1部の追加情報

マルチリンガルWebガイド

出版社: オライリー・ジャパン

Move to the English Part.

出版後に気が付いた点や訂正事項を書いてあり、今後の改訂版・各国語版に備えるものです。

1部 マルチリンガルWebの世界

1章 欧米のWebページ
1.1.2 アメリカとカナダ
[p.4]:
「カナダの英語は、」のパラグラフの直前に以下を挿入
現代アメリカ英語は世界の各国から移住してきた人々の言葉から多大な影響を受けています。最近は特に南の隣国メキシコやカリブ海諸国からの移住者が増えた州では、スペイン語も公用語として認めようという動きもある程です。ごく最近のアメリカ英語の話題としては、'96年12月にカリフォルニア州オークランド市教育委員会が、黒人を中心にして使われている「エボニックス」(Ebonicsはebony黒檀、まっ黒のと、英語の発音と綴り字との関係を教える教授法phonicsフォニックスとの合成造語)を正式言語として認め、英語教育の一環とするという決議をしたことです。これはだだちにホットな賛否両論を生み、インターネット上でも翌月に行なわれた米国言語学会(Linguistics Society of America)の賛成決議(http://www.lsa.umich.edu/ling/jlawler/ebonics.lsa.html)などを見ることができます。

まぼろしの1.1.4 日本の英語
[p.7]:
初稿にはあったのですが、紙面の制限で割愛されたものです。
こうして世界の英語の新聞をネット・サーフィンした後、日本の代表的英字紙

The Japan Times http://www.japantimes co.jp
などを見ると、日本の英語がいかにイギリス英語とアメリカ英語の両方の影響を受けてきたかを実感します。日本は明治時代に、科学・医学はドイツ語、陸軍はフランス語、その他国の基本的なものはイギリスにならって作られ、日本の英語はほとんどがイギリス英語が中心でした。官庁の大蔵省(Ministry of Finance)のように省はMinistryであり、決して米国のようにDepartmentとは言わない。大学でも工学部(Faculty of Engineering)のように学部はFacultyであり、決して米国で一般的なSchool of Engineeringというようには呼ばれません。
図 1-4a The Japan Timesのホームページ
これに対して、第2次大戦後の日本は1時期米国を中心とする連合国に占領されて、この間とその後のアメリカとの人的、物的交流の過程でみごとにアメリカ英語になじんでしまいました。現在の日本での英語のスペルや表現は、ほとんどアメリカ英語に基づいているといっていいでしょう。この傾向は、韓国、台湾、中国の英語も、「The Korea Herald」(http://www.koreaherald.co.kr)、「China Times」(「中国時報」の英語版)、「China Daily」(http://www.chinadaily.co.cn)などを見ても分かるように、やはり同じような傾向をたどりました。それらの新聞で「organization」、「center」などのスペルを探せば(英国英語ではそれぞれ「organisation」、「centre」)、現在は米国英語で書いているのが理解できます。

以上、英語のWWWの世界も一枚岩の単一な世界ではないということが分ると思います。英語の章の終りに、この事実をどうやって自分自身のために役立てていったらよいか、考えてみましょう。

最近は大学のWWWを見て入学願書を送ったり、WWWで海外のメールオーダーをする機会も増えてきました。そういった際はてっとり早い外国語として英語を使う訳ですが、自分が使う英語が世界の誰にでも理解できるような表現を使っているかは意識しながら書くといいと思います。世界の英語の書き言葉にはには大きく分けてイギリス英語とアメリカ英語があり、互いにミックスはしないようにするべきでしょう。英語で表現するのが精一杯で、とてもそこまでは配慮できないと思う人々が大多数でしょうが、多少の時間をかけて最終チェックするのがいいと思います。

コラム1 Webブラウザで英日翻訳
[p.8]: この本の外国語版に備えての追加情報
このコラムは日本語版ソフトウェアの話なので、外国語に翻訳するのはあまり意味がありませんから、Accent Software International社のWordPoint(英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・ヘブライ語などの相互翻訳、音声でも)などを調べて載せるように出版社へいってください。

