ソフトウエア開発経験事例

大連市の市花、アカシア

 当社は、2001年4月に設立されました。我々グループは、過去に、日本のお客様が中国でソフトウエアを開発した際に、お手伝いをした豊富な経験を有しています。今までに、日本のお客様が、中国でソフトウエアを開発する場合の、数多くのメリットとデメリットを経験してきました。  日本企業が中国のソフトウエア技術者に開発を依頼する主な理由は、開発費を安くするのがねらいです。大連市で開発する場合は、北京、上海に比べてかなり安いです。しかし、日本人が中国固有の問題を解決する経験を持たなかったため、あまり効果を上げられなかったり、トラブルに巻き込まれた例も多々あります。日本のお客様が安心して中国でソフトウエア開発が出来るように、日本と中国の橋渡しをする必要があると強く感じ、現地(大連市)に当社を設立しました。なお、参考のために、中国におけるソフトウエア開発の経験事例を若干挙げます。

(1)ソフトウエア開発会社を選ぶときの留意点

 ある日本の会社から、汎用機で使用する数百本のCOBOLプログラムをPCで開発する依頼がありました。このケースでは、PC側でCOBOLを開発する為の特殊ツールを使用しました。大連市の複数のソフトウエア開発会社にCOBOLプログラムの開発を打診しましたが、単発の仕事であるため、又は、仕事量が多すぎて1社では処理できない等の理由で、規模の小さい5社のソフトウエア会社でコンソーシアムを創って分散発注し、3ヶ月の納期で引き受けてもらう事が可能となりました。当社には多数の協力会社があり、選択肢が多いため、このように分散発注が可能となったのです。
 これらの会社では、COBOLを初めて勉強するプログラマーが相当いました。一般的に、中国のソフトウエア技術者は、経験のない分野でも2週間の学習期間でキャッチアップするようです。  JAVA、SQL、LINUX、webなど新しい技術についても、懸命に努力し、短期間で習得します。
 以上は、当社の設立準備中の仕事でしたが、当社が、ソフトウエア会社の紹介、及び品質管理と進捗管理を行い正常に納品することができました。以上のノウハウをニッチ戦略として、今後力を入れたいと考えています。時々、日本人の開発担当者が大連に来てソフトウエア会社を探すケースが見受けられますが、大連には、約300社ものソフトウエア会社があり、短期の出張期間中に最適のパートナーを見付けるのは相当に難しいです。 このような場合、当社がお手伝いします。

(2)詳細設計書の不備について 

大木に育ったアカシア

 ある日本企業からの大規模システムの受注でしたが、日本から詳細設計書を送ってもらい、中国でプログラムを作成した例です。開発期間の後半になり、基本的な所に設計書の不備があることが判明しました。設計書の誤りは人智では、避けがたいものがあります。中国人の気質として、設計書に書いてある通りに仕事をするが、日本人のように気を利かして余分に仕事をすることはしません。この設計書の誤りのケースでは、日本と中国のコミュニケーションの問題を解決するために、中国ソフトウエア会社内に日本人駐在室を作り、数名の日本人設計技術者が交代で常駐しました。当然、一部のプログラムは手直しになりました。このような形になってしまうと、開発費が膨らみ、中国で開発するメリットが大幅に減少します。
 以上は、当社設立前に、当社のコンサルタントが、ある中国のソフトウエア会社で経験した例です。当社では、中国に駐在する日本人コンサルタントが品質管理、進捗管理を担当するため、早期に設計書の不備を発見し対応しますので、最も安価で能率的な開発が出来ます。例えば、上記、(1)の場合、当社が設計書の不備を発見しております。

(注)一般的には、日本で、上流工程の設計書を作り、これを切り分けて中国で下流工程のプログラミングを行う場合が多いですが、中国のソフトウエア会社が上流工程から引き受けるケースも最近では多くなりました。

(3)中国人の日本語理解について

満開のアカシア

 一般的に、中国のソフトウエア会社の社員は、日本人が英語を理解できる程度に、日本語を理解できます。日本語学校で日本語を学習している人が多く、「カタカナ」、「ひらがな」は、ほぼ問題ありません。  当然ですが、漢字の意味も分かります。しかし、日本語会話が得意な人は少ないです。 中国人は、「我々と日本人のコミュニケーションは、インド人より良い。我々は日本の漢字を理解するから」と言います。  また、日本語の理解度は、ソフトウエア会社によって差が大きいです。設計書を読む場合、及び日本語文書を書く場合等、微妙な日本語の表現が理解できないことがあり、日本人の助けが必要な場合が多く、当社の日本語に対する支援は中国人に非常に有利です。

 その他、中国でソフトウエア開発をする場合、中国と日本の文化、習慣、法律等の違いによって、いろいろなトラブルが起こりますが、当社はこれらを適切に解決します。

            2003.01.11、更新