4.0のFrontPage Expressでも同じ状況でしょう。だたし、別売のFrontPageでは、日仏混合のUnicode (UTF-8)文書ができるようですが、フォントを細かく指定した内容になってしまい、Internet Explorerでは見れるが、Netscape Navigatorでは見えないようになりまいます。(Windows NT下のNetscape Navigatorでは見れる。)

フランス語・ロシア語のソフトウェア

次にフランス語ソフトウェアの経験集を徐々に書いていきます。いま毎週出席しているフランス語聖書研究会で、ロベールの辞書(Le Petit Robert Electronique \19,708 & Le Grand Robert Electronique \78,193)とユニヴェルサリスの百科事典(Universalis \77,416)を文字化けしないで使う方法を教えてと聞かれたのですが、自分でもっていないので、手始めに昔カナダ・モントリオールへいった時に買った「Le Correcteur pour Windows 3.1」(Machina Sapiens社) という文法チェックプログラムをWindows 95日本語版にインストールして試してみました。本文のところはうまくフランス語を処理できていますが、メニューバーなどのフランス語とシステムのメッセージが妙な漢字まじりのフランス語で出てきます。Windows 3.1の時には、コントロールパネルで使用言語を欧文とすれば英語のソフトでも、フランス語のソフトでも、少なくともメニューバーまでうまく使えたと思うので、もう少しうまいやり方があるか調べてみましょう。(この項、つづく。)

これ以上は...

この文書の最新版は、私のインターネット・ホームページ

http://www.threeweb.ad.jp/logos/mlweb/index.html#winfr

にあります。これをまとめるにあたって、飯野和夫さんのホームページ「インターネットからのフランス語」とその「補遺I & II」

http://lang.nagoya-u.ac.jp/~ino/toktei95.htm
http://lang.nagoya-u.ac.jp/~ino/toktsup.htm

も参考にさせていただきました。私のもう一つのホームページ「世界の言葉をコンピューターとインターネットで---フランス語編」

http://www.threeweb.ad.jp/logos/french.html

からもリンクされています。安光伸江さんのドイツ語学習関連のホームページ

http://www.246.ne.jp/~joe/

も丁寧に書かれていて、大変参考になります。私のもう一つのホームページ「世界の言葉をコンピューターとインターネットで---ドイツ語編」

http://www.threeweb.ad.jp/logos/german.html

からもリンクしておきました。 また、ロシア語については山村理人さんのホームページ「ロシア語、中・東欧言語とコンピューター」(北海道大学スラブ研究センター・ホームページの一部)

http://www.slavweb.com/jp/Ruccify/r-index.html

にかなり詳しく書いてあるので、もうこれ以上の解説は不要かも知れません。私のもう一つのホームページ「世界の言葉をコンピューターとインターネットで---ロシア語編」

http://www.threeweb.ad.jp/logos/russian.html

からもリンクしておきました。

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Created on June 3, 1998 by Yoshi Mikami at ymikami@ibmnet. Last update on July 25, 1998.