1.3.3 ドイツ語の新聞と雑誌
[p.22]:
オーストリアの新聞Der Standard(http://www.DerStandard.at)も同じく、日曜・祝日を除く毎日更新です。以前はその日の分しか読めませんでしたが、'97年2月からファイル構成なども一新して、Archiv(書庫)も検索できるようになりました。ただし、始めて検索する前に簡単なアンケートに(もちろんドイツ語で)答えた上で、住所と名前、自分で決めたID(のようなもの)とパスワードを登録しておく必要があります。うまく登録が済むと検索画面に入れます。キーワードと日付(「最近何日以内」または「何年何月何日から」)の指定ができるので、例えばウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で女性団員の加入が始めて'97年2月に認められた時には、「Wiener Philharmoniker」を含む「最近7日以内」の記事を検索すると、「始めてのPhilharmonikerinであるハーピストのAnna Leikesさんがロサンジェルスへ飛んだ。その前のロンドンとパリの公演ではハープは一本だったのだ」などと、いくつかの記事のタイトルと冒頭の数行の内容と文字数と時間が出てきました。

1.5 ポルトガル語の世界
[p.35]:
p.26のスペイン語の対比に似せて、もともとの原稿にあったのは:
コンピュータ、インターネット関連で言えば、ポルトガルとブラジルの単語の相違は、次のようなものです。
ブラジル・ポルトガル語ポルトガル語日本語訳
MouseRatoマウス
Clique no bota~oPrima o bota~oボタンをクリック
AcessarAcederアクセスする
a Interneto Internetインターネット
SiteSi'tioサイト
TelaEcraモニター画面
ブラジルでは大胆に米国英語を取り入れているという印象です。

1.9.3 ギリシャ語のWebページ
[p.71]:
かつてはアルバニア語もギリシャ文字を使用していましたが、ペリクレスの黄金時代(前5世紀)のこの文字を使っているのは、現在ではギリシャだけになりました。かつてギリシャ語は複雑なアクセント符号を使用しましたが、1982年の正書法改革以降は鋭アクセント(')と分音符号(:、ウムラウトと同じような符号)のみが使われています。

2章 アジア、中近東、アフリカのWebページ
2章 [p.83から]: 全体へのコメント: 2章が47ページで、1章の79ページに比べて少なかったことを多少反省しています。ただしこれは、1章には、コラム1 Webブラウザで英日翻訳(4ページ)やコラム2 Streamingラジオ放送(6ページ)も入っている、オーストラリア/シンガポール/インド/日本などのオセアニアとアジアの英語に関する記述も含まれている、通常中近東と目されるトルコ語、アルメニア語、グルジア語の世界なども前後の記述の関係で入っているので、ご理解いただければと思います。

2.1.2 日本語Windowsで中国語を表示する方法
[p.84]:
オムロンソフトウェアcWnn95 R3.0 & cWnn98 R4.0を追加。

2.2.1 Windowsでハングル表示
[p.91]:
オムロンソフトウェアkWnn95 R2.0シージーエスWINK97 Ver.3.0 & WINK98 Ver.4.0を追加。

2.4 東南アジアの言語の世界 [p.105]というタイトルがいいでしょう

2.5 アラビア語の世界 [p.112]というタイトルがいいでしょう。この言語と関係ある言葉や、この言語で使用される文字を使った言葉を同一の章に入れることは、他の章でもやっているので

2.6 ヘブライ語の世界 [p.119]というタイトルがいいでしょう。同上。ウクライナ生まれで ---> ベラルーシ生まれで...イェフダ(訂正)。

2.6.3 イディッシュ語のWebページ [p.122] イーディッシュ ---> イディッシュ(訂正) シュロモ・アレイヘム ---> ショレム・アレイヘム(Shalom Aleichem)。

2.6.4 ラディノ語もWebページ [p.123] ラディーノ語 ---> ラディノ語 (ジュデズモ語、またはユダヤ・スペイン語)。

コラム3 インターネットの新エスペラント運動
[p.129]:
エスペラント語はISO 8859-3 (Latin 3、p.141)を使って書くことになっていますが、ASCII文字(Latin 1)を使う場合はc, g, h, j, sの上に^の付いた文字の表記を人によりc^, ^c, cx, chなどで、uにu字符の付いた文字をu~, u^, ^u, ux, wなどでしています。
エスペラントの部屋へようこそ!
は、 http://rikks.sci.hiroshima-u.ac.jp/~d0673003/Esperanto/から次に移動しました。

http://www.sainet.or.jp/~snisikaw/Esperanto/

その他;
豊中エスペラント会のホームページ
http://www.age.ne.jp/x/yamano/TEG.html
日本エスペラント学会(Japana Esperanto-Instituto)ホームページ
http://www2s.biglobe.ne.jp/~jei/
[この項は山野敏夫さんからの連絡を加味してまとめました]

注:日本経済新聞('98年7月4日夕刊)によれば、東京の国連大学高等研究所の内田裕士さんを中心とするグループはUNL(Universal Networking Language)をというインターネット各国語翻訳用の中間言語を開発中。'98年11月に国連でデモが行われることになっていて、2000年までに15か国語(公用語と使用人口が多い日本、ヒンディー、インドネシア語など)、2006年までに世界185か国語で実用化できる予定。

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Addional Information to Part 1

The Multilingual Web Guide

Published by O'Reilly Japan

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The following additional information is for a revised Japanese or translated foreign language edition.

Part 1: Viewing the Multilingual Web Pages

Chapter 1. The European and American World
1.1.2 U.S.A. and Canada
[p. 4]:
Insert just before Canadian English a paragraph about Ebonics, citing the resolution (http://www.lsa.umich.edu/ling/jlawler/ebonics.lsa.html) by the Linguistics Society of America.

1.1.4 Japanese English
[p. 7]:
This new section with two paragraphs from the Japanese text above can be inserted.

Episode 1: English-to-Japanese Translation in Web Browsers
[p. 8]:
The translated edition should replace this episode with software such as Accent Software International's WordPoint, which offers translation among English, French, German, Italian and Hebrew, visually and in audio.

1.3.3 German Newspapers and Magazines
[p. 22]:
A paragraph on the Vienna Philharmonic Orchestra's first lady member, Anna Leikes, which appeared in Der Standard (http://www.DerStandard.at) in Feburuary, 1997, can be inserted from the Japanese text above.

1.5 Viewing the Portuguese World
[p. 35]:
In the draft was a table silimar to the one for Spanish on p.26:
Examples of the difference between Brazilian Portuguese and European Portuguese in computer and the Internet terminology are as follows:
Brazilian PortugueseEuropean PortugueseMeaning
MouseRatoMouse
Clique no botãoPrima o botãoClick the button
AcessarAcederAccess
a Interneto Internetthe Internet
SiteSítioSite
TelaEcraDisplay Screen
Brazilian Portuguese seems to have boldly borrowed from American English.

Chapter 2. The Asian and African World
[p. 83]: Note: Chapter 2 with 47 pages is regrettably shorter than Chapter 1 with 79 pages. However, Chapter 1 includes Episode 1 on English-to-Japanese translation and Episode 2 on the Internet Radio. It also includes English as spoken in Australia/Singapore/India/Japan in Oceania and Asia, and the languages such as Turkish/Armenian/Georgian that are considered Asian.

2.1.2 Displaying Chinese under Japanese Windows
[p. 84]:
Add Microsoft's Global IME (Input Method) C/J/K for Internet Explorer 4.0.

2.2.1 Displaying Korean under Japanese Windows
[p. 91]:
Add Microsoft's Global IME (Input Method) C/J/K for Internet Explorer 4.0, and CGS's WINK97 Ver. 3.0 & WINK98 Ver. 4.0.

Episode 3 The New Esperantist Movement on the Internet
[p.129]:
Note : According to the Nihon Keizai Shimbun (July 4, 1998), a "Universal Networking Language" (UNL) is being developed by a group lead by Dr. Yushi Uchida of the Institute of Advanced Studies at United Nations University, Tokyo, as a median language for translation. It will be demonstrated at UN, New York, in Nov., 1998, planned to be used on 15 languages (all official languages of the UN and other major langauges, such as Japanese, Hindi and Indonesian) by 2002, and on 185 languages by 2006.

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Prepared by Yoshi Mikami. Created on July 25, 1997. Last update on Nov. 20, 1998.